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ドウクツヌマエビ [2008年08月12日(Tue)]


 今回は、地下水域に生息するドウクツヌマエビ Antecaridina lauensis (Edmondson, 1935) を紹介します。
 ドウクツヌマエビは、ヌマエビ科ムカシヌマエビ属に属しています。陸封潮溜りや地下水域に生息しています。眼が退化的であったり、赤い体色をしていたり、地下水や洞穴域に生息する生物の特徴をよく表しています。また、額角が眼の先端部を超えて第1触角の第2節に達すること、顎脚と胸脚に外肢があること,の点で他のヌマエビ類と区別することができます。


 
 本種は、インド-西太平洋の広範囲に飛び石状に分布することが知られています。国内では、標本を基にした記録としては、沖縄の南大東島、宮古島、伊良部島、多良間島、黒島、石垣島、そして小笠原諸島の西ノ島から発見されています。さらに、最近の僕の調査によって与那国島からも採集し、報告論文を準備中です。生物地理的に興味深い種ですが、繁殖期や幼生など、詳しい生態はほとんど何も分かっていません。
 本種は、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)に,沖縄県版では絶滅危惧IB類(EN)に、水産庁では危急種に、それぞれ該当しています。


<参考文献>
藤田喜久, 2007. 宮古の湧水に生息する十脚甲殻類. 平良市総合博物館紀要, 11: 89-110.
藤田喜久・砂川博秋, 2008 . 多良間島の洞穴性および陸性十脚甲殻類. 宮古島市総合博物館紀要, 12: 53-80.
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