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大浦甲殻類調査 [2009年06月29日(Mon)]
 2009年6月18〜25日の日程で、大浦湾の十脚甲殻類相(エビ・カニ類)調査を行いました。正式な研究プロジェクト名は、「沖縄島の大浦湾および金武湾における十脚甲殻類相の解明」で、WWF Japanによる「南西諸島生物多様性評価プロジェクト」の現地調査の研究援助を受けて行われました。

 調査内容を簡単に言うと、「大浦湾と金武湾のエビ・カニ類を採集しまくって、種同定をして(名前をつけて)、カタログを作ってしまおう」というプロジェクトです。国内の若手分類学者5名が集結し、様々な採集手法を用いて網羅的にエビ・カニ類を採集しました。これまで、沖縄の十脚甲殻類相に関する研究というと、個人でコツコツ集めて、少しずつ論文化するようなものが多く、なかなか進展しませんでした。今回は、ある意味同業者が恊働して徹底的に調べるというもので、沖縄では意外と過去にはほとんど行われていない試みのような気がしています。



 当初の予定では、大浦・金武湾ともに同程度の調査を行う予定でしたが、最終的には、大浦湾に照準を会わせた調査となりました。大浦は、1)湾の規模が丁度良いこと、2)河川河口域〜潮間帯〜水深60m程度の場所まで様々な微環境が存在すること、3)これまでほとんど研究がなされていないこと、などの理由から、短期間の調査で良い成果が挙げられるであろうということになりました。大浦湾と言うと、すぐに辺野古周辺の基地問題の話になってしまいがちですが、今回はそうした政治的問題とはできる限り無関係に行いたいと思っていましたので、調査が終わるまではかなり気をつかいました。無事調査期間を終えてホッとしています。



 調査は、基本的に5名の研究者で行いましたが、随時ダイバーや学生さんなどがヘルプに来てくれて、エビ・カニ類の発見に協力していただきました。今夏の調査メンバーは国内でも屈指の採集能力を持つ研究者達だとは思いますが、この5名の他にも素晴らしい「眼」を持つ方が加わると、それだけ新しい発見が増えますよね。おかげさまで、とても効率的な調査ができたと思います。ダイビング調査では、安全面からもイントラの方々の参加は大変助かりました。調査に協力してくださった皆様、ありがとうございました!





日中の採集が終わると、実験所に戻って写真撮影と標本作製を行いました。今回の調査で採集した十脚甲殻類については、全種の写真を撮影しました。毎日夜中までシャッターを切り続けました。学生の合宿のような雰囲気でした。今回集まった写真だけでも数百種分があるので、既存のエビ・カニ図鑑の掲載種数を上まっていると思います。とりあえず、大浦湾産十脚甲殻類のかっこいいポスターを若干数作ろうと思っています。さらに予算がとれたら、将来的には図鑑とかカタログなんかも作りたいな〜(スポンサー募集!)。
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