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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


「どこ」を、見ているの? [2026年08月06日(Thu)]
家族会や学習会では、ご家族の今の状況や昨今の変化を順番にお聞きしています。
それをお聞きして、私の思うことや、感じたこと、他のご家族から気づいたことをお話ししていただき、お互いの刺激にしてもらっています。

同じ様に家族会等に参加されていても、
・変化のないご家族と、
・毎月の変化で話が深まるご家族と、に分かれます。

変化のあるご家族と、変化のないご家族は、
どこが、どう違うのでしょうか?

よくも、悪くも変化していくことで、
その先には大きな変化と、成果が待っています。
今回は、その違いを考えてみます。

部屋にひきこもっていて、食事も一人だけで食べていた子供が、最近になり、お昼だけは一緒に食べてくれる様になったと、報告を下さいました。
かといって、お子さんは、学校へ行く様子もありません。
このご家族には、変化があったのでしょうか?

部屋にこもって、自分のことも、親への不満も、辛いことも、嬉しいことも、何一つ話さなかった子が、トイレに行く道すがら、親がいる部屋の前を通り、「暑い!暑い!」と大声で言いながら、ドタドタと階段を上っていったのは、何か文句を言いたかったのでしょうか?
その後の暑い日でも、「暑い!」の言葉も一切言わずに、顔を合わすこともありませんでした。
依然と変わりはないのです。

先週、テレビのリモコンが使えなくなり、「どうしたらいいの?」と、渡しておいたら、知らない間に修理をして、机の上に置いてくれていました。
「助かったわ!ありがとう」と言っても、知らん顔で、親の前を素通りしていきます。
「折角、お礼を言っても、あれじゃ、愛想もないわね。」と、お父さんと話していたのです。
こんな様子じゃ、家から外に出て、働きに行ってくれるのは、いつのことだか?

助けてもらってもいいのだ!
今、人と会うことに苦痛や嫌な思いを感じ、トラウマを抱えている若者が、勇気を持つだけで、外に出ることはできません。
人といることに安心が持て、自分の言いたいことを戸惑いながらも言葉にして、自信のないことも、やってみようという勇気が持てることを、廻りから実感させて貰えて、世の中やっている内に何とかなると思えてくるからです。

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自分一人ではできないことばかりだけど、他の人に助けてもらってもいい。
助けてもらいながら、人は出来るようになるし、生活できるようにもなると、思えるように、廻りが感じさせてあげられることが先で、自分で実感できるのはその後から、じっくりとわいてくるものです。

そして、気づけば仕事もできているの?と、
自信は無くても、思える時もやってきます。
人と一緒に行動することに、しんどさもあるけど、
何やら嬉しかったりもしてきます。

そんな喜びや、その共感を得られて初めて、働きに行き、働き続けることができるのです。

未経験者が、自信のない者が、他者と一緒に、他者のやり方で、他者とのペースで、他者の様にできることは、
何一つありません。

私のやり方を私が決めて、私のペースでやる内に、私のやり方を、一緒に考え、一緒にやってくれる人と出会っていくから、何となく生きていけるようになるのです。

そんな心の細やかな成長が積み重なり、繋がって、大きな自分を動かせるエネルギーを実感できる筈なのです。
そんな生き方に、まず出会ってほしいのです。

先ほどのお子さんは、学校へ行く様子もありません。
という視点からは、変化は見られません。
食事を一人だけで食べていた子供が、お昼だけは一緒に食べるようになったということは、ご家族と一緒に、ただ居ることに、苦痛を、不安を感じなくなっているという視点では、大きな変化と言えます。

CIMG0222.JPG

「暑い!暑い!」の若者も、顔を合わすこともないので、
依然と変わりはないのです。

「暑い!暑い!」は、今の自分の環境に、不快があり、そのことを誰かに聞いてもらいたい気持ちがあるのです。
かといって、それ以上言わないというのは、親に対する文句や要求ではなくて、ただの愚痴を、親に聞いてもらいたかっただけなのです。

ピリピリとした緊張感が、親にも子供にもあった時期からすると、このごく自然な日常生活を送れていことは、
気持ちの安定が育っているという大きな変化です。
見えない階段を 一段 一段
そんな自分の生き方を、親御さんや友達や自分を理解してくれる一人ひとりと出会っていくことから始めます。

生きにくさを抱えた若者が、
歩きだす為に必要なことを、
一緒に積み上げ、紡いでいく
工夫を始めてください。

そうすることで、日常生活の些細な変化に気付かれるようになっていきます。
その安心感と安定感が、自分の存在を、そのままで信頼できる気持ちへと育てていくのです。

目に見えない階段を一段一段登っていく様子を
心の中で応援し続けることが、見守るということなのだと
思います。

人は、自分だけで、動き始めることはありません。
幼児が友だちと遊び始める時、お母さんの方を振り返り振り返りながら、友達との関係の中で、ある時から安心を実感して、お母さんを観なくても大丈夫になります。

動けなかった若者も、そんな風に、家族との安心感を確かめながら、世間という不安な世界に向かって、自分のやり方とペースで、向かっていくことが出来るのです。
これは、ご本人も、ご家族も解っていない真実です。

人は誰も、他者の応援に支えられて、安心感の中で、
生活を広げていけるのです。
人との関わりに楽しみや喜びを感じる相手との出会いから、先ずは始めることです。

目標は、「働きに行く」や、「自立生活」ではないのです。

結果的に、自分のやりたいことで生活資金を得て、
何となく生活ができて、「世の中、面白いこともあるな!」と感じられ、気付けば世間の荒波と言われるところを生きていけている。

そんな人生の歩み方を、誰かと作り始めて下さい。
そして、あなたが、その誰かになって下さいね。
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