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検査結果は? [2010年12月30日(Thu)]


雪がチラチラして寒い仙台です。朝から病院に行ってきました。

今日はエコー検査と血液検査です。一昨日のCTスキャン検査の結果と合わせて主治医から説明がありました。

前回肝臓関連の数値が高いのがひっかかり検査になったのですが、今回の検査で異常なしでした。血液検査の腫瘍マーカーも正常値だったので、今のところ転移は見られないという結果です。

これでとりあえず安心して年越しできます。感謝!

ホッとして本屋に行き、たくさん本を買ってしまいました。ふう、重いなあ。
光ぺー輝く [2010年12月29日(Wed)]


仙台の師走の風物詩は、光のページェントです。定禅寺通りのケヤキ並木が電飾されます。まあ、ケヤキも迷惑かな、という気持ちもあるのですが、今年は25周年とか。市民発の仙台の祭の草分けです。

それが今年はLED電球に切り替わったとたん、変圧器かなにかの故障で火事騒ぎがあり、しばらく休止状態でした。無くなると寂しいものですね。遠方からも楽しみに来訪される人たちがたくさんいることにも気づかされました。実行委員会の皆さんご苦労様です。

久しぶりに病院に検査に行きました。入院の日々を思い出しました。結果は明日の検査と合わせて主治医から聞く予定です。良い結果を聞いてから新年を迎えたいものですね。
大分から支援物資が・・・ [2010年12月28日(Tue)]


早いもので、すぐに年末ですね。
今年は派遣村という話題にはなりませんが、正月に路上生活になってしまう人がいることは変わりませんね。

出張が多かったので、ホテルの髭剃りとシャンプー、リンス、それに石けんなどをいただいてきて(゛自分用は持参しています)、まとめて路上生活者支援団体に届けていました。

大分でそんな話をしたら、一緒に集めてくださった方々がいて、この年末、大分から仙台の団体に、ダンボール箱いっぱいの品々が贈られました。

小さなことですが、できることはたくさんあり、継続していると、誰かに伝わって広がっていくものですね。学びの協働隊の皆さん、ありがとう。



天然ガス採掘の闇 [2010年12月27日(Mon)]

12月20日の10時から、BS1でドキュメンタリー「ガスランド」を放送し
ていた。二日続きの放映の初日だけしか見ていないが、米国内の天然ガスの採掘
に関して、実にめちゃくちゃなやり方が行われ、環境破壊と人的被害が続出して
いることを知った。

今までの感覚で言うと、原子力に対する懸念から、天然ガスの優位性を感じてい
たのだが、その採掘の現場がこのようにひどいのでは、天然ガスの優位性はほと
んどないのではないだろうか。とくかくひどい。ショックである。

記憶のためにも、メモ代わりの記録としてここに書いておく。地名などはメモし
きれていないから、要点しか書けないが、完璧なものではないので、引用などに
は留意下さい。

ドキュメンタリーの制作者は、ジョージ・フォックスという若いディレクター。
自分の土地に天然ガス採掘の会社から採掘の権利を承認して欲しいというDMが
やたらに届くようになり、この問題を調べ始める。近隣の採掘現場近くに居住す
る人のところでも被害があり、遠方の採掘現場をまわっての取材旅行に出る。

米国の国内には、大規模な天然ガス資源の埋蔵地帯があり、そのほとんどで開発
が進められている。天然ガスの採掘方法は、ハリバートン社が開発した「水圧破
砕法」と呼ばれるもので、大量の高圧の水を、596種類もの化学物質と一緒に
して地中に注入し、天然ガスを噴出させるというものである。米国は広大な面積
なので、多くの人々は井戸を掘って地下水を飲んでいるのだが、この水圧破砕法
によって、井戸に油が浮き、ガスが噴出、中には、水道の蛇口にライターの火を
近づけると、火炎放射器のように燃え出すという家が多数でている。採掘企業は
一度採掘権を買ってしまうと、因果関係を認めず、やがては住んでいられなくな
る家々が増えていく。家畜の飲み水にも困るなど、信じられない光景が続出して
いる。

環境保護局(EPA)は何をしているのか?米国にも、水質保護法という水汚染防
止のための法律があるのだが、ブッシュ政権下の米国政府は、2005年に水質保護
法を改悪、水圧破砕法による天然ガス採掘は規制の対象にならないという除外規
定を設けてしまった!従って、どんなに飲み水が汚染されていても、EPAは手を
出せないというのだ。しかも、たくさんの国有地が、開発の標的になっている。

この水質保護法を改悪した張本人が、イラク戦争でもたくさんの利権にありついた
会社に関係していたチェイニー副大統領が設置したエネルギータスクフォース
という諮問委員会で、委員はほとんど天然ガス業界の利害関係者であったとい
うのだ。しかも、チェイニーは、ハリバートン社の元CEOであったのだ。
イラク利権だけではなく、米国内の市民に対するこの仕打ちも、彼らが国益どこ
ろか私益追求で戦争も辞さない人々である証拠なのだろう。

