南大東カニある記2009:その1 [2009年03月08日(Sun)]
2009年3月7〜8日で南大東島に行ってきました。「南大東カニある記2009」では、そこで出会った生き物、風景、思ったことなどを綴っていきます。 さて、今回はとても駆け足で南大東に行ったわけですが、今回の目的はヤシガニの聞き取り調査でした。幸運にも、島の生き字引と言われる菊池章さんに約1時間もヤシガニのことだけを聞き取ることができました。この聞き取りはものスゴかった。ヤシガニ研究の本当に最新知見の部分を、自信の経験からすでに知っていました。聞き取りながらゾクッとすらしました。一緒に行った「島まるごと館」の東さんもひょっとすると僕以上に興奮していたのではないでしょうか。夜は、一転、島の若い人たち(僕と同世代くらい)からも聞き取り調査を行うことができました。最近の島内のヤシガニの現状などを詳しく知ることが出来ました。飲みながらですが、僕も研究成果をパソコンで紹介したりして、かなり密に話ができました。夏には色々案内してくれるという話にもなり、今後の発展が期待できます。 それにしても、昨年から始めた沖縄の島々でのヤシガニの聞き取り調査、研究に繋がりそうな興味深い話が沢山あって、面白過ぎです。ハマってしまいました。 もちろん、テルモスバエナについても少しだけ調べてきました。昨年の2月には全く採集できなかったのに、今年はまだ沢山採集できています。でも抱卵個体は見つかりません。今後、このテルモスバエナのモニタリング調査を、島の子供達とできないかということで、「島まるごと館」の東さんと打ち合わせを行いました。テルモスバエナについてはまだ何も分かってしませんので、今後も新しい発見が連続するするはずです。ぜひ、その瞬間を島の子供達や島の大人達と分かち合いたいと思います。絶滅危惧種に指定したりするのも大切ですが、本質的にはきっとこうゆうことが「保護・保全」に繋がって行くのだと思います。また、ついでに絶滅危惧種のオハグロテッポウエビやドウクツヌマエビなどの地下水性エビ類についてもモニタリングできたらといいなという話にもなりました。これまで無視されがちだった「小さな生き物」に少しずつですが、光があたりはじめているような気がします。暗いところにすんでいるのにな..... |