次の寺を、次の寺を!
[2019年07月20日(Sat)]
2ヶ月ほどかけて、風月庵のボランティアスタッフのYさんが、四国遍路88箇所を巡ってきた。
特に何の目的はなく、ふっと旅に出たくなったのだという。しかし、何かきっかけになること、今までになんとなく思い描いて、心に潜んでいたものもあったに違いない。
Yさんは徳島県内を歩き遍路で、18番札所:薬王寺から、高知・愛媛・香川とは、自転車で回ったという。
88箇寺あるので、朝起きて、今日巡る寺の予定を立て、後はひたすら歩くだけという。
そんな毎日を重ねていくと、色んなことを考え廻らしながら歩いていた遍路が、[次の寺に向かう]ことしか考えなくなっていたことに、ある日気付いたという。
ひたすら歩き、[次の寺に向かう]ことのみを考えるようになってくると、周りの景色や、吹く風や、草の香に、ふと気づくようになってきた様です。
そんな時、腰を下ろして、[人生、案外そんなものかな?]
と思い浮かぶ頃、旅の終わりに近づいていたとのことでした。
今日の楽しみを一つ見つけて、それを味わうことで、一日を大切に過ごす。
そんな発想に気づかせてもらった気がしました。
私たち[ひきこもり]の生活をしている者、してきた者も、
もしかすると同じではないでしょうか?
悩み、苦しみ、めぐり巡っているものから離れ、自分の温かな楽しみを一つみつけること、少し大切にすること、そして、出きることならば、その楽しみを誰かに語り、分かち合うこと。
遍路は、そんなことを体で知り、心に刻む、もう一つの人生(旅)を味わえるのかもしれません。