以下、Webサイトからの情報で補足する。

■はてなキーワードから
Halliburton. テキサス州ヒューストンに本拠地を置く、アメリカの大手石油サー
ビス会社。(NYSE : HAL)
イラク戦争の後方支援・復興に関わる多くの事業を 技術・建設部門の子会社:
KBR (Kellogg Brown & Root) 社が受け持っているが、ブッシュ政権のチェイニー
副大統領がハリバートンのCEO(1995〜2001年)を勤めていていたこともあり、
国防省との不透明な関係が指摘されている。

■「戦争の不当利益とハリバートン」
 スコット・ハリスによるチャーリー・クレイとのインタビュー 
 2003年5月20日(益岡賢 2003年5月22日)
 http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/halliburton2.html

米国ブッシュ政権がイラク侵略を開始するかなり前から、米国企業は、イラク
「再建」のおいしい契約のために列をなしていた。戦争と12年間の経済制裁に
より破壊されたイラクの「再建」に。「戦後」イラクで、ハリバートン社やベク
テル社、カーライル・グループといった、ブッシュ政権と強いつながりを持つ企
業が何千万ドルもの契約を得た中で、倫理問題と公益と私利の衝突を巡る疑問が
起きている。

けれどもブッシュ政権における最もおぞましい公益と私利の衝突の例は、ディッ
ク・チェイニー副大統領のハリバートン社との関係に見られる。ハリバートン社
はペンタゴンと定常的に仕事をしている石油サービス・建築企業である。199
5年から2000年までチェイニーが最高経営責任者だったハリバートン社は、
今年3月に、「戦後」イラクの油田の火を消す随意契約を手にし、また、5月に
米軍が明らかにしたように、イラクの油田を運営し石油製品流通を担当する随意
契約を得た。「行間を読む(ビットウィーン・ザ・ラインズ)」のスコット・ハ
リスがチャーリー・クレイにインタビューした。クレイは、シチズン・ワークス
の企業改革キャンペーンを行っており、戦争不当利益をむさぼっているとして、
ホワイトハウスと密接な関係を持ったハリバートンをはじめとする企業に対する
告発を検討している。




雪の日は本棚整理でもしよう。 [2010年12月25日(Sat)]


最近買った本のおススメです。

多田富雄と石牟礼道子の「言霊」藤原書店。
内田樹と高橋源一郎の「沈む日本を愛せますか?」rockin'on発行。
「文学者たちの大逆事件と韓国併合」平凡社新書。
森達也の「極私小的メディア論」創出版。
「犬を殺すのは誰か?」朝日新聞出版、太田匡彦。
平凡社新書「市民社会とは何か」植村邦彦。
「沖縄の真実、ヤマトの欺瞞」宮台真司、神保哲生、春秋社。
サラ・パレツキー「沈黙の時代に書くということ」早川書房。

今日は朝から雪が降ってます。仙台では初めての積雪ですね。(写真下)
庭の柿ノ木の雀が寒さに震えています。軒下に行けよなあ、と思うけど、
最近の住宅の軒下は雀が止まれませんからね。
雀が絶滅の危機という話もありますね。ウヒッ!

箱詰めだった本たちを本棚に並べました。(写真上)
なかなかいい本を買ってるんだね、と自分に感心感心。

いわてNPOセンター破綻の教訓 その3 [2010年12月24日(Fri)]
蝸牛試論
「いわてNPOセンター破綻の教訓〜情報公開・会員制度・危機管理〜」その3


ここまでに、河北新報の検証記事に指摘されている3つの原因、
1)トップのマネジメント能力の欠如
2)県の業務委託の在り方
3)法人の自浄作用と市民監視の機能不全
について、3)法人の自浄作用と市民監視の機能不全から考察をし、情報公開
(開示)の本来の機能と、自浄作用の間には、組織構造の理解と媒介としての会
員による市民参加と職員参加の促進が必要であることを明確にした。その上で、
1)のトップのマネジメント能力のひとつとして、危機管理マネジメントのため
の具体策と会員や職員の関係の整理と参加について、あまり今まで指摘されてい
ない視点から述べた。

後半は、2)県の業務委託の在り方と、受託団体側の1)トップのマネジメント
(の欠如)について述べる。


■団体の事業構造を分析すると見えてくるものがある。

当該団体の事業構造について、事業報告書から見えるものを押さえておこう。最
新のデータが公開されておらず、平成19年度は決算期の変更があり、半年単位に
なっているため、平成18年10月1日から平成19年9月30日の平成18年度決算と事業
内容を分析する。その中で部門別の収入を見ると、以下の通りである。

