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南大東の豊年祭 [2015年09月27日(Sun)]
150927_daito.jpg 南大東島にヤシガニの調査に出かけていたのですが、ちょうど豊年祭でした。豊年祭を狙っていた訳ではなく、むしろ、何かと調査がやりにくいなぁと思ったくらいなので、豊年祭に参加するための飛行機や宿が手配できなかった方々には大変申し訳ないです(航空券、倍の値段でも買う人いるはずよと言われた)。こういうのに当たってしまうのも、何かの巡り合わせなのかもしれません。
 南大東の豊年祭は、山車や神輿などが集落を練り歩くもので、噂通り内地の祭りのようで、改めてこの島のルーツを感じるものでした。翌日には奉納相撲があるのでそっちも見たかったのですが、ヤシガニ調査がまったく芳しくなかった(とにかく捕れない、というか、見もしない)ので、日中もいそうなところの下見や洞窟の現況視察に明け暮れていたため、余裕がまったくありませんでした。結局、調査は大惨敗に終わってしまったので、それなら見とけば良かったと残念に思いました。
テルモスバエナが危機 [2010年12月23日(Thu)]
 2010年12月19〜20日の日程で、南大東島に行っていました。
 目的は、テルモスバエナの近況を調査するためです。
 最近、テルモスバエナのタイプ産地の洞窟に、大雨で近くの貯水池からティラピアなどが入り込んでしまったという報告が、島まるごと館の東さんからありました。その洞窟は、昨年新種記載されたテルモスバエナのタイプ産地なのです。かなりショッキングなことでしたので、北九州市立 いのちのたび博物館の下村さんと、緊急調査を行なうことになったのです。 現場の洞窟のすぐ側には最近できた貯水池がありますが、なんと、水量が増えたときにオーバーフローする水が洞窟内に排水されるように設計されていたのです。驚きの設計です。




 とりあえず洞窟に入って見渡すと、ティラピア類のものと思われる屍骸がいくつか見つかりました。鍾乳石の間に横たわる屍骸。相当な違和感です。ただごとではありませんね。
 今回は1日(1泊)しか滞在できなかったのですが、たったそれだけの間にもティラピア類とフナ(ギンブナか?)を捕獲できました。捕獲した魚は解剖して、胃と消化管の内容物を調べるために全摘出しました。後に顕微鏡下で観察したいと思います。テルモスバエナでてきたらショックだなぁ。




 魚は結構採取できたのですが、テルモスバエナが見つかりません。例年、今の時期は個体数も多い時なのに今回は結局1個体も採集できませんでした。他のテルモスバエナがいる洞窟では複数個体がとれたのでやはりなんらかの影響があるのかもしれません。
 テルモスバエナは、南大東島の固有種で、今のところ限られた洞窟地下水でしか確認されていません。「高次ランク(絶滅危惧 I 類とか)」に含むべき状態ですが、新種記載がごく最近ということもあって、環境省や沖縄県のレッドデータブックにも掲載されていないのです。もっとも、レッドデータブックに掲載されたところで、何か対策が進むわけでもないでしょうが。とにかくそういう状態なので、有効な対策が打てない状況です(調査にも援助がないまま、自分たちでやらないといけない状況だし....)。今流入してしまっている魚を取り除くのも根気のいる難しい作業になるでしょうし、また台風や大雨で同じように洞窟への流入が続くことが予想されるので、なかり厳しい状況であるといわざるをえません。この洞窟地下水には、環境省や沖縄県のレッドデータブックで高次にランクされているドウクツヌマエビオハグロッテッポウエビが生息していますが、それらへの影響も心配です。いったい誰が対応するのでしょうか?また僕らがやるのか? 最近いろんな人が「保全、保全」言ってるけど、沖縄の自然、何ら守られていない!
南大東カニある記2010 [2010年12月21日(Tue)]
 2010年12月19〜20日の日程で、南大東島に行っていました。 南大東島は、2009年の7月以来です。今回は、かなりシリアスな問題に立ち向かうために訪島したのですが、せっかく南大東にいったので、とりあえず昼飯で大東そばと大東寿司は食べておく必要があるでしょう。やっぱり旨いです。
 今回、島で食堂に3回行きましたが、すべて同じ店にいきました。日曜日だったので、お店が結構閉まっていたのです。また、新たに飯処が出来ていたので行ってみたのですが、入れませんでした。

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
「2名です。」
「もうしわけありません。いっぱいですね。」

というやりとり。3〜4名が座れる席は空いていましたが、2人じゃ駄目なんですね。

沖縄に長く住むと、こういうやりとりも微笑ましくて良いのですが、今回は店が閉まりまくっている状況だったので、おいおいカップラーメンかぁ?と少しあせりました。まぁでも、おかげで「大東そば」での「バイキング」というとても素晴らしいメニューに出会えたので良かったです。そっちの写真は撮るの忘れた.....
南大東カニある記2009:(その5) 七夕 [2009年09月19日(Sat)]
 随分前になりますが、2009年7月4〜6日の日程で南大東島に行ってきました。南大東カニある記2009では、そこで出会った生き物、風景、思ったことなどを綴っていきます。

