「孤独・孤立対策プラットフォーム」って?
[2023年02月23日(Thu)]
2022年12月26日に「孤独・孤立対策シンポジウム」が開催され、参加しました。
2023年2月20日には、「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」の設立総会と記念講演が開催され、こちらも参加して来ました。
このプラットフォームという新しい言葉がよく分かりませんが、官民で連携して協働するネットワーク活動(事業)といった意味合いかと判断しています。
新しい支援システム作りを求めているのでしょう。
私達も、生活困窮者自立支援に関するプラットフォームに参加し、事業を始めています。さらに今回の孤独・孤立対策官民連携プラットフォームに加え、次年度から、ひきこもり支援官民連携プラットフォームの呼びかけが始まるそうです。
官民協働→支援ネットワーク作り→官民連携→プラットフォームと、言葉が変わってきていますが、中身は一行に進まない現状がうかがえます。
20年前より、NPO法人の活動が進められてきた中で、民間主導の行政変革のようなイメージを持っていた私は、日本は、特に徳島では、そんな自治的な動きが進まない現状に、この10年は諦めて、自助的活動を大切にして風月庵を進めて来ました。
20周年を境にと言うよりかは、世の中の流れが明らかに変わってきていると実感出来るようになり、去年から公益事業にも力をさくようになっています。再びその様な活動を始めると、昔程の気力・体力がないことを思い知らされています。
孤独・孤立対策を進める上で、記念講演講師の大西連(NPO法人「もやい」理事長:内閣官房孤独孤立対策担当室/政策参与)さんは、4つの視点:コロナ禍での支援→「つながり」孤独・孤立について→孤独・孤立の調査から→地域で何をしていけばいいのかについて、話されていました。
大西さんはホームレス・生活困窮者支援のNPO活動をしておられる中で、ひきこもりの支援にも関わってこられたとのことをお聞きし、私としても共通の視点を感じていました。
孤独・孤立対策を進める上では、政策として進める前に、現代社会の社会構造としての文化的現実を再確認し、組み立て直す視点が必要と、私は感じるのです。
そこに浮かび上がってくるのは、教育(子育て)と文化(日本人・人間・市民としての心的軸:アイデンティティ)の再構築を切り口とした育て直しが、求められていると考えます。
日本人としての宗教性の掘り下げ・捉え直しといってもいいと思います。神道、仏教、キリスト教等の特定の宗教を統合した視点で、宗教性(スピリチャリティ)を文化的に問い直すことであり、「生きること」「これからの人生観」といったことを、日常生活レベルで「孤独・孤立」を語り合えることを、足元から始める一歩として捉えてもらいたいのです。
今コロナ禍を潜り抜けようとして、私達に迫っている未来への不安の元としての「孤独・孤立」を、個々人の人生の中で考え、確かめ合っていく作業が求められていると、ひきこもり支援を見つめ続けている私は痛感しているのです。