企業のための社会活動セミナー2006
― 企業も地域も元気にするCSRのあり方とは ―第三部は、
フリートーク
「地域でのCSR展開のあり方とは」
(参加者とともにフリップを使用して議論します)ということで、九州エリアの企業の方、NPOの方、行政の方から、
◆企業の方
@CSRでこういう工夫、努力をしています。
ACSRでこんなことで苦労しています。課題です。
◆NPO、行政の方へ
@企業に○○という提案があります。
ANPOとしての運営上の工夫。行政としての施策上の工夫。というテーマでフリップディスカッションを行いました!
ディスカッションの内容はこちらをご覧ください!
【レポート】■参加者からの発表
○九州電力
@全社員へCSR報告書説明会を実施している
@1万3千人の社員全員に2時間の説明会を実施
Aサプライチェーン、CSR調達、原料を輸入する会社としてどんな取り組みが必要か?
A九州電力だけで取り組めるのか?
Aステークホルダーとのエンゲージメント
○TOTO
@ステークホルダーが求めている情報を伝えること、また実施すること
Aステークホルダーに理解してもらいやすいものを提供すること
○三菱商事
@コミュニケーション(社内外)の推進
@オフィス関連のモニタリング(紙、ゴミ、電気)
@サステナビリティレポートを営業活動時などに手渡しで配布
AEMS活動の行き詰まり(トップからはさらなる推進を求められるが、現場はもう限界という雰囲気)
AEMS担当者のモチベーションの維持
AEMS対象商品、担当者の選択肢が少なくマンネリ化
A片手間で取り組めばいいという社員の意識
○川北さんから
・中部リコー販売の事例紹介
・ゴミ分別ソムリエ制度
・会社に言われたから本業の合間にEMSに取り組むという段階だと社員もつらい
・どうやって本業に落とし込むかが、取り組みの質と社員のモチベーションを変えるポイント
○日本製紙
@プロジェクトチームで取り組んでいる
@立場に関係ない横のつながりがつくれるような工夫
@立場に関係なく多くの人が関われるように
A継続できる仕組みと体制づくり
・9万ヘクタールの私有林を保有
・国内の森林は製紙業への活用は難しいので、社会貢献活動への利用を進めている
・原料チップとしての植林は海外で
○NPO法人黒浜沼周辺の自然を大切にする会
○大学教員
@使い捨ての労働者ではなく、人づくり、人材育成のための教育の提供
@大連に進出している日本企業を対象とした、現地女性労働者の実態調査
○川北さんから
・人づくりに適した国はどこか?という視点で海外進出先を選ぶ動きも出始めている
○JICA九州
@JICAは現職参加制度の推進、人件費の補填制度を行っているので、これを社員研修として積極的に活用してほしい
A協力隊員などの経験者特別採用、帰国後のモニタリングを行っている
・JICAでCSRという言葉を聞くことは少ない
・企業とのつながりより大学や行政との連携が中心
・JICAで働いていると海外に目が向きがちだが、国内にももっと目を向けていきたい
○川北さんから
・欧米では現職参加制度がさかん
・途上国の法律作り支援のために現職で派遣することで、自分たちが進出しやすい基盤を法律レベルから整備してしまう
・国策として、国も企業も一丸となって取り組んでいる
○アートサポート福岡
@芸術文化を通じて教育分野で社会貢献をする
A組織内に留まらず、いろいろな人とのネットワークを活用したプロジェクト推進をしている
・芸術を趣味から社会で力を発揮する環境づくりに取り組む
・アートマネジメント、芸術政策の提案
・子どもを取り巻く環境の問題への取り組み
・これまでの企業との接点は資金調達先として
・お金以外で協力できることはないか、お金が不足したから頂戴ではなく関係作りが先ではないか、と逆に企業から言われてしまった
・企業のことが一番分かっていないので、もっと勉強しなければ
○川北さんから
・子どもに起業、商品提案をさせてみようという取り組み
・新製品の開発を子どもたちと一緒にやっていこうという動き
○九州経済産業局
・平成13年からコミュニティビジネスの推進
・九州は5年前から人口減少中
・出生率の減少ではなく社会減が著しい
・中間支援組織のための人材育成予算
・CANPAN CSRプラスの話しが聞きたくて参加!(ありがとうございます(笑))
・自治体向けコミュニティビジネスセミナーを九州の全自治体280団体対象に実施