・地域振興部(グリーンツーリズム、地産地消、食育など) 約2100万円
・中間支援部(活動交流センター受託他)         約3300万円
・事業開発部(道路管理、大学キャンパス、指定管理評価) 約3100万円
・就業支援部(雇用対策他)               約1300万円
・公会堂                        約5800万円
・県民の森                       −−−−−
・事務局経費                      −−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  総収入額                     約1億6000万円

記載のないところは不明だが、さまざまな分野に事業を拡大したNPO法人であ
ることは間違いがない。河北新報の12月11日の記事によると、「2008年度に県と
結んだ一般業務委託事業の契約総額が7861万円に上り、NPO法人全体の3割以
上を占めた。」とある。他の委託事業の受託金額がわからないのでなんとも言え
ないが、平成20年度(2008年度)の事業総額は、記事から逆算しておよそ2億
6200万円になり、平成18年度と比較すると、二倍近い成長率である。その結果、
一気に職員が増え(六十数人)、不祥事につながったと言うこともできる。

ただし、3割という数字が行政依存であり、その結果不祥事が起きたとするには、
少し飛躍がありすぎると思う。依存かどうかは、団体の意志決定の自律性と自主
事業の力によるが、3割程度の受託が行政依存なら、一部の団体を除いて、大き
な団体はほとんどが行政依存になってしまう。英国のNPO界の考え方では、行
政からの事業の受託は、ビジネスつまり対等の取引の結果と捉えられていて、行
政資金(補助金)の割合には参入されないし、そのことを行政依存という習慣は
ない。むしろ団体の仕事をする能力の証明と考えられている。

それにしても、施設系の指定管理や受託による規模の拡大はわかりやすいし、あ
る程度の安定性があるが、他の事務事業の受託による規模の拡大は大きなリスク
を伴うものである。なぜなら行政の事務事業の受託は、一年限りであり、かつ入
札や企画コンペによるものであるから、次年度の受託はまったく保障されない。
職員の大半は毎年のように解雇され、また雇用される臨時職員にならざるを得な
い。そのような仕事を、しかも安い単価で引き受け続けることは、結果、事業の
遂行に支障を来たし、報告書や領収書の偽造に行き着いたのではないか、と推察
される。(もっとも、これだって民間企業なら常識の範囲であり、そのせいでと
いういいわけにはならないことは言うまでもない。)

また、一年間の岩手県との一般業務委託事業の契約金額が7861万円というのは、
なかなかに大きな金額であり、さまざまな事業部門を持ついわてNPOセンター
だからこそ起きたことであるかも知れない。ちなみに、当センターも、それなり
の規模だが、収入の3分の2は施設管理系の収入であり、それ以外の受託事業は年
間1000万円からせいぜい2000万円である。さらに言えば、宮城県からの受託金額
は、この13年間で総額1000万円程度である。(意外と少ないことに驚かれること
が多いが事実である。当センターは、中間支援に限定・特化して仕事を選択して
いるので、行政からの受託にも限界があり、特に県の姿勢によって中間支援団体
に落ちている資金には大きな多寡があり、宮城県は全国的に見ても少ない方であ
る。)

その視点からみると、岩手県の発注は、やはりかなりの問題があると言われても
仕方がないところである。たとえ、手続き的には適正に行われたとしても、さま
ざまな分野の事業が一ヶ所の法人に集中してしまうのは、他の団体の発展を考え
たときにも問題がある。なぜなら、本来は他の団体の支援をミッションとする中
間支援団体が、他の団体の受託を妨害するような仕事の仕方をすること自体が問
題なのだ。しかし、いわてNPOセンターにとって中間支援は、事業拡大の方便
または一事業部門に過ぎなかったのではないかと思われる。

もちろん当該団体からすれば、受託は公正な競争の結果であり、県も手続きに瑕
疵はないということになろうが、一番釈然としないのは、支援の仕事をする団体
が、個別テーマに取り組むNPOの前に立ちふさがっているという思いを、多く
の団体に抱かせたことであろう。それが、不祥事に対する冷ややかな反応につな
がっていると思われる。

この団体の場合、本来のミッション-事業構造自体に、他の団体の支援を行うに
は無理があると言わざるを得ない。また、地方に行けば行くほど、中間支援事業
単体では食べられないという声も耳にするが、それでも県の単位の支援センター
がそれを言ってしまってはおしまいではないか。個別テーマに取り組む団体の分
野に進出するのではなく、それらの団体との連携と協働の上にある、中間支援の
可能性や多様性をもっと開発すべきと思うところである。


■委託費積算の問題もあるが、団体側の提案力、判断力も問われている。

フルコストリカバリー、つまり適正な単価での契約を推進することに異議はない。
当センターも、2年前の夏にはフルコストリカバリーのセミナーを開催し、行政
職員にも参加いただいたことがある。ただし、記事でも、いわてNPO−NET
サポートの高橋敏彦顧問の言葉として、「事業ごとに法人側から適正な対価を県
に示すことが必要。NPOと行政が対等な立場で話し合い、共通のルールづくり
をしなければならない」と述べられているように、NPO側の力量が求められて
いる。いわてNPOセンターは、自らコンペを勝ち抜く力量を持ちながら、それ
を意欲ある地域の団体と共有することを疎かにしていたと言われても仕方がない。
当センターも問われるところである。(もちろん相談対応などで、これらの問題
についてはノウハウの提供を含めてそれなりに対応している。)

