• もっと見る

風をあつめて

不登校・ひきこもりの支援活動をしているNPO法人フリースクール阿波風月庵の代表をしているかぜさんです。この活動で色んな若者やその親御さんと会いました。人の心っておもしろいです。僕自身も活動の中で、生き方がどんどん楽になってきました。そんな不思議な心の話をしてみたいなあ!


講演; 訪問支援活動の実際 [2020年10月09日(Fri)]

活動当初は、本人と会って話す、一緒に出かけるが必要と考えて、本人への訪問活動から始めました。

伺っても、話にはなりません。
一方的に話すしかありません。
とにかく一緒に話す、一緒に行動することを心がけました。本人の興味に沿って状況を進めていきます。
一緒に旅行にも出かけました。
話しのやり取りは傾聴を基本としていますが、こちらから話しかけて、ポツリポツリと応えてくださるのはまだいい方で、無言や、理解に苦しむ表現や、何か拒否された態度で接し続けられると、訪問している方も辛くなってきます。

CIMG0258.JPG

W君→「こんにちは」と玄関に入ると「何しにきた?お前みたいな人間に用事はない」と拒否されます。
それでも傾聴が基本ですから、うんうんと聞いていきます。
暫く話して「そろそろ帰ります?」と切り出すと、「せっかくだから、部屋に上がっていけ!」と自分の部屋で、山積みの本の解説を次々と話して下さるのでした。

T君→頑として喋らないという若者も居ました。
訪問前に電話をします。「これから伺ってもいいですか?」といいますと、「・・はい!」と遅れて返事をしてくれます。
玄関で、ブザーを鳴らすと、部屋に案内してくださり、私の前に正座で座り、黙っています。
色々と声掛けしても、頑なに拒まれている感じでした。

そこで当時の風月庵仲間に頼み、一人ずつ一緒に訪問し、彼の前で、いつもの調子でお喋りを続けていました。
訪問は3ヶ月で、あっさりと終わりました。
それから3ヶ月後、彼から電話を貰い、風月庵に通う様になったのです。
 
CIMG0228.JPG

S君→中学不登校のまま高校も不登校が続きました。
風月庵では18歳未満のお子さんには、不登校になると最低3ヶ月はゆっくりと休ませて、心の力を蓄えることを優先させてあげてくださいとお願いしています。
3ヶ月後の9月頃、「つまらないなあ!」という言葉を連発するようになり、本人の了解を貰い訪問に行きました。

初対面なのに、不登校状態なのに、S君は流暢に私に話しかけてくれ、1時間の面談はあっという間に終わりました。
しかし、私はどうしたものかと頭を抱えていました。
というのも、後半30分は姉が憎くて殺したいから、どんな殺し方がいいのかという相談?でした。

1週間後に2度目の訪問で話を始めると、
お姉さん殺人計画は全くありません。
私も殺人計画の話は一切しませんでした。
一緒にゲームをして、飼い犬との付き合い方や、どんなことをしたいのか等、色々楽しい話題ばかりでした。

CIMG0121.JPG

この頃の様に直接本人に訪問はせず、途中からは、先ず家族のみを対象に家族訪問をし、後に本人も参加する訪問に、それから本人を対象の訪問へと段階で進める様になりました。


Posted by 林 at 19:11 | 支援者 | この記事のURL | コメント(0)
コメント
検索
検索語句
タグクラウド
プロフィール

フリースクール阿波風月庵さんの画像
https://blog.canpan.info/kazetuki/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kazetuki/index2_0.xml
QRコード