いきいきと解き放つ命の輝き
[2021年02月18日(Thu)]
徳島県近代美術館にて、2月11日〜28日開催中のアトリエ・コーネス/片山工房/たんぽぽの家の表現者たち展に、17日4人で行ってきました。
この日は朝から雪が舞い、昼の出発時には、視界が見えにくく、積もりそうな雲行きになっていました。
寒さをのがれて、小走りで入り込んだ美術館は温かく、ゆっくりと観て廻ることができました。
関西の障がい者福祉施設・アトリエとして著名な3箇所に通う表現者たちの作品展で、興味を持っていたのです。
アトリエコーナス(大阪市)、片山工房(神戸市)、たんぽぽの家アートセンターHANA(奈良市)で制作され、仲間の年齢も、障がいの違いも多種多様であるからか、又違う理由でか、表現方法や画面に現される質感も明らかに違い面白かったです。
障がいを個性としてみる発想が叫ばれて久しいですが、正しくそのことを「なるほど、こういうことか!」と感じさせてくれたのも嬉しかったです。
人格と個性がまるごと認められる信頼感から、サポーターとの共同で生み出された作品、空き缶の中のインクが流れ出る様を掴み取っての作品作り、命を搾り出す作業というにふさわしい作品を沢山観させてもらいました。
可能性は、その人らしさの中から深まり、広がっていくという考えがあるからなのでしょう。大胆な表現も、繊細な表現もあり、画材や素材の違い、色彩や描き方、何より人の想いと個性の違いが紡ぎ出されているのがわかりました。
そんな多様な表現を見ていくと、障がい者芸術の固定したイメージは全く変わってきます。
創造力を育む関係や環境が整えば、このわたしも何か表現してみたいとかき立てられる衝動を感じました。
その後、徳島県に縁のある画家の常設展も観て廻り、有名人の醍醐味も味わってきました。
帰る頃には雪もやみ、空も明るくなって、窓外の緑も輝いてみえました。