もうひとつ気になるのが、赤字なのに受託しているという声が紹介されているこ
とである。ここは難しいことだが、場合によっては、赤字なら受託しないという
選択をもっとNPO側はすべきだろう。当センターでは、国(厚生労働省)の委
託事業に応募した際、人件費が認められないという条件に抗議し、人件費をまと
もに積算した見積書で応募、敢えて落選した上で、厚生労働省に抗議をするとい
うことをしたこともあった。詳しくは、『NPOマネジメント』連載(第45回)
の「蝸牛点晴」に書いた「コンペ落選」に譲るが、行政側がこのような発注をし
ている限り、受託団体側が外注費などの名目で、その団体の理事などが経営する
別法人に仕事をトンネルし、人件費を確保するといった便法が常態化してしまい、
単なる受託のための法人設立など、しばしば不正の温床にもなることがある。

反対に赤字覚悟で受託した場合は、愚痴はこぼすべきではない。その金額でいい
と応募しているんだから、それで文句を言われては行政もたまらない。行政から
すると、その金額でできることをやってくださいということなので、それ以上の
ことをしなくてもいいですよ、と言っているのでもある。NPOの人は私を含めて、
それでは自分の気持ちが治まらない、ニーズに応えられないと仕事を増やす傾向
があり、自分の首を自分で締める結果になっていることも多い。自戒の念をこめ
て書いておきたい。


以上
いわてNPOセンター破綻の教訓 その2 [2010年12月24日(Fri)]
蝸牛試論
「いわてNPOセンター破綻の教訓〜情報公開・会員制度・危機管理〜」その2


■危機管理の正しい対策はある。理事・職員問題も見逃せない。

もうひとつ、いわてNPOセンターで気になることがあった。正会員14人・社と
いう構成の中で、執行理事6人という数の問題は指摘したが、理事長以外の執行
理事は実質的には職員であろう。外部理事(執行理事以外の理事)が何人いたの
か知らないが、理事会の中での執行理事の割合自体がかなり高いことが想像でき
よう。これでは、理事会自体が形骸化するし、職員会議や職員の幹部会議と変わ
らなくなってしまう。何より、雇用された理事という存在は、職安などからの紹
介で雇用された職員が理事になっている場合など、ますます理事長の権限が大き
く独裁的になり、内部チェック機能が働かなくなることは火を見るより明らかで
ある。これはいわてNPOセンターだけではなく、そのような団体のコンサルティ
ングをいくつかした経験からも推定できる。

翻って、自組織を含む現状の規模の大きなNPOのことを考えてみたい。職員の
多くは、必ずしもミッションに強く賛同している人とは限らず、場合によっては
職安からの紹介によって雇用されている。そのような職員にとっては、理事長
(当センターでは代表理事)である私などは、雇用主そのものだ。雲の上の人の
ようである。私にはそのような意識はないが、相手には間違いなくある。そして、
自身の雇用の継続こそが重要な関心ごととなっている職員を、この情勢下で誰に
も責められることではない。このような組織では、いわてNPOセンターのよう
な申請書の担当者とその上司による偽造、助成金報告書の領収書偽装などが誰か
によって起きた場合、そこに上司の意思が入っていればいるほど発覚しにくいと
思う。被雇用者としては、その問題を自身の雇用の継続を担保しながら、誰に相
談すればいいのか、前もって組織が明示しているとは限らないからだ。しかも、
理事長は雲の上の人。そういう環境では、人々の多くは告発者とはならないもの
だ。

このような場合、組織の理念の共有や経験の伝承などの取り組みだけでは不十分
で、より具体的な組織的な対策が必要であり、それは、2つある。

ひとつは、さまざまな書類の保管や決裁のシステムを見直し、複数の人の目を必
ず通るようにすることである。単純な部門別経理や担当者任せや丸投げは危険で
ある。

ふたつ目は、前もって、コンプライアンス問題やその他気にかかることを、直属
の上司ではダメな場合に誰に伝えれば良いのかについて、その人の身分の保障の
確約と共に、内部にしっかりと告知しておくことである。上司の上司、執行理事
(常勤理事)、外部理事、そして監事のそれぞれに職員が直接連絡を取れるよう、
連絡先は職員に周知されていなければならない。ここが今回の問題に関する危機
管理マネジメントの要点であろう。外部に告発される前に、きちんとした対応が
なされる体制があればと思うところである。

