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風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


やめるには、おしい! [2022年06月27日(Mon)]

スクーリングで、スポーツ・絵本の両クラスは続けていましたが、表現・ゲームの両クラスは、若者の参加希望があり、2年ぶりに、この4月から再開したのです。

風月庵スクーリングに参加する若者は、大概スポーツ苦手、表現が苦手、人と一緒にすることが苦手だから、しり込みし、したくないといいながら始めると、直ぐにやめてしまいます。

それは、「やると自分が決めた」かどうかを、お互いに確かめ合うことをします。

何を確かめ合うのかというと、親とか、我々スタッフに言われて決めたのかという点でもありますが、周りが提案はしても、嫌なこと、したくない時は、しっかり「今日はしたくない」「今日は休みます」と、気負わずにいえるかどうかなのです。

気乗りのしない、でも気持ちを奮い立たせて、やってみようと決心し、続けていくことの難しさが私達にはあります。
どうしても無理をしがちで、もう少しもう少しと自分に無理を重ねて、ある日突然に、「できません!やめます!」と、唐突に言われます。

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その時は有無を言わず、やめることしかありません。
だって、自分の100%、120%で頑張り続けた結果、ギブアップを宣言したのですから。
そこで無理をして続けても、何もいいことはお互いに生まれることはありません。それは充分に解っています。

「10年間、人と関わらずに生きてきました。これから、少しずつ人と関わることを増やしていきたいのです」と、彼は実感をこめて、ゆっくりと話してくれました。

私には、彼が自分で決めてくれているという信頼が生まれ、温かいものを育てられる気持ちを確認しました。
「やれることをやれるところからやろう。無理はせずに。」と、私は彼にも、私にも言い聞かせて始めたのです。

先週、その彼から「スポーツはもうやめたい」と、言葉を貰いました。大きなショックを受けながらも、この宣言は受け入れるしかないと即答しました。
「じゃあ、次回からスポーツはやめよう」と、私も言い切りました。

ところが、それから一週間、心に残るものが消えなくて、(やめるのはしかたない、しかし、やめるには おしい!)と、何度も心の奥から問い直してくるものがあるのです。

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無理して続けるのはよくない。でも、やめるには おしい!

私は、この問いをそのまま彼と一緒に、風月庵に関わる色んな人(当事者・家族・スタッフ)と共に考えていこうと思いました。

彼が立ち止まり、私がひっかかっているこの気持ちの種は、誰もが持っているはずなのですから。

色んな人に出会いたいという彼の思いを育てながら、面白さ・楽しさが見出せないスポーツはやめることから見えてくるものを探してみたいと思ったのでした。
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