オキナワクダヒゲガニ [2008年10月14日(Tue)]
今回は、オキナワクダヒゲガニ Albunea okinawaensis Osawa & Fujita, 2007 を紹介します。本種は、異尾下目クダヒゲガニ科に属しています。異尾下目というのは、ヤドカリ類、コシオリエビ類、カニダマシ類スナホリガニ類などが含まれているグループです。 本種の体の形は、異尾類の中では一見、スナホリガニ類に似ているような感じですが、第1触覚がとても長いことや第1胸脚がはさみ状になることで簡単に見分ける事ができます。本種は、甲の長さが1.7cmほどで、眼や尾節の形態により近縁種と区別することができます。 本種は、金武湾の砂浜で採集された個体を基に新種記載されました。僕はそれまで沖縄でクダヒゲガニ類の成体を見た事はなかったのですが、金武湾のとなりの中城湾では、随分昔からクダヒゲガニ類の幼生が良く採集できていました。「きっとどこかにいるっ」と思って気にかけていたので、本種を得たときはとても嬉しかったことを記憶しています。 本種は、ほとんど情報が無いので、もし見かけた方はご一報いただけると幸いです。 <参考文献> Osawa, M., & Fujita, Y., 2007. Sand crabs of the genus Albunea (Crustacea: Decapoda: Anomura: Albuneidae) from the Ryukyu Islands, Southwestern Japan, with description of a new species. Species Diversity, 12: 127-140. |