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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


人柄で語る「普通のことなんですよね」 [2025年11月08日(Sat)]

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風月庵;秋の総合研修を、公民館で開催しました。

徳島県地域共生推進課からの呼びかけで、孤独・孤立の対策事業として、心のサポーター養成講座を、多くの人に受講してもらい、お互いの心の通った声掛けから、支え合う社会の実現を目指そうというものでした。

私達;風月庵では当講座の開催を早くから決めて、会報「風と月と」にも連載して案内していました。
ひきこもりの若者と共に生活するご家族には、響くものが、きっとあると直感したからでした。

当日は沢山の会員が参加してくださり、甲田宗良(こうだむねなが;徳島大学大学院・准教授)氏からは、ゆっくりと、一つ一つ丁寧に説明して下さった内容が、柔らかな雰囲気の中、学習する楽しさと共に伝わってきました。

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皆さんからは、とても好評で、わかりやすかった。
時間を感じなくて、気付いたら、お話が終わっていた様に、すっきりとした気持ちを感じられたようです。
それは、氏の話す口調とテンポと間の取り方等々、人柄が語る、その温かさを感じさせられたからだと、私は思います。

傾聴の学習会といえばそれまでですが、氏の語りこそ、学ぶに値するものと、聞くよりも見入っていました。

内容は、精神的病いも、普通のことであり、長い人生、誰しも出会う時期があるというのが、常識らしい。
そんな社会で暮らす私達が、何気なく気になっている人に、それとなく声をかけ、それなりにお話を聴き、よければと支援先をさらりと提案してみる。
それだけのことです。

心の病気の回復と共に、各自が自分らしい人生を回復する道とその方法を認め合えれば、普通に尊重し合えることで好しとする提案であったと思います。

「普通に、できることを、普通にやってみましょう。」
難しいことをすることは、なんら無いのです。
お互いを大切にする認め合いが、自然に広がって行く時に、私達は安心と信頼を取り戻すことを気づくからです。

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氏の話を聴いている内に、私にも出来る事があるかもしれないという気持ちにさせられました。
長年悩んでおられる各ご家族のひきこもり問題にも、少しは希望が持てた様に感じられたようです。
ありがとうございました。

様々な気付きをいただきましたが、私としては、
「何も、普通のことなんですよね」が、
講座が終わって後、何度も心の中で、リフレインしているという不思議な体験となりました。
「人柄で語る」ってことが、やれたらなあと思いました。
活動室としては、どう? (いい名称が欲しい!) [2025年05月16日(Fri)]
去年の4月に、風月庵は同じ敷地内のプレハブ事務所から、母屋の奥の部屋に、「活動室」が移りました。
次には、敷地内に駐車スペースを広げて、駐車場に入る門の、右に花壇を、左には表札を取り付け、出入り口を整えました。

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車の出入りも余裕が出来たと思いますし、初めて訪ねてきた方が、門前で迷うことなく入ってこられると思います。

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そして、この5月に、以前より林家のリビング兼食堂だった部屋を、風月庵の集会室へとリホームしたのが、3週間の工事を終えて完成したのです。

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普段のスクーリングは3人なので、丁度いい広さでしたが、家族会や学習会では、5人、7人、10人と増えてきたのと、
奥の狭い和室の雰囲気は、窮屈さがぬぐえなかったのです。

 私達林家が「洋間」と読んでいたこの部屋は、65年前に、私の父親が始めて飲み屋を開店した時の内装を活かして、当時の雰囲気を大切に保存して作られた、当時には洒落た作りだったので、「洋間」と読ばれていたのでしょう。

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今回リホームもその雰囲気は少し残しながらも、私たちの活動室として十分な広さと機能性を持った部屋として、生まれ替わりました。
使っている内に、元の事務所は、事務所兼私の書斎及び対面の面談室になりそうです。

