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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


「卵が先か、鶏が先か」ではなく! [2023年04月15日(Sat)]

風月庵でも、新学期は、4月から始まります。
成績表や卒業証書も、始業式や卒業式もありません。
そんな中でも、去年の一年を振り返り、これからの一年を、本人、家族、スタッフで話し合う時間をもちます。

その振り返りの時間で、Y君グループでの話しです。
「この一年間で、随分と気持ちが楽になってきて、いろんな
ことをやってみようという気持ちになってきた。」というのは、ご本人からの言葉です。

 お母さんからは、「色んなことで、緩んできたなと思います。」「昔は、出来たところをできたと認められずにいたのに、最近では、これでいいかなと認められる様になったから。」との言葉に続いて、「視野が広がったね。」と、感想が述べられました。

 スタッフは、「全体的に、柔らかくなった感じです。」と、発想や、考えや、行動や、態度が柔軟になったとの感想です。

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 何かをしようと考えても、不安がそんな考えを押し込んで、何をしても意味がない、きっと失敗するからと、行動に移すことに、きわめて慎重な態度に、立ちすくんでいました。

 今のY君からは、「調子がよくなったから、人と関われるようになったのか? 人と関わるようになれたから、調子がよくなってきたのか?」どっちなんだろうと、質問が出ました。

みんなの意見を総合して考えてみましょう。
 柔らかく、柔軟に物事を捉え直せるようになったことが、変化し始めたポイントのようです。
 人と関われるようになったからではありません。
 しかし、人と関わることが、以前よりは明らかに楽になってきたことも確かなので、こちらは結果と判断できます。

 情報や知識を得て、理解をして、行動をして、体験をして、次々と学習していく人が、成長していくとは限りません。
 ポイントは「物事を捉え直せる」柔軟性のようです。

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 学びとは、自分が自分を信頼し、自分の中で柔軟に変化させる「物事を捉え直せる」ことのようです。
 自分の回りから変わるものではなく、自分の中から、奥から変わってくるものなのでしょう。
その学びは、お互いの関わりの中で、お互いの信頼感が、お互いの心の奥へと沈み、各自のものになっていくと、互いに響き合うことで、「身に着いた」といえるのです。

あなたの成長は、あなたが自分への信頼を育ててきて、ある瞬間(とき)にジュワッと爆発した、心の化学反応によって、生まれてきたのでしょう。

人の心の化学反応は、「卵が先か、鶏が先か」ではなく!
自分への信頼が育ってきた、ある時、外からの刺激と共に、心の中の化学反応が起きて、成長の結果が目に見えてくるのです。

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言えることは、目に見えるものが人を成長・変化させているのではないのです。
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