枯れ草ジャングルでの遭難
[2024年01月10日(Wed)]
教会の牧師に相談に行き、昼から予定の教会行事をキャンセルして、一人で、吉野川河川敷に撮影に来ました。
川に向井進み岸辺に着くと、対岸の景色、吹く風、流れる雲、空の空間、波の揺れ、リズミカルな橋、清清しい気持ちになり、夢中にシャッターを切っていました。
河口側に向かいドンドンと進んで行き、大木を過ぎたところで、元の道に戻ろうと思いました。
そして、来た道を戻らずに、近道をしようと、道の上に覆いかぶさった枯葉を押し倒しながらも、出口を求めて進んで行きました。
やがて、道がハッキリしなくなり、その背丈ほどの枯れ草と棘の道なき道をバリバリと倒しながら、ヨタヨタと足を進めることしか、私の頭にはありませんでした。
そして遂に、枯れ草ジャングルを脱してたどり着いた所は、幅3メートルはある、水深50センチ程の干潟沼に出て、これを渡るにはあまりにも危険と悟りました。
こんなところで、
僕は、
本当に、
遭難してしまうのか?
棘に足をちくちくと刺されながら、30分以上奮闘し、
やがて、力尽きて、空を見上げました。
これは救急に助けを求めるしかないと決心するまで時間はかかりませんでした。
位置を知らせて、状況を説明すると、「救助に向かっています」と言う心強い声がスマホから聞こえました。
消防車のサイレンが響き渡り、助けが近くにやって来たことがわかりました。
でも、人の姿も、声も一行に現れません。
まず現れたのは頭上のドローン。
「手を振ってください」といわれ、恥ずかし気もなく、ドローンの点滅ランプに向かい、懸命に白いお絞りを振りました。
気を揉んで待っていると、次に現れたのは10人程の消防士、一人に背負われ、一人に支えられ、歩き始めると、二人に抱きかかえられて、道なき草むらの枯れ草をなぎ倒し、道を作り、枝を払いながら、やっともとの道へと出ることが出来ました。
ドローンが誘導して指示してくれていました。
そこで、私は救急車に乗る様に誘導され、車中で、体温・血圧・酸素濃度等の健康確認があり、同時に警察の事情聴取を受けて、やっと解放されたのでした。
自分の車へとたどり着きました時には、20人もいた消防隊員・救急隊員・警察官の姿は、もうありませんでした。
寒風の下、「貴重な体験をしたなあ」とボンヤリ思いながら、流れる雲を、見つめている私がいました。
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