元「洋間」の活動室は、家族会や学習会に使うばかりではなく、スクーリングにも使うようになり、昼休みは、昼食後、其々がのんびりと過ごせるようになりました。

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前の駐車場でも、キャッチボールや、フルスビー、モリックを楽しみ、去年は1回、BBQもして賑わいました。

今月には、憧れの徹夜麻雀を、奥の和室を使って、メンバーが集まることにもなっています。

この母屋全体を使って、色んな人が集まって、みんなの好奇心を刺激するイベントが次々と開催されるようになることを願っています。

その中のひとつに「子ども食堂」の案も出ましたが、私達としては、不登校・ひきこもりの状態にある若者や関係者の「居場所」であるという使命が中心にあるので、そことの兼ね合いが出来るのかと心配しているのです。

そこで、折衷案として、年に何回かのオープンキャンパスを開催しようという計画も検討し始めています。

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林家の旧母屋とその敷地(300坪)を使って、「不登校・ひきこもりの状態にある若者や関係者の居場所」としての機能を発揮できるコミュニテーとして成長できればと願っています。
夜中のゴソゴソ (夜の家族会から) [2025年05月07日(Wed)]
風月庵では、家族会を月2回、開催しています。
「夜の家族会」が、第1日曜19時からと、「朝の家族会」が、第3土曜10時からで、共に2時間の予定です。

家族会は、家族内でのプライベートな内容を話し合うので、お互いの秘密厳守の下、会員の方に限らせてもらっています。
会員になるには、一度風月庵で、ご家庭の事情や希望をお聞きし、風月庵の活動指針を説明させていただき、お互いに同意できましたら、年会費5000円を納めていただければ、会員登録されて、会報が届けられます。
会報には、活動に関する情報、スケジュール、支援に関する提案や会員の感想などが載せられています。

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今回は先日開催された「夜の家族会」での様子を紹介します。この日は、15歳の男子の2家族が参加して下さり、お互い
の話を聞いては、同じようなことがありましたと気持ちを共感されていました。

中2から不登校気味になり、3年生での不登校から、受験を乗り越えることができずに、今は、ひきこもり状態にある2家族が、現実と気持ちとの板挟みの状況を話し合われると、「そうなんです。」「わかります。」と、何度も相槌を打って、雰囲気が和んでいきました。

はっきりとはしていないが、いじめが原因かもしれませんが、そのことよりも今は、家庭の中が少しでも明るく、希望が見えるようにしたいというのが、共通の課題に見えました。

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外出をしないし、親との会話も減ってきている。Aさん宅は、なんとか夕食は一緒に食べていますが、暗い雰囲気で、姉が何とか明るく振舞おうとしますが、最近では弟の目つきがきつくなり、母はとても心配しているそうです。

Bさん宅は、食事は別々で部屋の前に置いているそうです。何故か、父親がいる時には1階の食卓には降りてこないで、
父親が帰宅する音で、2階の自分の部屋に入っていくそうです。

親としては「なんとか高校に行ってほしかった」ので、強く迫る場面もあったことを、今では後悔しています。
風月庵でのアドバイスを参考にして、見守ることを心がけ、出来るだけ自然に接するように、明るく振舞うように、皆で工夫しています。
でもまだ、暗い雰囲気はあまり変わっていないそうです。散髪にもしばらく行っていません。

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そんな思いあふれる気持ちを、勇気を出して知人に相談をしてみましたが、相手も返事に困った様子で、それ以上は話せなくなってしまいました。
今日ここで、こんな風に落ち着いていろんなことを安心してお話ができて、何かそれだけで、気持ちが軽くなってきましたと、お互いに納得されていました。

そう思うと、息子は今もつらい気持ちを家族にも言えずに、抱え持っているのかと思うと、申し訳ない気持ちがあふれ、焦るばかりですとお母さんが話してくださいました。

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1時2時の夜中に、2階でゴソゴソと音がしますと、「息子はなにをしているのだろうか?」「泣いているのではないだろうか?」などと、気にしてしまい、お母さんの方が眠れない夜が続いていたそうです。

