福島の父が死んだ。
30日午前10時54分。病院のベッドで、静かに、眠るように。
享年86歳。
前夜まで3日間、枕元にいて話をしたり、手を握ったりしていたが、
30日は朝から仙台で仕事をしていた。
ちょうど妹が母と一緒に枕元にいたからよかった。
その夜は、山形県村山市で、
コミュニティ組織の皆さん対象の研修会の講師を引き受けていたから、
いつも行く花屋さんで、枕元に飾る花をたくさん買って、
山形経由で福島に向かった。
11時頃にようやく実家に着いた。
父は、安らかな顔で眠っていた。
息子が言うのもなんだが、痛みにも黙って耐え、次第に自分の死を覚悟し、
最期まで、周りの人たちに気を遣い、静かに逝った。
黙々と生きてきた親父の人生を象徴しているようだ。
一年間、母は看病で大変だったろうが、
今度はあれこれ世話を焼く相手がいなくなってどうだろうか。
近くにいながら、親不孝者で、なかなか顔も出さない私としては、気にかかるところだ。
父とは、3日間で、結構、大事な話ができて、心残りはない。
父も面倒をかけた息子がなんとか生きていることを理解し、安心して逝っただろうか。
今日1日は、納棺と火葬場での見送りをした。
故人の意志で、家族だけのお別れの会であった。
人が一人、この世から消えるのは、大仕事だなあ。とつくづく思う。
自分の始末もそろそろ考えておかなければ、と思った一週間だった。