FIFAワールドカップ2018ロシアが終わろうとしている。
その前に問題提起をしたい。W杯のパブリックビューイングについてだ。
パブリックビューイング.jp(
http://bit.ly/2LcM8Pf )は電通スポーツパートナーズが運営しているサイト。ここにW杯の「パブリックビューイング」を開くための手続きが載っている。
真ん中辺の「
開催について」というタブをクリックして、下にスクロールするとフローチャートでパブリックビューイングを開催する場合の手続きを説明している。
これを見ると、大学の教室で学生達とパブリックビューイングを
無料でやる場合も、PV事務局とNHKに申請して
30万円(使用教室キャパが微妙に500人を超えるので・・)を払わなければできないように読める。
私は、申請をせず、30万円も払わず、学生達と夜中に大画面プロジェクターでW杯を見ながら応援するという素晴らしい体験をした。
私は、電通に訴えられるのだろうか?
大丈夫だ。
電通が言う「パブリックビューイング」には当たらないから手続きはいらない。
NHKにも
著作権法100条に関する承諾手続は不要との確認をした。
でも、訴えてもらったほうがいいかもしれない。
報道されれば、問題提起をみんなに認識してもらえる。
「FIFAと電通の契約で決めることだろ」
その通りだ。 しかし、
FIFAのサイトを見て欲しい。表示される数字を入力したら本文が読める。英語だけどGoogle先生が訳してくれるはずだ。
参加者が5000人以下なら、非商業イベントとして許可なくOKだというのがFIFAのパブリックビューイングに関する一般基準だ。更に詳しい
FIFAレギュレーションの2条を見れば、特別な入場料などを取らなければ、パブだろうが、カフェだろうが「非商業イベント」として手続きなし、権利金なしでOKとなっている。もちろん、本業の飲食代金を取ってもOKだ。

開幕の日、ポーランドのショッピングモールで
確かに、FIFAは「いくつかの国」では特別なルールがあるから従ってねと言っている。日本は、そのひとつなのだろう。
では、なぜFIFAは、日本における一般基準と異なる厳しい基準を、電通に押し付けているのだろうか?それとも包括的に電通が権利管理を任され、電通が独自にこんな基準を決めているのだろうか?
私はFIFAもしくは電通が金の亡者だと言っているのではない。
ビジネスマネジメントとしてダメなのではないかと思っている。
この基準(無償非営利でやっても最低20万円)ではPVを開催する人はごく少数。現在の収入はたいして無いだろう。また、未来の収入も失っている。私は学生たちと集まってベルギーに2−0でリードしたときは真っ暗な教室の中で学生たちと飛び跳ね、最後2−3で力尽きたときは泣いた。
そんな経験が、スタジアムで応援する将来の顧客を生むのだから。
PV事務局の対応は、私には「高圧的」に感じられた。私がパブリックビューイング定義について質問すると、既に名乗っている大学名を、話の流れとは関係なく、ことさらに「どちらの大学ですか」と聞かれた。定義の解釈を一方的に押し付ける物言いだった。私の被害妄想であってほしい。
電通を、敵だとは思ってない。これまで会った優秀で熱くスポーツを愛する電通の方々を信じている。きっと彼らが変えてくれるはずだ。もしそうでなければ、東京2020の運営に関わるべき組織ではないと思う。
2020年に、例えば全国の学校や地域で、体育館や公民館に集まって、プロジェクター大画面を見ながら応援する機会を奪ってしまうような(今回の基準では、首長・校長は申請前に断念するだろう)、そんなマネジメントを平気でされては、オリンピック・パラリンピックのレガシーは残らない。
「契約時にはFIFAと交渉を重ねたが、ダメで、あんな基準を作らざるを得なかったと」涙を流している電通スタッフがいれば、私は救われる。ヨーロッパと異なる「不平等条約」の解消をFIFAをお願いしたい。フォットボールを愛するFIFAもわかってくれるはずだ。