このままではいけないと、「あなたの味方になりたい」ということを違う言葉で伝えればと思い立ち、5月に入ってからメモ程度の手紙を、毎日1通置いておくようにしました。
そのことで少しは気持ちが繋がっていくのではないかと思われて、お母さんの方に安心感が生まれ、夜中のゴソゴソの音を聞いても、「生きてる!生きてる!」と思えるようになり、直ぐ寝付けるようになったそうです。

そのお話を受けて、手紙の内容は、今日の出来事、素直に暮らす気持ち、母がちょっと感じたこと、読んでも読まなくてもOKを心がけ、「貴方の味方になりたい」思いを込めて、短い文章で続けて書いて下さいとヒントをお伝えしました。

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Bさんは、今から思うと、親子で、学校に振り回されていたようにも思われて、不登校の原因は考えず、大まかに子どもの性格と親の心配症が原因だったと決めて、原因よりもこれからの対応策を考えていこうと話されていました。

一番気になっている性格は、「何事も、決めれない」にあるように思うので、一緒に考えて「決めること」を練習していこうと思っていると話されました。

お姉さんのことも、弟さんも大切であり、其々に1対1で、じっくり向かい会う時間を作ってあげて、気持ちに寄り添い、向き合ってあげて下さい。話の内容に筋が通らなくとも、こどもの気持ちに共感する対話を心がけてみることを提案させてもらいました。

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私は、2家族のご両親が、夫婦支え合い、子どもを見守っていこうとする姿に勇気をもらいました。
お手紙も大きな挑戦です。続けられるといいですね。
姉弟の双方を見守り見つめることで、どちらがと比較をすることは厳禁です。
今後は父と母の役割分担を見つめ直すことを、一緒に話し合えればと願っています。

風月庵の会員は、不登校から、家や部屋にひきこもって3年以上経過した若者のご家族が多かったのですが、3年前より、高校期の若者のご家族も参加してくださっています。
ここにご紹介しているご家族の様子は、お話の内容を一般化して、よく見られる事例内容に、私の方で変更して紹介していますので、ご理解ください。
「父子」の壁が崩壊する時 [2025年03月31日(Mon)]
「風月庵のジンクス」とは、この24年間で、活動の中から見つけてしまった「風月庵独自の法則」といえるものです。
その内容は、ひきこもり支援の錬金術と言い替えられると,
思います。

私が、全国のフリースクールを巡る旅で、まず訪れた大阪でのフリースペースでのことがきっかけです。
当時でもう10年以上ひきこもり支援を実践してきた所です。
その家族会の代表から、これから「ひきこもり支援」を始めるなら、まず「父親の会」を定期開催し、父親が家族や本人と社会への道筋を共に歩むことが肝心だと、初対面の私に、2時間熱く、説教されてしまいました。

おかげで、その重要性だけは心の奥にまで伝わり、風月庵が
スタートした年の12月には、「父親の会」を開催しています。

その「父親の会」で話し合われてきた内容には、ひきこもりの家族が社会へ参加していく道標が作られ、練られて来た様に思います。
現行の「夜の家族会」では、その雰囲気を今もとどめていると感じています。

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さて、その「父親の会」でも、何度も取り上げて、毎年のようにお伝えしていることは、父親と子どもの関係が柔らかく、自然なものにならなければ、社会に出た後の、若者の精神的な苦労は、以前と殆ど変わらないのです。

逆に言えば、父親と気さくに相談し、冗談も言えるようになってきたら、自分から社会に歩き始めるものだともいえます。

「なぜ、そうなのですか」と、良く問われますが、はっきりした説明はできないのです。
ただ、あえて理論的に説明をするならば、男性思考や男性のコミュニケーションが社会規範(社会を支配していて)となっており、男性的思考や、男性的コミュニケーションに馴染めずに、ストレスを抱えてしまう感覚に苦しんでいると判断できると、前回のブログでもお伝えしてきました。

