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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


桜舞う 八景から [2021年06月30日(Wed)]

日本人の心地は、梅から桜に移ったという
それは、能から歌舞伎への移り気にも似ている

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花は、蕾から花開き
風に誘われて、散りて舞い、落つる

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咲かんとするひたむきな命が美しいのか
散り行きてなお、無欲なる美しさか

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知らぬ人は何事もなく通り過ぎる
時の流れが、あるとも、なくとも

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時に任せて、委ねたる波紋
ほんの一音たる辞世の句と香る

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行きずりのささやきに耳傾け
命の移ろいに耳を澄ませてみよう

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命を分け合い、命を繋ぐ
命は何処から来て、何処へ行くのだろう

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さあ、ゆっくりと休むがいい
いつかまた、時のいたずらに、逢うこともがな

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Posted by 林 at 14:31 | 作品 | この記事のURL | コメント(0)
好きなものを育てることから [2021年06月30日(Wed)]

当家で鼻歌が聞こえてくることはなかったそうです。

少し外出が増えてきた息子さんに、
通院を始めてみないか?
作業所に行ってみないか?
高校か、夜間中学に行ってみないか?
風月庵に勉強に行かないか?

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親からは、社会参加に向けての色んな提案が、次々と出されていきます。
社会との接点が出来、外出を始めて3年になる。
周りから見ても、もっと色んなことに挑戦出来るだろうに、もったいないと、焦る気持ちが正直ある。

しかし、去年は「何をやっても続かないから」と自らを反省して、この5月から始めた「10分トレーニング」は、1ヶ月以上続いている。
それは認めるものの、もう少しと周りは、また欲を出す。

そんな時、当家では聞かない歌声が聞こえてくるようになって来ました。
聞くと、カラオケの練習を始めたというのです。
先々心配するお母さんは、「騒音で近所に迷惑かけないだろうか?」「隣部屋の兄は迷惑しているのでは?」と、気を回す。

カラオケでも、鼻歌でも学校卒業してから歌ったことのないお父さん・お母さんは、(本人に一緒に行ってと誘われたらどうしよう?)と、そこも心配している。

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さて、少し頑張って出きることなら、挑戦して一緒に行ってあげたらいいと思いますが、無理をして頑張らねばならないことは無理をせずお断りすることが、誘ってくれた人へも誠意ある対応でありましょう。
それは、親子であっても、子どもがひきこもりから何とか頑張っているからといっても、関係ないことである。

子どもも、自分の好きな範囲で頑張っているのでいいし、親も無理をすることのない範囲で応援すればいいのである。

子どもの行動が親に無理をさせる程に感動させられたのであれば、突き動かされるままに応援するもいいでしょう。

「もう少し頑張って!」の親心も、
「出来るだけ無理はしたくない」とこだわる子どもも、

何かしら動いているのなら、
お互いに「そりゃ、そうだろう!」と、
認めてあげて欲しいのです。
Posted by 林 at 14:19 | 家族・親 | この記事のURL | コメント(0)
相手も変わっている(成長)と信じる [2021年06月21日(Mon)]

今月の家族会で「どうせお父さんに言っても駄目だから、つい言葉が出なくなるんです」の一言が出ました。

家族会で他のご家族の話を聴いて、それなら我が家でもと決心し、機会を見つけてお父さんに言葉をかけようとするのですが、顔を見ると、その言葉を飲み込んでいるというのです。

その一歩が踏み出せずに、「もう少し何とか一緒にしてくれたらいいのに」と思いつつも、具体的に言葉にして伝えたことはないともいうのです。
「云えるくらいなら、苦労しませんから」と、困った顔が返ってきます。
でも、何年もそのままではないですか?

風月庵では夫婦(両親)が、それぞれのやり方で子に関わり、子どもとの信頼を築くことが課題と話し合っています。
それは分かっているのだけれども、「いざ本人の顔を見ると」の言葉が・・・

母は風月庵で学習して分かっているけれども、父は学習もしないし、分かろうともしない、だから「分かっていないから」と決め付けていませんか?