一方、職員の側ではどうだろうか。どんな組織でも、上司に言われたからと不正
行為に手を貸す職員もいないとは言いがたい。その問題を少しでも解決するため
には、職員がNPO法人の会員になることを提案したい。しかし、多くの場合、
NPOという参加型組織で禄を食んでいるにもかかわらず、法人の会員になろう
という職員が極めて少ないという残念な現実がある。そもそも、組織のミッショ
ンに賛同していない者に、ミッション達成の仕事ができるのか?という原理的な
問いかけもある。もちろん職員になるためには、法人の会員にならなければなら
ないという規則を持つ法人もあり、それはそれでひとつの方法である。しかし、
それでは「市民の自由意志による」という法人の原理に抵触するところでもあり、
当センターでは職員の自由意志に任せてきた。私は、法人職員が自由意志でぜひ
法人会員になるように、理論的に整理した上で、改めて法人として積極的に働き
かけるべきだと考えている。その理由は前述してきたように何か問題があったと
き、「雇用者−被雇用者」としての上下関係でしかないという互いのあり方では、
正しい行動は生み出されにくく、真のNPOの方向性は出てこないと思うからだ。

「雇用者−被雇用者」であることは、現在のしくみの中では避けがたいし、その
利点(労働者保護)もあるが、それと平行して互いの関係を規定するものの複線
化があるといい。それが「正会員−総会−執行部」という関係である。そうなれ
ば、組織としての危機管理マネジメントに、職員としてだけではなく、市民に負
託された者としての正会員としての関わりが生じ、より積極的な参加が可能にな
る。場合によっては、職員を代表する理事がいてもいい。もちろん、人数が多い
からと言って単純に乗っ取り行為が起きては困るので、全体の会員数は、そのた
めにも多くなければならない。理事や職員は、ある意味で自分の権限割合(総会
における議決権比率)を低めるためにこそ、正会員の獲得に力を注ぎ頑張らなけ
ればならない。このように、理事や職員の個人的な利害であれば会員が少ない方
が有利なのだが、公益を追求する組織の運営には反対の行動、すなわち会員の増
加が求められるということを、もっと多くの人々が知っている社会にならないと
いけない。

従って、自浄作用は、単に、市民監視と直接に結びつくのではなく、媒介として
の会員による市民参加と職員参加がしっかり結びついてこそ、危機管理の具体的
な対策が意味のあるものになり、それこそが、1)トップのマネジメント能力の
欠如という問題に取り組む土台となるのである。

                                          その3に続く
いわてNPOセンター破綻の教訓 その1 [2010年12月24日(Fri)]
蝸牛試論

「いわてNPOセンター破綻の教訓〜情報公開・会員制度・危機管理〜」その1


いわてNPOセンターは、昨年10月、グリーンツーリズム関連事業(岩手県委託)
で、旅行業の外務員証を資格がない職員に持たせていたことや申請書類の偽造な
どが発覚、その後、さらに受託管理施設での自主事業であったコピー機収入の裏
金化や財団からの助成金の不正受給(領収書偽装)などが明るみに出て、理事全
員が辞任、代わりに現理事長以下、新理事体制で再生を図ったが、県をはじめと
する受託先から三行半を突きつけられ、本年12月10日、盛岡地裁に破産手続きの
開始を申し立てた、という報道があった。負債総額は3210万円。

いわてNPOセンターHP
 http://www.iwate-npo.org/center/
いわてNPOセンター 団体基本情報
 https://canpan.info/open/dantai/00002984/dantai_detail.html
不祥事について
 http://www.iwate-npo.org/center/fusyouji.html

岩手県で最大のNPO法人、しかも中間支援の仕事をしている組織の不祥事によ
る崩壊は、私どものような「同業者」にとっても大きなショックを与えた。しか
も、不祥事はひとつではなく、複数の不祥事が継続または平行して起きているこ
とも驚きであった。そして、規模が大きくなってくると、どんなに組織でも、コ
ンプライアンス対策を講じたり、理念を浸透させようとしたりするのだが、それ
だけでは防ぎきれないものがあることも事実であり、その原因を正しく認識し対
策を立てておかないとならない。

■河北新報、3つの原因を指摘

この問題を当初から追及してきた河北新報は、12月15日から17日にかけて3回連
続の検証記事「問われる「協働」いわてNPOセンター破綻」を掲載した。その
記事に沿って考えていこう。

記事の(上)では、簡単に破綻の経緯を述べたあと、その原因を「センターの破
綻は、2003年の設立時からトップを務めた前理事長の組織マネジメントの欠如と、
県の業務委託の在り方などが複雑に絡み合った結果と言われる。海野理事長は加
えて「法人の自浄作用も、それを促す市民監視の機能もうまく働かなかった」と
みる。」と指摘している。