目に見える状態で仕事をしていたとしても、精神的苦労(ストレス)は軽減されておらず、自分らしい・無理のない生き方が身についている状態迄は、育っていないからです。

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仕事も家庭生活も完璧にこなすお父さんと同じようにできない自分では、社会に出ていける筈がないと、A君は、子どもの時から思い込んでいました。
しかし、風月庵での体験や、皆と意見を交わすところから、どうも父親も苦手なことはあるが、うまくごまかしてやり切っているようだということを実感したみたいです。
もしかすると、自分も、父とは違うごまかし方(処世術というものか?)が出来る様に思い始めていました。

今まで母親と二人で行動していた息子に頼みこみ、庭仕事を男二人で毎週すると決めたのでした。
庭仕事が2か月、4か月と続いていく内に、父と息子の仕事の段取りや、進め方、次の打ち合わせや、作業に対する相談が、自然の内に交わされるようになりました。

何気ない会話が、自然にできるようになった頃、本人から「バイトの面接に行こうかな」との言葉が出て、実際に就労に向けての動きが進んでいき、1年という時間はかかりましたが、就職することができました。

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これは、ほんの一例に過ぎません。
「父親の会」で、話し合われ、もしかすると、こういうことなのか!と、議論を重ねていくと、どうも、やはり、「父親と子どものコミュニケーション」を開発し、家族内で馴染ませていく事から、家族が社会に開放されていくことに繋がると思えるようになったのです。

実際のどんな事に心を砕いて、どんな風に会話を進めていくのかは、各個人、各家庭で違っていて当然です。
そこは、家族会や学習会で深めていきたいと思います。

ただ、ひきこもっている状態に何もしてやれてこなかったことを、親が深く反省し、子どもに「何もしてやれなかった親で、すまなかった。」と、謝るところから始まることは、どの家庭でも、同じではないでしょうか。 /かぜ
コツ・コツと、仲間で支え合う [2024年12月31日(Tue)]

2024年も終わろうとしています。
今年もたくさんの方が風月庵を訪ねて下さり、一緒に活動を進める仲間に加わって下さいました。

2025年の3月からは、風月庵も25年目に入りますが、不登校・ひきこもりへの捉え方や、支援内容も、随分と理解が広がったと思います。
確かに社会は、時代は変わっています。
しかし、私たちの気持ちや価値観やコミュニケ―ションは、ほぼ変わってはいないのではないかと感じられます。

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行動の元には、まず、心や気持ちの動きが始まり、それが膨らんで、今までの考え方では、もうどうにもならないと気づかされ、気持ちの後押しと共に、ゆっくりと考えを突き動かしていくと、ある時から、その思いが堰を切ってあふれて、始めて行動に移せて、人の目を見ることになります。

親も、家族も、勿論本人も、それらの一人での戦いは、長くずっと続いてきていたことを、互いに忘れないでほしいのです。
当事者が一番苦しんでいますが、家族や親も、一人で苦しんできているのです。
その苦しさを比べるではなく、皆が苦しんできて今があるということを忘れないでほしいのです。

そんな気持ちの成長や変化を支え合えることなくして、長い道のりを、歩み続けることは難しいというのは当然なのです。

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そんな気持ちや感情を言葉にしながら、当事者も、家族も、親も一緒の歩みとして、お互いを見つめ支え合いながら、仲間と進むことがあって初めて、未来に安心を掴めるのです。

就学した、就労ができたが、目標ではありません。
気持ちが軽くなり、誰かと共に生きている実感と、自分は、「この社会で一人ではない」という仲間意識を実感できることが、目標と考えています。

