
今回は、私の大好きな海底洞窟ものの極上の一品、イエジマガマガザミ
Catoptrus iejima Fujita & Naruse, 2011を紹介します。本種は、ガザミ(ワタリガニ)科ハイガザミ属に属する甲幅3.5cm程度のカニです。伊江島の海底洞窟から採集された1個体を基に新種記載されました。和名の「ガマ」とは沖縄方言で「穴(洞窟)」のことです。目が小さいことや、歩脚が細長いのも大きな特徴です。一見するとクメジマドウクツガザミ
Atoportunus dolichopus Takeda, 2003のようにも思えますが、はさみ脚や第4歩脚(遊泳脚)を見ればその違いは明らかです。現在のところ、伊江島のみで見つかっています。実は僕は生きた状態を見た事がないので、いつか見てみたいと思います。いやぁ、”穴”って本当にいいもんですね〜(水野晴郎風、そして意味深)。
<文献>
Fujita, Y., & Naruse, T., 2011.
Catoptrus iejima, a new species of cavernicolous swimming crab (Crustacea: Brachyura: Portunidae) from a submarine cave at Ie Island, Ryukyu Islands, Japan. Zootaxa, 2918: 29-38.