死に至る病
[2021年10月30日(Sat)]
以前にも「回避性愛着障害」と「愛着障害の克服」をご紹介しましたが、今回も愛着障害についての岡田尊司氏の著書「死に至る病」あなたを蝕む[愛着障害]の脅威(現代人はなぜ幸福になれないのか)をご紹介します。いずれも[光文社新書]です。
内容的には「愛着障害の克服」とそんなに変わらず、この時ほどの感激はありませんが、今回の「死に至る病」が、私には説得力がありました。
現代社会の課題ともいえる「現代人の生き辛さ」から、愛着障害が時代の流れの中で顕在化してきてことが説明されています。
次に、生命維持と愛着の関連を、生理的・神経的・心理(発達)的・社会的な各視点から説明され、さらにこの病の深刻さと、時代としての大きな課題を提唱されています。
ここで見えてくる発達障害と愛着障害との関連をどう捉え直すのかという点も述べられています。
その個人の成長発達の課題と、家族生活の(子育て・老人介護を含む)コミュニケーションによる課題、見直すことが困難な社会が作り出した課題、其々の課題に向かい我々が出来ることを実践しなければなりません。
不登校・ひきこもりの問題も、同じその課題に含まれると捉えていいと、私は以前より、そう考えているからです。
その意味でも、共感できるところの多い岡田氏が呼びかける「愛着障害」と、「不登校・ひきこもり」への視点とは、大きな繋がりの中で捕らえ直していきたいと考え、20周年記念事業「不登校・ひきこもりに出会ったら」支援テキストに、ページを割いてご紹介させてもらっています。
「支援テキスト」は、11月発行予定で、希望者には無料でお送りする予定です。
「不登校・ひきこもり」の状態にある若者に対する支援についても、「愛着障害の回復」から学び実践することで、家族が、ご本人が動き出す大きな力を生むことになると確信しているのです。