そうでなければ、就学して学校へ戻っても、友達もいない、仲間もいない状態では、次に苦しい出来事に出会ったときに、すぐ折れてしまいかねません。
仕事に行けば、なおさら結果や責任が問われます。
それらと付き合いながら、仲間とともに頼り頼られて、共に生きていく安心感を得なければ、また折れてしまいます。

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自分に無理をさせない生き方で、他者に頼るコツも身につけながら、自分に合った生き方や、人との関係の持ち方を、身に着けることが、まず必要なのです。

そんな気持ちを自分に確かめつつ、コミュニケーションを豊かに育てるコツを身に着けてこそ、社会の中で、楽しみながら生きていくことができるようになるのです。

気持ちを自分に確かめ、コミュニケーションを豊かに育てるコツを、育てることを風月庵の仲間とともに始めませんか。
色んな仲間から、なるほどという本音が少し少しと伝わってきたころから、自分の心はほどけて、安心感が育ってきたように感じています。

コツコツと、仲間で支え合う

そんな支援を、支え合うやり方を、家族皆で、仲間と共に、
始めてみませんか。
それが、風月庵の提案なのです。
日常の場面から覗き、心理課題を掘り下げる [2024年10月15日(Tue)]

風月庵の対話クラス

風月庵では、自分に出会うために、いろんなことを、仲間と一緒に体験していきます。

スポーツでは、主にバドミントンをしていますが、卓球を同時にすることもあります。
まずは、安心な関係の人との「1対1」の練習をするところから始まります。
キャッチボールの要領で、「受けて・打つ」「受けて・打つ」を繰り返して、慣れていきます。

次に「2対2」の試合へと進んでいくのですが、他の人の動きを見ていると、なかなか試合に安心して参加ができません。
そのタイミングを見計らって、挑戦してもらいます。

そのように、安心できる2〜3人で、一緒に行動します。

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ふっと声をかけて、何気ない会話が始まる

ゲーム・お出かけ・食事・見学・散歩・観光等、一緒に出掛けての車中、歩きながら、ふっと声をかけて、一言二言の言葉を交わすところから、何気ない会話が始まっていきます。
それが自然な会話へと発展していきます。

そんな場面を積み重ねて、やっと「対話クラス」への参加が始まることになります。

「対話クラス」は、毎回近況報告から始まります。
始めはなかなか話が出てきませんが、お互い、丁寧に聞いていくと、短い話も長くなってきます。
それに前もって用意してくれるのでしょうか、少しずつですが、自分から話してくれるようになります。

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共通の気持ち、違う感情を、きっかけに

親との関係、昔の子供時代での友達との関係、不登校時代の共通の気持ち、違う感情、色んなことをきっかけに、いろんな話を丁寧に、お互いを尊重しながら進めていきます。

そんな日常生活の話をしてみるものの、各自それぞれに違う体験と、異なった思いと、うまく言えない気持ちを抱えていることも含めて、なかなか言葉にできにくいところを言葉にして話していることがわかってきます。

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安心して、会話の中に居る

そうなってきて初めて、安心して会話の中に入ってこられるようになってくるのです。
そんな日常の場面から拾った、何気ないことから、人としての心理課題をみつけて、皆で、違う言葉を繋げながら、ものごとを掘り下げるクラスが、「対話クラス」なのです。

「対話クラス」を楽しめるようになると、心の中に、風月庵という心の居場所を、お互いに育てていくことになるのです。
「絵本」に、文字はいらない [2024年08月28日(Wed)]

言葉じゃないコミュニケーション
今日は、4ヶ月ぶりの絵本クラスを再開しました。
表現は「文字」「言葉」に関係ないことを知ってもらいたいのです。

ですから、絵だけで、メッセージになる本が絵本だと考えます。

言葉じゃないコミュニケーション学習です。

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今日、風月庵にやってきた絵本の1冊目は、「もじのないはがき」向田邦子・原作/角田光化:文/西加奈子・絵です。