@CSR活動の一環として、NPOと組んで事業をやりませんか(寄付、助成ではなく)
Aコミュニティビジネスの中間支援組織強化の一環として、企業、自治体、NPOが共通の場に立つ支援
○川北さんから
・非本業と本業、単発的と継続的という2軸でCSRをみる
・これまでのCSRは、非本業・単発的な社会貢献が中心だった
・これからのCSRは本業・継続的な取り組みに力を入れていく
・コミュニティビジネスが生き残れない最大の理由は、継続的にお客さんを獲得できないから
・デンソーは、コミュニティビジネスの商品について、PDCAのCとAを企業としてサポート
○福岡市
・福岡市でコミュニティビジネスに取り組む団体は約50団体
・コミュニティビジネス支援の中間支援組織が少ない
・定年退職する団塊世代のノウハウ
・回収した古紙が中国に輸出されてた例があり、なんとかもっといい循環を地域で実現したい
@地域課題を解決しているNPOやコミュニティビジネス事業者と協働で事業をやりませんか
A市の企画でNPOと共働する機会を提供
○川北さんから
・松下電器は作業所と連携し、社内から出る古紙の回収から再生したトイレットペーパーの納品までを一貫として取り組んだ。
○古賀さんから
・「企業も地域も元気にする」がキーワード
・福岡エリアでも、消費者、生活者としての視点でCSRが捉えられる機会が増えてきた
・一方で、CSRをマニュアル化する動きもあるのは少し懸念
・企業とはいうものの、多くの社員は地域住民でもある
■質疑応答
・次につながるように議事録的なものあるいは参加者名簿的なものを作成してほしい
・北九州市からの要請がきっかけで、金具作成を第三セクター(障害者多数雇用)に委託(TOTOの事例)
・障害者との関連においては、慰め的に委託するのではなく、本業が彼らの作業を期待、依存している状態を作り上げることが重要
・CANPANの名前の由来は?
・なぜ評価項目は48項目なのか?
以上
【企業のための社会活動セミナー2006 プログラム】企業のための社会活動セミナー2006
― 企業も地域も元気にするCSRのあり方とは ― 1980年代後半から90年代前半のバブル経済期、日本企業は、主に文化芸術分野を対象に支援する「メセナ」が盛んとなったが、その後、福祉・環境・まちづくり等、多様な分野を対象とした「フィランソロピー(社会貢献)」も活発化してきました。
近年では、企業への信頼を揺るがす不祥事が相次ぐ中、環境・福祉・人権等といった多角的な視点から、企業も社会を構成する市民としての社会的責任を果たそうとする「CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)」への関心が高まっています。
さらに、企業のみならず、学校や労組、生協やNPOなど、「あらゆる組織の社会責任」に関するガイドラインとなる「ISO26000」の2008年発効に向けて準備が進められる今、地域の企業やあらゆる団体が、社会における責任を再確認し、持続可能な発展に向けた取り組みが、ますます求められているところです。
地域に根ざした企業や団体は、地域社会で求められる責任に、どう取り組むべきか。現状と今後の方向性について、ともに考えましょう。
■プログラム
◇第一部 話題提供
「地域における、CSR展開の現状と課題」
〜 地域社会で求められる責任に、どう取り組むべきか〜
◇第二部
「
CANPAN CSRプラス」のご紹介
:企業と市民がCSRでコミュニケーションするためのウェブサイト「CSRプラス」の紹介
(運営:日本財団・11/2開設)
◇第三部 フリートーク
「地域でのCSR展開のあり方とは」
(参加者とともにフリップを使用して議論します)
* 話題提供者
川北秀人氏 [
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]]代表
荻上健太郎 日本財団情報グループCANPANチーム■日時
2006年12月22日 (金) 13:30〜17:00(受付開始13時)
■場所
「
福岡市人権啓発センター(ココロンセンター)」研修室
住所:〒812-0027 福岡市博多区下川端3-1 博多リバレインオフィス棟10F
■主催
特定非営利活動法人 ふくおかNPOセンター■共催
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]■協力
日本財団以上