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お父さんも歳をとり、子供や家族と共に暮らし成長します。
さらに、環境や人付き合いが変わっていくと、考えや捉え方も成長し、必ず変化しています。
私は、この変化・成長することを信じてみたいのです。

同じ言葉を同じ様に、何度も言葉にしてみましょう。
同じように気持ちをこめて伝えてみましょう。

さて、よく観てみてください。
3年前には反発しかなかったものが、2年後なら少しは理解してくれ、違う言葉が出てきています。
そしてその1年後、今なら、賛成しなくても反対はしないことが起こっている筈なのです。

賛成か反対か、黒か白かの二者択一で判断するのではなく、少しずつの変化が、時の流れと共に必ず動いていく、そこをよく観て判断してもらいたいのです。

流れで物事を判断することが見え始めると、反対でなければ概ね賛成という捉え方が、私の中で腹に落とすことが出きるようになってきました。

人は時の流れと共に成長する不思議な生き物ということを信じて、同じ言葉を気持ちこめてぶつけてみませんか。
Posted by 林 at 19:30 | 家族・親 | この記事のURL | コメント(0)
ピアサポーターの役割とは?(総会研修会にて) [2021年06月21日(Mon)]

6月13日(日)13:30〜、沖島公民館で第17期総会・研修会を例
年通りに開催しました。
 
今回の研修は、元風月庵スタッフとして顔馴染みの森脇美鈴さんに「ピアサポーターとしての役割と視点」と題して、お話しいただき、その後で皆さんと意見交換をしました。

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小学校時代から不登校経験があり、家庭環境の課題もあり、一人で判断・決断し、一人で行動することが多かったようです。

そんな中で心に深く沈んでいったことに「子どもの気持ちは分かってもらえない」がありました。
大きくのしかかり前に進めなかった気持ちに、何故かいつも誰かがつながり、色んな場所に足を運べたことが自分を支えてくれたそうです。

しかし、親のことを相談できなかった大人への不信(助けが求められない)が続いていましたが、中2の時 Kカウンセラーと出会うことで、適応指導教室「そよかぜ学級」に通い始めます。
そこから生活が広がり、明るく話ができるようになり、社会への信頼も育っていったようです。

地元高校定時制に進学と同時にバイトを始めましたが、6ヶ月で共に辞めることになり、面接にも何度も挑戦するですが結果が得られないでいました。

そんな時に交流と居場所「FT」に通い始め(そよかぜのOGがいたので安心)、料理・手芸・販売・から、風月庵との交流・修学旅行への参加等で、風月庵との出会いになりました。

その動きの中で、池田に「ひきこもり支援協議会」ができ、「すり〜ぴぃ」のスタッフ募集に、(なっていのかな?)の感覚のまま活動に参加し、風月庵スタッフにもなりました。

風月庵は家族感覚で動いていて、飲み会にも参加、元気になる為に積極的に動いているという感じを受けました。
風月庵支援者養成講座で学びながら、支援の困難さに触れ、家族や個人の課題を考えるようになります。

そんな出会いの中から教えてもらった「一人の人間が成長するには、多面な成長が必要」「居場所の力はすごいな」と改めて実感するようになりました。

活動でみえてきた「本音が見えない親子のすれ違い」「その中間でつなぐ役割が大切」と考えるところから、今は自分の家族との関係改善も見直しつつ、親の立場や気持ちに少しは気付けて、話しかけることが出来ているようです。

Posted by 林 at 19:21 | 活動 | この記事のURL | コメント(0)
何故、腹が立つ! [2021年06月02日(Wed)]

風月庵の家族会・学習会では、コミュニケーションの課題がよく上がってきます。
今月の「朝の家族会」「美波町勉強会」でも、職場での腹立ちや、お父さんへの不甲斐なさに腹を立てて、憤るお母さんの言葉が出てきていました。