戦争中に疎開していた子どもからのはがきですが、文字がまだ書けないのですね。そこで、暗号を教えて、それを描いて送ってもらっていたのですが、その内容に変化が現れるのです。
その変化は悲しい変化ですが、想像するしかありませんね。文字で書かれていないのですから。

次は、岩手の昔話の遠野物語シリーズ(柳田國男/京極夏彦・文)でも、死を扱った「てらてらの」はたこうしろう・絵は、人の老後をどのように捉え、現世と来世とのつなぎ目としての居場所を描いています。
どの絵本も、シリアスな大和絵の雰囲気で、遠野物語の暗い世界感を深く表現されていました。

「やまびと」中川学・絵/「おまく」羽尻利門・絵も、聞いているだけでは、そらおそろしい遠野物語を、豊かな色彩とデザインで、観る人の心に、この世界へと誘ってくれます。

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印象に残り、皆に伝えたかったのは、韓国絵本(僕もあまり知らない)「かたつむり」キム・ミヌ作/わたなべなおこ訳です。
漫画かもしれない画面展開です。小さな男の子とお兄ちゃんの物語で、ジンワリ温まる絵本でした。

自転車で追っかけるのですが、お兄ちゃん達に追いつけない小さな少年の密かな頑張りが描かれています。
ところが、自転車から転げて、体ごと投げだされ、片方の靴と一緒に、草原に寝転がってしまいました。もう駄目だと諦めかけた時に、ゆっくりと、ゆっくりと木を登り続けているカタツムリに出会います。

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小さな少年は、ついて行こうとする事をやめて、今の自分を楽しみながら、ゆっくりと自転車をこいで帰っていきます。

私が紹介させてもらった絵本は、写真集ですが、私は絵本だと思っているものです。

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大地から命を貰っている植物や花の美しさを伝えた写真詩集「To Honor The Earth」(大地の天使たち)ドロシー・マクリーン/山川紘矢・亜希子;訳/キャサリン・トーモッド・カー;写真なのです。

同じように大地の命を賛美する映像に一句を添えた写真句集「幻花曼陀羅」夢枕獏が、もう一冊なのです。

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「この螺旋の中には、宇宙が閉じ込められている」

絵本クラスでは、大人の感性にも響く絵本を持ち寄り、紹介しているのです。
「巨木」「大木」を訪ねて [2024年08月01日(Thu)]

神木は、土地を見守る神

例年、風月庵の外出クラスでは、県内の色んな施設やイベントを訪ねていました。
今年の外出先として、メンバーのYさんから、徳島県内の「巨木」「大木」を訪ねたいとの提案がありました。
そこで、1月より、6地域、17樹を訪ねました。

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彼が、「徳島の巨樹」で検索し、一覧表を印刷して、持ってきてくれました。県内・141樹あり、その表から、幹囲(幹の周囲)5m以上が「大木」と呼ばれ、10m以上が「巨木」なのかと、勝手に区分をしています。

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その分類でいくと、「巨木」は19樹、準「巨木」は9m台が11樹であり、「大木」は111樹となります。

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樹の種類で分けると、楠木が66樹、銀杏が28樹、杉が18樹、無垢の木が8樹、欅が4樹、榎木が3樹、小楢、桂、スダジイ、ホルトの木、栴檀、アカガシ、江戸彼岸、ツブラジイ、タブの木、樅の木、籠の木、栃の木、櫟、檜、タブノキ、等があります。

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5m以上の高さの枝はばっさりと切られ、道路の真ん中に見捨てられた様に立つ楠木は、大切に扱われている気配もなく、居たたまれない姿に絶句しました。


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多くの巨木は、神社の一角に大切に扱われ、2本の大木に挟まれた様に社が建てられています。特には奥の院の位置に巨木はそびえ立っていました。

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巨木は鳥居をくぐってお参りする位置に扱われ、鳥居と社と杜と巨木が、一つの神格を形成している神社が多いのです。

