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病理診断結果がわかりました。 [2010年11月17日(Wed)]


昨日は突然、硬派の論考を掲載したので、びっくりされた方もいらっしゃるかも
しれませんね。あれは、私がこう考えるというよりも、こんなに考えなければな
らないことがあるのに、何も報道しない、調べようとしない、そして、わかりや
すい善悪二元論で説明してしまうマスコミはどうなっているのか。また、おかし
いという声を挙げないで、毎日テレビや新聞を見ている私たちはどうなってしま
うのか。そういうことを言いたくて書きました。題して「蝸牛試論」今後も続き
ます。


さて、リハビリ続報です。

手術をして患部と癒着していた臓器を摘出したのが10月20日のことでした。経過
は順調で、11月2日にはとりあえず退院ということになりました。問題の患部を
摘出したことで、内部からの熱や痛みはなくなり、手術痕の修復が次第に進むの
を退院して見つめることになりました。それはそれで結構大変なのでしたが、ま
あ、一日一日と薄皮をはぐように回復していくのは、元気の出ることです。

ただ、退院は仮釈放みたいなものだと感じていました。そもそも摘出した患部は、
間違いなく大きな膵臓癌のかたまりでした。癒着していた胃、大腸結腸、脾臓な
どに癌が浸潤していないか。リンパ節に転移していないか。病理診断の結果を待
つ必要があったのです。


今日、主治医から連絡が来て、結果を聞いてきました。またまた驚くべきことが
わかりました。(毎回、驚いています。)

それによりますと、私の膵臓癌は、膵臓の外分泌をつかさどる(消化液をつくる)
ところに出来た癌だけれども、その輸送管に出来たいわゆる膵菅癌ではないとい
うことです。この膵菅癌は、浸潤性(他の臓器や血管、リンパ節などに広がって
いくこと)が高いものが多く、短期間で死に至ることが多いといわれています。
普通使う5年生存率ではほとんどが死亡するため、3年生存率という指標を使うそ
うです。だから私の癌がもしそれだったらかなり厳しいことになっていたはずで
す。

ところが、私の癌は、消化液をつくる細胞そのものの癌でして、膵腺房細胞癌と
呼ばれる、世にも珍しい癌でした。膵臓の消化液をつくる細胞の一部が癌化して、
出口を塞ぎ、あふれた膵液がのう胞をつくるというプロセスで進行し、さらにそ
の癌が急速に大きくなったというわけです。だから、ずっと、膵嚢胞だと思って
いたわけです。手術して初めて癌だとわかったという理由がわかりました。

この世にも珍しいというのは誇張ではありません。主治医が調べてくれたところ
によると、過去10年間に米国での報告された症例が、30例ほどしかないのだそう
です。そのデータによると、平均余命が30〜35ヶ月、手術をした後の平均余命が
50〜58ヶ月。再発率は30%だそうで、再発後も予後は良く、余命の延長もありう
るということでした。日本の例もほぼ同数程度のようですが、データとして整理
されていないので比較が出来ないとのことです。

通常の膵菅癌なら、5年生存率はゼロに等しいらしいのですが、それと比べると、
手術をしたなら、平均5年の生存可能性があるということですね。もちろん平均
ですから、もっと長い人も早く亡くなる人もいるわけですが。それとデータ数が
少ないので、そう確定的なことは言えないということもありますね。でも、かな
り希望の持てるデータです。ですから、かなり浸潤性の低い、おとなしい癌だと
いうことが判明したのでした


もう一つ、朗報がありました。
癒着していたために一緒に摘出した胃壁、大腸壁、脾臓への浸潤は確認されず、
リンパ節への転移も見つかりませんでした。それで主治医は、米国のデータと病
理診断の結果から、膵臓癌のステージUであると判断を下しました。ステージU
は、他の組織やリンパ節への転移が見られないという状態のことです。

以上が、病理検査結果と米国のデータからの診断です。
これを見てもかなり生きているのが、そして術後の経過が良いのが奇跡的なこと
だとわかります。私自身はもっと厳しいことも予測していたので、ほんとうにあ
りがたいことと受け止めています。


今後のことですが、来月、内科の主治医と相談することになっていまして、抗が
ん剤の効果は不明とのこともあり、継続して通院し、検査をしてもらいながら、
もし異常が見つかったらその時点で最良の方法で対処するということにしたいと
思っています。今は、まず体力の回復を最優先させ、少しずつストレスの少ない
仕事を中心に復帰していくことを考えています。復帰も、従来の仕事のペースは
自殺行為ですから、大幅に制御し、むしろ別の仕事の仕方を確立するくらいの気
持ちで行きたいと思います。それは依頼される仕事というより、自身のライフワー
クの集大成を中心にするということになると思います。

それと、蝸牛試論のように、ほんとうに言いたいことで、なかなか組織の長とし
ては発言しにくかったことも、どんどん発言していくことになろうかと思います。
そういう私の視点が何かの役に立つなら本望です。
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