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コマチガニ属の一種 [2008年10月13日(Mon)]


 今回は、コマチガニ属の一種 Harrovia longipes Lanchester, 1900 を紹介します。本種は、甲幅2cm程度の小型のカニ類で、ウミシダ類に共生しています。日本からは、2003年に沖縄島産の標本を基にして初めて記録されました。実は沖縄で最も見つけ易いウミシダ共生性カニ類なのですが、宿主となるウミシダが夜行性であるせいか最近まで見つかっていませんでした。他のコマチガニ属とは、歩脚の長さや甲の僅かな形の違いなどで区別されています。残念ながらまだ和名はありません。いずれどこかで和名を考案したいと思っています。


 本種は、沖縄では主にヒトフシウミシダ属のウミシダ類に共生しています。ですので、宿主ウミシダが認識できるようになると、本種を簡単に見つけることができます(沖縄で見られるウミシダ類については、今後このブログで紹介して行く予定です)。
 生時には、宿主ウミシダの背面などにいるのが良くみられます。本種のはさみ脚や歩脚にある斑点模様は、宿主の体色に良く似ています。また、甲には泥がかぶっていることが多いです。



<参考文献>
Fujita, Y., & Shokita, S., 2003. New record of a crinoid symbiont, Harrovia longipes Lanchester, 1900 (Decapoda: Brachyura: Pilumnidae: Eumedoninae) from Japan. Crustacean Research, 32: 98-102.
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