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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


「場」の色合いや、肌触り [2024年06月11日(Tue)]

家族、全員が変わってこそ

 家族が変わるということは、家族の「場」が変わると言うことと考えています。

安全と安心と信頼が保障されていると感じられる関係:雰囲気を、ご本人が感じていただいている状態のことを、「場」が温まっているといいます。

「場」の参加者の心や行動が広がっていくことを、「場」が育っていると表現しています。
支援活動や、家族が本人を支えるときに、最も大切なことが「場」を温め、育てることだと考えています。

安心・安全・信頼の「場」は、どうすれば生まれて、温まり、育っていくのでしょうか?

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会話がない、一緒に食事をすることも苦痛で、いつの頃からか挨拶もしなくなり、返事も首を縦横に振るだけになっている。
そんな生活風景は、ただ命をつないでいるだけで、生気がなく、元気が湧いてくる気配も見えません。
だからと言って「暗い顔をしないで! もっと、色んなことをお話ししない?」と、優しく語りかけたところで、その雰囲気は悪化するばかりです。

家庭では、ひきこもっている本人一人だけが、雰囲気を暗くしているように云われがちです。
そして、本人も、僕の責任だと思いこみがちです。

そんな雰囲気や空気は一人で作れるものではなく、家族全員が、その雰囲気:「場」の色合いや、空気や、肌触りをつくり、慣れ親しんで、当たり前にかもし出されているのです。
その重い空気は、長年かかって、家族全員が作り出してきた重い、重い思いの積み重ねなのです。
もしかすると、その重い「場」:空気の一番の被害者は、敏感に感じ取ってきて、今も苦しんでいる本人かもしれません。

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という事は、その空気:雰囲気:「場」でゆったりと安心し、どんな事が起こっても安全で居られて、自分や周りを信頼出来る関係が、互いに感じ合える実感がものをいいます。
一人の工夫や努力で、ものにできるのではないのです。

それこそ、家族全員が、少しずつ変われるところから始まり、お互いに変わったところを認め合えてこそ、次の変化も生まれてきます。

「場」は、連鎖し、伝播するものです

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そう、勝手に、目に見えず広がっていくものなので、少しでも変わってくれば、安心・安全で信頼の置けるものに変わったのなら、ふっと誰もが、何気ないことに楽になってきたと気付いてくるものなのです。
それを、丁寧に言葉にしてみましょう。
「最近、○○が変わってきたと思うけど・・・」と。

家族の一人ひとりが、「最近家に居ることが楽になってきた」
「やっぱり、家が一番やな!」「ほっと、出来るな!」と、感じられていて、ふと、周りの家族を見ると、皆がそんな風な顔をしていることに気付けたら、「場」が温まっている筈なのです。
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