つまり、
1)トップのマネジメント能力の欠如
2)県の業務委託の在り方
3)法人の自浄作用と市民監視の機能不全
の3つが原因として挙げられている。

(上)の後半では、このうち3)の市民監視の機能不全について、「情報公開の
理念が実体化していない」という藤井敦史立教大学教授の言葉をひき、事業報告
書の記載についても触れる。透明性・公開性を高めるべきとの議論が紹介され、
しかし一方では県の監視が強化される方向で動くことに危惧も表明され、「市民
監視による自浄作用を発揮する態勢づくりを急がなければ、何より独立した自由
な運営というNPOの根幹が揺るぎかねない。」とされる。

(中)では、いわてNPOセンターが受託していた「NPO活動交流センター」
の業務委託費に触れ、現受託団体からの火の車と持ち出しの現状が報告される。
後半では、愛知県のフルコストリカバリーの考え方に基づくルール作りの紹介が
あり、適切な労働対価を支払うべきとの声と財政難からそれは無理との自治体の
声との両論併記がなされている。

(下)では、「新しい風」と題して、「いわてNPO職員ネットワーク」と「い
わて中間支援NPOネットワーク」の動きを紹介、ガリバーが消えて中小の法人
が盛岡市との協働事業に手を挙げ始めたり、各団体が活動を広げたりしていると
の声を紹介している。後半は、国の「新しい公共」の動きを紹介、優遇税制の導
入に岩手が取り残される危険があるとの山岡義典日本NPOセンター代表理事の
言葉の紹介があり、新しい風に期待する結びとなっている。


■情報公開による市民監視だけでは、事件は防げない。

さて、(上)で指摘された原因は、1)トップのマネジメント能力の欠如、2)
県の業務委託の在り方、3)法人の自浄作用と市民監視の機能不全の3つだが、
一般読者向けの記事としては簡単に触れているだけなので、これをもう少し深め
て考えてみよう。

まず、3)法人の自浄作用と市民監視の機能不全だが、情報公開の機能について
の力点が市民監視に傾き過ぎていると思われる。私たちも、もう何年も繰り返し
法人の情報開示を推進する取り組みを続けてきたからわかるが、事業報告書や決
算書公開の不備や不十分さは、本当に市民に支持されようとするNPOならば目
に余るものがある。しかし、多くの団体は、そんなことを努力しても市民の支持
が増えるという見込みはないと、寄付税制の不備もあいまって諦めてきたのが実
態であろう。だからこそ、適切な情報開示支援を進めれば、社会の支持も得られ
ることが次第に明らかになりつつあり(当センターが進めるNPO情報ライブラ
リーとポータルサイトによる発信支援の取り組み)、優遇税制も改善されてきて
いる現在、NPOにとって情報開示は待ったなしの課題であることは言うまでも
ない。

しかし、一般的な情報開示では、不正の発見や法人の自浄作用を担保するだけの
力はない。いわてNPOセンターで行われたと言われている不祥事は、職員の申
請書偽造、助成金報告書の領収書偽造(理事長の関与があったかどうか不明)、
理事長の関与した裏金などであって、法人には、監事という理事と理事会=執行
部を監視する役目の役員がおり、前理事長の時代には税理士か公認会計士がその
役目についていたはずだが、彼らにしても、不正を発見することはできなかった
のである。ましてや一般市民に、これらの不正を発見することを期待するのは無
理というものである。だからと言って、適切な情報開示に意味がないのではない。
情報開示は、まともなNPOにとって、信頼の創造という大きな役割があり、社
会にとっても、より良いNPOを選択するための手立てという意味がある。


■市民一般だけではなく、会員という存在を問題にしなければならない。

幅広い市民に対する情報公開の前に、市民監視というなら、NPO法人には会員
という制度がある。自発的な市民の意思に依拠するNPO法人は、自発的な意思
によって団体の主旨に賛同する市民が集まり(会員)、「幅広い市民の公益の代
理人として」執行部や監事を選び(場合によっては自らがその職務につき)、そ
の業務を支援し監視する(事業報告書や決算書の承認など)という構造になって
いる。つまり、理事や監事だけではなく、議決権を行使する立場(正会員)に自
発的になること自体が、公共的な振る舞いを要請されることであり、団体のミッ
ションに照らして、執行部が行う事業計画や行った事業の報告について審査をす
る立場に立つことを志願した者(正会員)という位置づけになる。その機能は正
しく働いたのか?

