昨年の東北大震災は、甚大な被害を東北・関東は言うに及ばず全国、世界にもたらしました。
今年4月22日、山口県和木町和木の三井化学岩国大竹工場内にあるプラントで爆発・火災が発生し、社員1名死亡及び11名が重軽傷を負い、爆風により工場周辺では約450世帯で窓ガラス割れ等の被害と住民11名が軽傷を負った。
5月13日、広島県福山市西桜町にある「ホテルプリンス」から出火し、一部4階建ての鉄筋の建物と木造2階建ての建物のホテルが全焼。宿泊客7名が死亡し、従業員等3名が重軽傷を負った。
5月18日、千葉、埼玉県の利根川水系の浄水場3か所で水道水から国の基準を超える化学物質ホルムアルデヒドが検出され、浄水場の取水を停止し、約35万世帯の断水を引き起こした。
このような火災・災害のニュースが毎日のように起きています。和木町の爆発事故は現在調査中ですが、福山のホテルの火災では、法令違反(建築基準法が定める防火設備を満たさない違法状態)であったことが問題となっています。利根川水系浄水場の場合、ホルムアルデヒドを生成する物質が数百種類もあり、原因物質を断定するまでほぼ1週間かかりました。原因物質とされるヘキサメチレンテトラミンは健康に深刻な影響を与える物質ではなく、排出規制も緩い(以上、読売新聞記事より)のですが、注目すべきはPRTR対象物質(第1種指定化学物質 化管法政令番号:1-258)であることです。
(2)あなたの企業は対応できますか?
あなたの企業ではこの様な火災・災害に対する緊急事態を想定してその対応の手順書を作成し、それらの訓練を行っていますか。また、このような火災・災害が起きないような未然防止の対策を何か行っていますか。環境関連法規等は遵守していますか。化学物質対策は万全でしょうか。
エコアクション21(EA21)では全体で13の要求事項がありますが、「緊急事態対応の要求事項」として、「環境上の事故及び緊急事態を想定し、その対応策を定め、定期的に試行するとともに訓練を実施する。事故や緊急事態の発生後及び試行の実施後に、対応策の有効性を検証し、必要に応じて改訂する。」とされており、「事故や天災等により、油の流出、化学物質流出等の環境上の緊急事態」「自らの事業活動において、環境に重大な影響を及ぼすどのような事故及び緊急事態が発生するかその可能性を想定し、汚染等が最小限の範囲で済むよう、あらかじめ緊急事態への対応策を定め、準備しておく。」等リスク管理を求めています。
事故や災害、想定外の事態は必ず発生します。環境リスクを把握評価し、大事にならないよう未然に防止し、被害を軽減し、リスク発生による倒産は絶対に避けましょう。
(3)エコアクション21の特徴を活かそう
EA21環境経営システムマネジメントでは、資源・エネルギーの削減の他、化学物質の削減を要求項目としており、システムの構築・運用状況は第三者であるEA21審査人が審査します。したがって、省エネ、生産性の向上による電力削減、化学物質の適正な使用及び管理等が図れ、経営に寄与します。
“EA21審査人は、審査時に積極的に指導・助言しなければならない。”を活かしましょう。
(4)エコアクション21は経営ツールです
EA21に取組み、“自然・社会と共生”し、“リスク管理・対応”で企業の危機を回避し、節電・省エネ・本来業務の改善などで“環境・地域に貢献”し、結果として、あなたの企業を発展させましょう!!
(エコアクション21 審査人 古谷 長藏)
(注) 北九州テクノサポート通信 瓦版(エコアクション21だより) 第7号投稿記事
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