【レポート】団体情報の開示入門ワークショップin茨城 [2007年10月27日(Sat)]
本日茨城県つくば市で開催されました「団体情報の開示入門ワークショップin茨城」のレポートをお送りします。
開催要項は→こちら 講座の中から私なりに気になった点をまとめておおくりします。 【レポート(団体情報の開示入門ワークショップin茨城)】 ■NPOの情報開示の現状 ・インターネットの普及により、広報の方法は激変した。特にコストの激減と手段の多様化。 ・発信される情報の量も激増したが、一方でNPOに集まる資金の量はあまり増えていないのはなぜか? ・量より質の問題。資金提供する側の知りたい情報を伝えられていない。 ・助成金の申請書でも、団体について上手に表現できている団体とそうでない団体の差が大きい。 ・上手に表現できる団体の方が段取り力が高いと評価されやすいのが現実。 ・多くの団体データベースが存在するが、死んでいる団体ベースも多く、登録させられる団体側にとってメリットがないことが多い。 ■団体基本情報シート ・NPOに資金提供する53助成機関の81助成申請書をもとに調査を実施。 ・団体情報について聞かれている項目には共通項目が多い事が判明。 ・多くの申請書で設定されている項目のうち、半数は過去実績に関するもの。 ・調査結果をもとに、資金提供者が求める基本的な団体情報を「団体基本情報シート」として作成した。 ・団体基本情報シートは記入するだけではだめ。開示して初めて意味がある。 ・情報開示を継続していくためには、いつ・誰が・どのように情報更新を行うのかを仕組みにすることも必要。 ・伝えたい相手によってどこに重点を置いて書くかを使い分けることが必要。 ・書きたいことを書くのではなく、読む側が知りたい情報は何かという視点が大切。 ※団体基本情報はIIHOEさんのブログからダウンロードできます。 IIHOEさんのブログ ■質疑応答 Q.運営体制の考え方は?有給、専従などの判断はどうすればよいか? A.申請する場合は申請先の考え方に合わせるこおも必要。有給とは源泉徴収の対象になる人のことと考えてもらうとよい。 Q.重複申請についてはどう判断されるのか? A.プラスとマイナスの両方の判断がある。NPO支援に積極的な助成機関は比較的プラスに判断する傾向がある。 Q.団体基本情報シートのうち、書き方に工夫が必要な項目はどれか? A.自由記述の欄は工夫が必要。工夫に黄金則はないが、一般的には簡潔な書き方の方がよい。また、キャッチフレーズやインパクト重視系の事業名等、他の人にはわからない言葉は補足を忘れずに。 Q.行政との連携と情報開示については? A.活動現場の様子が分かる、伝わりやすい写真と合わせ、ブログなどで即時性をもって発信しておくと、行政からの信頼を得られやすい。 Q.インターネットで出せば情報開示したことになるのか? A.開示したい相手にもよるが、インターネットの普及状況を考えると、機関誌等の印刷物よりもインターネットでの発信の方が効果的。特に、一般市民に対する到達度という点ではインターネットの活用は重要。 Q.インターネットによる情報開示が中心というが、インターネットでの情報開示では地元や高齢者などには伝わらないのでは? A.この講座における情報開示は「支援を得るための情報開示」。支援する側はインターネットで団体のことを調べるのが中心なので、「支援を得るため」にはインターネットでの情報開示が中心になる。ただし、情報開示そのものについては、伝えたい相手によって手段を使い分ける必要がある。 Q.インターネットが活用できない団体は不利になるということか?(CANPANに関して) A.審査ではインターネットだけで判断するわけではないので、必ずしも不利という訳ではない。また、ITリテラシーの低い団体に対しては、地域の中間支援組織がサポートするような連携の仕組みを検討している。 ■感想 団体メンバーに高齢者が多くインターネットの活用が難しい団体の抱える切実な悩みを実感する講座となりました。 私も全国各地を回っていますが、地方ではこのような団体が多いのが実感としてあります。でも、一方でIT格差が団体運営力格差になってきているのも現実ですね。 だからこそ、地方でも地域で支えることができる仕組みが必要だなぁと改めて思いました。 以上 |