日本の団体は、集まった人々の利益の増進のための団体が多く、会員になったら
メリットは何?特典は?という感覚で会員という制度を見てしまうために、「幅
広い市民の公益の代理人」としての会員という視点がほとんど自覚されていない
ことが問題である。この「会員とは何か?」を考えることが、法人運営の自浄作
用と結びつくことになる。

特定非営利活動促進法の制定は、日本の市民活動の社会的な認知の進展と共にあ
り、もともと市民による自発的な参加型の組織を前提に、公益型(自分たちだけ
の利益ではなく、広く社会全体の利益に資することを目的とする)の組織構造が
設定されている。(ただし、法の範囲内での運用次第で、理事会優先型の法人を
設立することは可能である。)(註1)

このような視点で、多くの法人の会員制度や総会のあり方を考えると、自浄作用
の拠って来たる所以が見えてくるのではないだろうか。

いわてNPOセンターの事業報告書(2008年度)を読むと、平成18年、平成19年
共に、個人正会員11人、法人正会員3社、正会員総数14人・社である。特定非営
利活動法人の設立と維持には、最低10人の社員、つまり正会員が必要とされてい
るから、これではいかにも少ない。私どもせんだい・みやぎNPOセンターは、
約100の団体と個人の正会員(議決権を持った社員)によって運営されている
社団型の組織である。定款を読む限り、いわてNPOセンターも普通の社団型の法
人である。これではほんの数人が欠けても、法人は維持できず解散に追い込まれ
る危険性がある。しかも、平成19年度の執行理事(現場で仕事をしている理事)
が6人と報告されているから、外部理事も加われば、総会などでほぼ過半数を理
事が占めることが予測され、執行部の報告や決算は必ず通るわけだ。もちろん社
団型の法人といえども、一般的に総会は信任投票であって、簡単に執行部が取り
替わるわけではないが、いざ危機の時期には、その法人の行方を左右する権限を
持っているのは、議決権を持つ正会員であり、その数の異様な少なさは、執行部
の緊張感を失わせ、独走を許す温床になるであろう。団体自治の原則に基づく民
主主義の実験場としてのNPOが成り立たないのである。

一般市民に対してアカウンタビリティ(註2)を負っていると考えることは理念的
には正しいが、実践的には緊張感を欠くことになりやすい。その課題を乗り越え
るものとしての会員制度と考え、市民の代理人である目の前の会員に対してアカ
ウンタビリティを負っていると考えることが、緊張感のある透明性の高い組織経
営上有効である。それがいわてNPOセンターに欠けていたものである。



註1:昔、米国のNPOを訪ね歩いたときに、会員制度と理事会の位置づけについ
て質問を繰り返してきたが、意外と議決権を持つ会員制度型(社団型)の団体が
少ないことに驚いた経験がある。つまり、理事会や評議員会のみでの設立と運営
という財団型の団体が多く、多くの人々の総意で運営される社団型の団体にはな
かなか出会わなかったのである。もちろん、草の根の市民グループの多くは、米
国でも社団型の運営をしているとのことだが、ある程度の規模の機能主義的な団
体には、社団型が少なく財団型が多いというのが印象的であった。欧米型のNPO
の多くは、会員との緊張関係ではなく、外部の理事会と現場のトップ(CEO、事
務局長)との緊張関係によって、アカウンタビリティや透明性を担保している。
英国でも、理事や理事長は無給であり、報酬を取ってはならないと法律で決まっ
ている。日本の場合、理事会と現場が分離していないケースが多く、別の緊張関
係をつくらないとアカウンタビリティも透明性も確保できない。

註2:アカウンタビリティとは、日本語で説明責任と訳されているが、単なる説明
する責任のことではない。「負託された者の委託者に対する全面的な実行責任」
を意味しており、さらには、accountability and transparency(透明性)とセッ
トで使われる。NPOの場合、直接的にアカウンタビリティを負っている対象は、
会員であり、その背後に、取り組むテーマによって関係している幅広い市民がい
ることになる。

                                         その2に続く
コミュニティ自立シンポジウム [2010年12月24日(Fri)]


来年2月1日に、東北活性研さんの主催で、下記のコミュニティ自立シンポジウムを開催いたします。

平成17年度から、旧東北開発研究センター(現東北活性化研究センター)さんの主宰で、「コミュニティ自立研究会」(山田晴義委員長、加藤哲夫委員、櫻井常矢委員、鈴木孝男委員)が組織され、加藤もその一員として、コミュニティの再生・自立、そのための支援システムの方向について検討してまいりました。

この研究会でたくさんの地域を歩かせていただき、各地のコミュニティ再生に関わる方々と意見交換をさせていただきました。その経験は大きな財産になっています。

現在までに3冊の書籍を上梓しておりますが、今回はその総括編として新刊本「地域コミュニティの再生と協働のまちづくり」の刊行準備をしております。小生は、原稿執筆の途中で緊急入院・手術という事態になったため、残念ながら本格的な原稿執筆には参画できていませんが、研究会5年の総集編とも言うべき本になります。

2/1のシンポジウムでは、その本の内容をベースにさらに議論を深めていくプログラムを企画しています。地域再生のための自治体の政策の課題をより一層明確にするものとなるでしょう。この問題に関心のある皆さんにぜひ参加いただきたいと思います。