 今回の最後のカニある記は、帰りの空港でのひとコマです。調査を無事に終え、沖縄島への帰路についたのは2009年7月6日で、ちょうど七夕の前でした。空港にはJALグループが用意した笹があり、短冊に願い事を書いて飾るようになっていました。粋な計らいですね。Davidは当然七夕まつりのことを知らないので、たどたどしく説明し、「エビがもっと穫れるように」短冊に願いを書いてもらいました。
 後でJALの解説を読むと、この短冊は仙台に運ばれ、「仙台七夕」の最終日の8月8日夕方に「大崎八幡宮」に祈願奉納されたようです。8月中旬以降の調査で良い成果がでましたが、このおかげかもしれません。
南大東カニある記2009:(その4)星野洞&大池のオヒルギ群落 [2009年09月17日(Thu)]
 随分前になりますが、2009年7月4〜6日の日程で南大東島に行ってきました。南大東カニある記2009では、そこで出会った生き物、風景、思ったことなどを綴っていきます。

 今回の訪島は洞穴地下水域のエビ類の採集が目的ですが、せっかくアメリカからDavidが来ているということで、時間をみつけては観光スポットに連れていきました。
 とりあえず洞穴つながりということで星野洞に行きました。ここの洞穴は大規模なプールは無いのでエビはいないと思いますが、鍾乳石などがとても見事で、一見の価値があります。いつもはせまい洞穴ばかりに行っていたので、Davidも感嘆の声をあげていました。



 星野洞は、観光洞として整備してあって、歩道や音声ガイドもあります。入洞料は大人800円と少し高めですが、かなり美しいこともあって、僕はすでに3回行っています。いつも思うのですが、歩道が整備される前の様子を一度見てみたかったです。多分、かつての洞穴研究の方々も、ライトに照らされた世界に思わず声をあげたことでしょう。






 続いては、大池のオヒルギ群落にやってきました。南大東島にはたくさんの湖沼がありますが、その中で一番大きいのが「大池」です。大池の周辺には、マングローブ植物であるオヒルギが生えています。沖縄の島々では、河口のマングローブ域にはたいていオヒルギが生えているので珍しい物ではありませんが、ここのオヒルギの価値は生えている場所にあります。おそらく南大東島がまだ環礁だったころに生えていたものが、サンゴ礁の発達と隆起によって内陸部に取り残されてしまったものだということで、その貴重さからこの群落は国の天然記念物に指定されています。



 遊歩道を通って高密度に生えているオヒルギ林を抜けると、大池を見渡せるデッキに出ます。ここのデッキの付近では、オヒルギの全体をゆっくり見ることができます。この日はとても天気が良く、オヒルギの緑が美しかったです。







 胎生芽もたくさんありました。まわりをみると、胎生芽が成長したばかりの小木もたくさん見かけました。他のマングローブ域だと、オヒルギ林内には通常オキナワアナジャコの塚があり、陸地化が進んでいる場所が見られます。ここではそのような景観もなく、細々とした幹のオヒルギが密に生育していて、少し異様な感じでした。
 ところで、大池は西と東に海とつながる水路があったハズですが、そこから胎生芽などが海に流れ出ることもあるのかな?
南大東カニある記2009:(その3)フェリーが来た! [2009年09月15日(Tue)]
 随分前になりますが、2009年7月4〜6日の日程で南大東島に行ってきました。南大東カニある記2009では、そこで出会った生き物、風景、思ったことなどを綴っていきます。

 南大東島は、島の周囲を切り立った岩礁がとりかこむ絶海の孤島です。飛行機が毎日飛んできているものの、生活物資の多くは船による輸送にたよるしかありません。那覇と南北大東島は約400km離れていますが、定期航路があって半日ほどかけて行き来しています。船は風や波の状態によって島のどこに接岸するのかわかりませんが、今回の滞在中には、ちょうど調査地の洞穴に近い港にフェリーが接岸していました。僕自身は接岸の様子を見るのは初めてではないのですが、同行したDavidは初めてだったので、休憩がてら様子をみることにしました。




 大東では港の位置が高いこともあって、カーフェリーのように荷物を積み降ろしすることができないため、荷物(乗船客までも!)はクレーンでつり上げられます。この様子は島の名物でもあります。どこから聞きつけたのか、観光客や島の人までも集まってきて、その様子を眺めていました。たまたま島の知り合いがいたので、雑談をしながら荷物の積み降ろしを眺めていました。観光客の中には、崖の上に仁王立ちして、ずっと写真を撮っている人もいました。知り合いの話によると2時間近くも同じ場所で粘っていたそうです。