私も「夫婦喧嘩」で色々と思いをめぐらしていたので、余計に熱が入ってしまいました。

美波町コミュニケーション学習会での今回のテーマは「何故、腹が立つ!」(こだわりの裏返し)について、話し合いました。

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何故、腹が立つのかは、感情的な言動は心の渦(抵抗)が原
因して、さらにその奥には表裏一体の元型があり、その裏だけ、表だけを見て、心のバランス感覚を失っているのです。

具体例で説明すると、
苛立つと大きな声で怒鳴りつける職場の上司にいらいらしていた→仕事中につまらないお喋りで盛り上がっている同僚を見て、「仕事をしろ!給料貰っているんだろ」と思う→仕事場で愛想のない上司・同僚に腹を立てていた→等々

相手が原因の様に言葉では言っているが、原因は自分の心の奥の価値観に左右されているので、その価値観のこだわりを緩めていくことで腹を立てることは減っていくのです→

大きな声で怒る(表)人は→説明が下手・反論が苦手・勝ち負け
にこだわる・謝れない・人の評価が気になる
などの不安な(裏)心を持っており、大きな声と怒鳴ることで、
それを隠す為に懸命に演じているようです。

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 怒られているのは私なのですが、そう考えると、怒る方もその人の価値感に縛られ一生懸命なんだと思えるのです。

 もうひとつ、怒られて嫌な思いをしている私と同じだけは、怒った人も、いや私以上に嫌な気持ちや辛い思いに苦しんでいると確信しています。
「お互い辛いね」と思うのです。

 そう思っていると、いつの間にか忘れてしまっているので、人間の能力の内で、「忘れる」能力の素晴らしさに感謝をして眠りにつくのです。
Posted by 林 at 18:54 | 活動 | この記事のURL | コメント(0)
夫婦喧嘩に疲れ果てた1週間 [2021年06月02日(Wed)]

風月庵の活動の中で学んだことのひとつに、「夫婦喧嘩」の大切さが上げられる。

相談に来られたお母さんと話をしていて、子育てというより、家族問題をなんとかしようという意味でも、一緒に考えて欲しいというのが、お母さんの訴えです。

「私が我慢していたら何とか収まりますから」といいつつ、お母さんは納まっているのでしょうか?
本当にお父さんも、子どもも納まっているのでしょうか?

家族仲が周りからもうらやましい様なご家族がいらっしゃいました。
私が訪問に伺うようになり、家族間の話を進める内に、家族会の最中に、初めてかと思われる「夫婦喧嘩」が始まりました。
しかし、その後、そのご家族は動きを見せて、息子さんは外へと動き始められました。

活動から学んだことを、家庭の中でも活かしていきたいと考えていますが、実際にはそれほどうまくは運びません。

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一緒に生活を始めて10年になるでしょうが、私達に「夫婦喧嘩」がなかった年はありません。

始めは、週1回の喧嘩が、10日に1回に、半月に1回に、月1回に、2〜3ヶ月に1回にと間隔が空いてきました。
10年の歴史はいきています。

仲直りの時間も、1週間不穏な空気が漂っていたのが、3日で納まった感じになり、最近では一晩寝るとケロッとしているところまで成長してきていました。

それに連れて、私も思ったままを言葉にすることを増やし、奥さんに甘えるようになってきました。

そして先月の5月、何から火がついたのか分からないようなことから、1週間以上、落ち着きそうなのに再燃して不穏な空気感が二度三度と繰り返されました。

「夫婦喧嘩」の炎があるレベル以上になると、私が自分の部屋に篭り、何もしない無感情状態になります。
そこに「なんとかしてよ!」と、奥さんが追い込んできます。
隙を見て、私が家を飛び出し、次には奥さんからの留守電と留守メール攻撃が暫く続くとの手順です。

お互い落しどころに気付いたら、「お腹がすいたから、どうしてくれるの!」と声がかかり、「ビール呑むで。これでもつまみながら。」という運びで、奥さんがフィッと「ごめん!言い過ぎた」といってくれて、「こっちも足りないところがあるから、ごめん」と、謝れる。

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今回は、昨日ポロリと、「季節の変わり目やから、仕方ないじゃない」との言葉に、今までとは違う納得の私がいました。
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