                 記
日時  平成23年2月1日(火) 13:30〜17:00  
場所  メトロポリタン仙台(JR仙台駅西口隣接) 3階 曙の間
テーマ コミュニティと行政による協働のまちづくり
プログラム
     基調講演 櫻井常矢氏(高碕経済大学准教授)
              「住民自治・協働をめぐる自治体政策の課題」
            前山総一郎氏(八戸大学教授)
              「協働のまちづくりの新動向と問われる自治体機能」
     活動報告 鈴木孝男氏(宮城大学助教) 
              「コミュニティ支援システムへの提案」
     パネルディスカッション 「協働のまちづくりとコミュニティ支援システム」

            コーディネーター 山田晴義氏(東北こんそ会長)
            パネリスト     上記講師(櫻井氏、前山氏、鈴木氏) 

      なお、ご聴講いただいた方には新刊本を無料進呈いたします。

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財団法人 東北活性化研究センター(東北活性研) 調査研究部
〒980-0021 仙台市青葉区中央2丁目9-10 セントレ東北9階
022-222-3394(研究部直通) Fax022-222-3395
URL http://www.kasseiken.jp
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故辻陽明さんの思い [2010年12月22日(Wed)]

                    写真は追悼文集「希望」から複写した故辻陽明さん

カミナリが鳴っています。
大荒れの雨です。

昨日の朝日新聞に「日本人脈記」の第9回「若者をつなぎ 志を支える」と題し
て、小生ときょうとNPOセンターの深尾昌峰さん、中村正さん、赤澤清孝さん、
山口洋典さんが取り上げられてます。
今日は、林雄二郎さんや山岡義典さん<岩本一恵さんです。

NPOの世界の人たちが、こんな形でまとまって取り上げられるのは、貴重な機
会ですから、ぜひご覧下さいね。(東京は前日の夕刊掲載)

 8日:「すべて震災から始まった」
 9日:「タテヨコの関係超える」
10日:「官から民へ 法が後押し」
13日:「女一揆 行政動かした」
14日:「ドラッカー、『寺こそ源流』」
15日:「子どもの魂 安らげる場を」
16日:「社会の課題 起業で挑む」
17日:「施しでなく 自立を支援」
20日:「若者つなぎ 志を支える」
21日:「未来の人材 育て続けた」

この連載企画は、実は、2009年6月11日に53歳で食道がんで亡くなった、
朝日新聞の記者、辻陽明さんの温めていた企画でした。

辻さんは、2003年からの公益法人改革の取材や2005年の「新市民伝」の
連載を通して、日本の市民セクターを取り上げる記事をたくさん書き、NPO界
にも精通した記者でした。私は、東京でのさまざまな集会の時にお会いし、20
06年10月14日掲載の「新市民伝」で、「民が民を支える仕組みを」と題し
て紹介していただきました。真摯に話を聞き、共感を紙面に定着させる。そうい
う記者さんだなあ、というのがそのときの印象です。以後、年に一度二度、電話
でやりとりをしたり、東京の集会で挨拶するようなおつきあいでした。その辻さ
んががんで闘病中ということを知ったのはいつのことだったでしょうか。とうと
う帰らぬ人となってしまいました。まだまだ仕事をしていただきたかったし、し
たかったことでしょう。残念です。

私の手元には、辻さんが関わった仕事と人々からのメッセージを集めて編まれた
一冊の追悼文集があります。そのタイトルは「希望」。その中に、辻さんが「希
望」ということについて書いた日記の一文が採録されています。

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 「希望」について書いていこうと突然思った。人が人らしく生きにくい社会、
自然を壊してしまう現代技術、失われていく日本の伝統・文化、心の持ち方。追
い立てられるように生きる私達が自分を取り戻し、自らの手で世の中を少しずつ
良くしていく。そのきっかけになるような記事を書くことが、私の残された人生
の課題だと思った。(いったん体調が回復されていた08年8月19日)

 日本の行政や企業にとっての「失われた10年」は、NPOからみれば成長社
会から成熟社会に向かう「変革の10年」だった。自分たちの力で自分たちの社
会を良くしたい。そう思う若者や中高年が「静かなるNPO革命」に加わってい
る。日本の社会は捨てたものではないということ、希望があるのだということを
伝えたい。(再び闘病生活が始まっていた09年1月、「ニッポン人脈記/NP
O編の企画案2」)

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今回、私のところに取材に来てくれた小室記者は、5月の入院中に一回目のイン
タビュー、二回目は7月4日に気仙沼市でのネットワークオレンジさんの企画し
た米倉誠一郎氏の講演会のときに打ち合わせ、そして三回目のインタビューは9
月の入院中という大変ていねいな取材でした。資料もたくさん読み込んでくれた
と思います。でも、掲載できる紙面は限られている。お伝えしたことの百分の一
があの紙面ということです。それはそれで仕方がないことですね。でも、丹念な
取材と辻さんの思いを受け継ぐ真剣さがあれば、今後も良い仕事をしていただけ
るのではないか、と思っています。そして辻さんがつないでくれたいい出会いで
あったと思っています。感謝!!


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