海洋グループが担当するセミナーが下記の通りに開催されます。
つい先日もワシントン条約締約国会議で大西洋と地中海のマグロが規制対象になるかならいか?が大きなニュースになりましたが、マグロにだけ目を向けていればいいのか?世界の魚資源の現状はどうなっているのか?など、実は知っているようで知らないこと、分かっているようで分からないことが沢山あります。
そんな魚資源の現状について、第一人者の一人であり、「
魚のいない海」の著者であるフィリップ・キュリー氏をフランスよりお招きしお話を伺うセミナーです。
みなさん奮ってご参加下さい。
<日本財団セミナー「魚のいない海〜次世代に海を引き継ぐために〜」>■趣旨
「海から魚が消える・・・」
日本人は世界でも魚をよく食べる国民です。私たちの国はその需要を支えるため、国内生産と同量の年間約600万トンもの魚を国外から輸入し、世界約40カ
国と漁業協定を結ぶ事によって遠く離れた海から魚資源を獲得しています。しかし、その世界中の魚資源の現状について私たちはどのくらい理解しているのでしょうか?もし本当に世界で魚が減っているのであれば、それは私たち日本人にもその責任があるのではないでしょうか?私たち日本人を含め世界の人々が、次世代にこの資源を引き継ぐ事が出来ないとしたら、これは重大な問題であります。
日本財団は、『次世代に海を引き継ぐ』事業の一環として、2009年よりシンポジウム、セミナーなどを通してこの魚資源の問題に関わってきました。国境のない海において魚の資源管理は一国だけの努力ではなく、国際的な連携による取り組みが求められています。その中で魚の消費大国に住む私たちが世界にアンテナを張り巡らせて、正しく現状を理解することが問題解決の第一歩だと考えています。
魚の問題は国際的な問題であると同時に、一般家庭の食卓を守るという身近な問題でもあります。海を守り、私たちの食卓を守る、そして次世代に豊かな海を引き継ぐために、食べるべきか、それとも、食べざるべきか、食べ続けたいなら知っておくべき世界の魚資源の事実を把握していただき、今後、どのような行動をとっていくのかを考える契機となれば幸いです。
■日時: 2010年4月22日(木) 14:30−16:50
■場所: 日本財団ビ ル 1F「バウルーム」(東京都港区赤坂1−2−2)(
地図)
■主催: 日本財団
■協力:
東京大学海洋アライアンス、
笹川日仏財団 ■参加登録はこちら:
https://fs220.xbit.jp/t626/form2/■プログラム
司会 坂本咲子 (予定)
14:30−14:35 セミナー開催にあたって(日本財団)
14:35?16:15 講演
フィリップ・キュリー 地中海および熱帯地域の漁業研究センター(所長)
八木 信行
東京大学大学院農学生命 科学研究科(特任准教授)
16:15−16:50 質疑応答
■発表者の紹介
*Philippe Cury (フィリップ・キュリー)*
フランス・セートの地中海および熱帯地域の漁業研究センター所長、および、仏外務省開発研究局(IRD)の所長。専門は漁業の生態系アプローチ。これま
で、セネガル、コートジボワール、ガーナ、南アフリカ等において、気候変動が漁業に及ぼす影響、漁業に対する生態系アプローチの適用方法等についての研究
活動を行ってきた。これらの研究活動を通して、8冊の書籍、110以上の国際的な学術誌への記事の掲載に加え、国内および海外の3つの名誉ある学術賞
(1991年度フィリップモリス科学大賞の生命科学部門、1995年度フランス海洋学部門、2002年度ギルクリスト大賞)を受賞した。本セミナーのタイ
トルである「
魚のいない海」(2009年 NTT出版刊)を執筆。
*八木信行(やぎのぶゆき)*
東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授。農学博士。専門は漁業経済学・海洋環境政策論。これまで、貿易と環境について、日本の輸出需要の増加が外国での過剰漁業を引き起こすメカニズ
ムの解明などについての研究活動を行ってきた。現在は、日本や世界における伝統的な沿岸自然環境保全の取組や、各国における漁業管理制度の差異とその効果
などの研究に力を入れている。OECD(経済協力開発機構)水産委員会や世界銀行プロフィッシュ計画など、国際的な組織の運営や研究の推進などにも貢献。
日本水産学会水産政策委員。漁業経済学会理事。
以上