 そしていよいよ「人」がカゴに乗せられ、クレーンで船に運ばれていきます。これを体験したいがためにわざわざ船を利用する観光客もいるそうです。ぼんやり眺めていたDavidもこれにはかなり興味をもったようで、写真や動画をしきりに撮影していました。この作業が終わると見物人達は次々と港を去っていきました。僕らも次の洞穴へ向かいました。
 いつかは僕もこれを体験したいと思っているのですが、時間的な余裕がない今ではなかなか叶いそうにありません。
南大東カニある記2009:その2 調査 [2009年07月07日(Tue)]
 2009年7月4日〜7月6日は、南大東島に行ってきました。洞穴地下水域に生息するエビ類の採集が目的でした。
 現在、アメリカからDavidという博士課程の学生が来ていて、琉球列島の地下水性エビ類の集団遺伝学的研究を行います。共同研究ということで、これから島々をまわります。






 Davidは、あまりフィールド慣れしていないようで、夜には疲れているようでしたが、南大東には美しい鍾乳洞が多いので、とても楽しんでくれていました。
 どんな成果ができるのか今から楽しみです。
南大東カニある記2009:その1 [2009年03月08日(Sun)]

 2009年3月7〜8日で南大東島に行ってきました。「南大東カニある記2009」では、そこで出会った生き物、風景、思ったことなどを綴っていきます。
 
 さて、今回はとても駆け足で南大東に行ったわけですが、今回の目的はヤシガニの聞き取り調査でした。幸運にも、島の生き字引と言われる菊池章さんに約1時間もヤシガニのことだけを聞き取ることができました。この聞き取りはものスゴかった。ヤシガニ研究の本当に最新知見の部分を、自信の経験からすでに知っていました。聞き取りながらゾクッとすらしました。一緒に行った「島まるごと館」の東さんもひょっとすると僕以上に興奮していたのではないでしょうか。夜は、一転、島の若い人たち(僕と同世代くらい)からも聞き取り調査を行うことができました。最近の島内のヤシガニの現状などを詳しく知ることが出来ました。飲みながらですが、僕も研究成果をパソコンで紹介したりして、かなり密に話ができました。夏には色々案内してくれるという話にもなり、今後の発展が期待できます。
 それにしても、昨年から始めた沖縄の島々でのヤシガニの聞き取り調査、研究に繋がりそうな興味深い話が沢山あって、面白過ぎです。ハマってしまいました。

 もちろん、テルモスバエナについても少しだけ調べてきました。昨年の2月には全く採集できなかったのに、今年はまだ沢山採集できています。でも抱卵個体は見つかりません。今後、このテルモスバエナのモニタリング調査を、島の子供達とできないかということで、「島まるごと館」の東さんと打ち合わせを行いました。テルモスバエナについてはまだ何も分かってしませんので、今後も新しい発見が連続するするはずです。ぜひ、その瞬間を島の子供達や島の大人達と分かち合いたいと思います。絶滅危惧種に指定したりするのも大切ですが、本質的にはきっとこうゆうことが「保護・保全」に繋がって行くのだと思います。また、ついでに絶滅危惧種のオハグロテッポウエビドウクツヌマエビなどの地下水性エビ類についてもモニタリングできたらといいなという話にもなりました。これまで無視されがちだった「小さな生き物」に少しずつですが、光があたりはじめているような気がします。暗いところにすんでいるのにな.....
ボロジノニシキソウ [2009年01月28日(Wed)]
 ちょっと前のことですが、2009年1月4-5日に調査で南大東島に出かけていました。
 初日は海岸を見ながら昼食をとりました。岩礁に打ち寄せる荒波を見ていたら、ボロジノニシキソウに花が咲いているのをに気がつきました。ちょっと調べてみたら、このボロジノニシキソウは、日本では大東諸島でのみ見られるそうで、大東諸島以外ではマリアナ諸島やオーストラリアに分布しているとのこと。




 花を良く見ていると、そこかしこでアリの一種がちょこまかと動いていて、どうやら花の蜜を吸いに(?)きているような感じでした。
 近くではアツバクコの花が咲いていて、赤い実がなっているのも見られました。
 ここ最近は南大東に行く機会も増えましたが、まだあまり他の自然に目を向ける時間がとれていません。基本的に調査なので仕方ないですが、島の自然を幅広く知る事も重要なことだと思います。
テルモスバエナ [2008年12月11日(Thu)]
 昨日の夕刊に、南大東島で発見されたテルモスバエナ目の新種の記事が掲載されました。
沖縄タイムスの夕刊一面トップで驚いてしまいました。宮古島市長の辞任よりも大きく扱うのはどうかと思わなくはないですが、2mm程度の小さな生き物がこれほどまでに取り上げられることはそうそう無いと思うので、嬉しい限りです。

 このテルモスバエナ目の新種については、かつてこのブログでも紹介しましたので、ご一読ください。

 また、今月にはWWFの援助によってテルモスバエナの再調査を行うことになっています。今回の発見はWWFのHPのほうでも紹介されています。

 まずは速報まで。夕刊の記事を見て、メールを送ってくれた皆さん、ありがとうございます。
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