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 天と地を結ぶ巨木は、地域の神社の護り主として、天と地と現世をつなぐ存在(役割)として、礼拝し、敬われています。

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注意;大木(巨木)を、本で数えるのは違うと思い、1樹、2樹と数えました。
2024/07/31
歩く会のはずだったのに! [2024年05月24日(Fri)]

4月から「山の会」を改めて、「歩く会」となり、ゆったりとしたハイキングコースを廻ろうということになりました。

4月20日は、5名の参加で、眉山山頂公園散策を楽しみました。
山頂駐車場に3人が集合→西側に上り始めて、グーチョキパー競争
をしながら休憩所まで行き、休憩中にM母子と合流、→モラエス像
を通り、ぐるりと山道を行く。

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休憩所では、ウグイスの独唱に聞き入る→再び元に返り、駐車場方面に向かう→休憩をして→山頂展望エリアに向かい→展望を楽しむ→M母子はロープウエイに乗るとのことで、山頂で解散。

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天候は曇りで、歩くにはいい気候でした。
皆さん、丁度いい距離だったようで、其々のペースで散策を楽しんでおられました。
「歩く会」は、このペースを大切に守ってもらいたいです。

5月は、5日にHさん親子との4人の散策と、18日には、8名で、
いつもグループ散策を行いました。

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阿波史跡公園を登って行き、気延山に入り、大泉神社を通り
頂上を越えたところで休憩。
ここまでの道のりは急勾配もあり、正に山登りでした。
先頭の2人は挑戦的に先を進み、ペースを上げ、後ろの3人は、へたれていました。初夏の暑い日差しでしたが、風は冷たく心地よかったです。

次に、八倉比売神社をお参りして、前方後円墳に登り、そこ
からの景色を一望して、帰路つくというコースでした。

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今回は「山の会」に逆戻りでしたので、次回は、「歩く会」
に戻り、月見が丘公園(松茂町)散策。
次々回は、一番札所の霊山寺と大麻比古神社(鳴門市)散策を予定しているそうです。
引っ越したものの [2024年05月24日(Fri)]

4月1日をもって、事務所を引っ越したのですが、まだまだ、何処に何があるのかが分かりません。

クラスの資料を見つけるにも、毎回、あっちこっちの棚を、引き出しを上から下へと全部開けていくのです。
分類して、何処かに必ずある筈の本箱を、棚を、引き出しをと、片っ端から探すしかありません。
それだけで、部屋の右左、上下と一つ一つ確認していくわけですから、気がつくともう帰る時刻が近づいているのです。

これでは、老人の私が、手際よく仕事が出来る様になるには、かなりの時間がかかると諦めつつも、ここは一つ、時間をかけて、一冊ずつ、引き出しごとにラベルを貼っていくしかないと決めて、かなりの時間をそれに費やしました。

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5月の2週目(土)に理事会があり、それまでに総会議案書の下書きを仕上げなくてはなりませんでした。
仕事の合間にしますから、1週間はかかったでしょうか?
その間に、年間集計や、総会議案書の作成は、とどこうって行きました。
そんな訳で、3日は休む予定にしていたゴールデンウィークも、あっという間に過ぎていたのでした。

ゴールデンウィークがあけてから、気持ち的にも余裕が生まれ、事務所の整理も大方は進み、どこに何があるかも、すぐに分かるようになってきました。

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敷地内の引越しであっても、かなりストレスがかかっていたのでしょう。活動の年度末から、総会開催に向けてと、そんなことも重荷になっていたに違いありません。

ただ、新しい事務所は狭い割には、静かで、整理整頓が出来ていて、座っていても落ち着くのです。
押入れという収納スペースにも、随分助けられていると思いますが、何より思い切って捨てた書類の多かったこと。

捨てる事の得意な奥さんにあれこれとアドバイスを貰いながら、3月、4月と思い切った整理を進めてきた結果が、このスッキリ感を生んだのでした。


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