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【レポート】協働推進ワークショップin岐阜「地域からはじめる、協働時代。」〜市民・NPO・自治体の「顔が見える関係」づくり〜(2009年1月28日開催) [2009年01月29日(Thu)]
昨日、岐阜県岐阜市で、地域の未来・志援センターさん、参画プラネットさん、岐阜市NPO・ボランティア協働推進センターさんの主催により、

協働推進ワークショップin岐阜
「地域からはじめる、協働時代。」〜市民・NPO・自治体の「顔が見える関係」づくり〜


が開催されました。

このワークショップには、61名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさま、どうもありがとうございました!

【一言】
実は、今回のワークショップは、開催前の打ち合わせで一悶着がありました。

詳しくは書きませんが、NPOと行政の関係性が問われるとても大事なやり取りでした。

そして、個人的には、「本気」ってことの意味を改めて考えさせられました。

「本気」だからこそ、

「ゆずれない一線は守る」
「相手の非ははっきりともの申す」
「ときには怒りをはっきりと示す」

うーん、でも、これができるっとすごいなぁ。


【レポート】
協働推進ワークショップin岐阜
「地域からはじめる、協働時代。」〜市民・NPO・自治体の「顔が見える関係」づくり〜


■事例報告「地域を拓く協働とは?」
柴田甫彦さん(長良川文化フォーラム

○協働について思うこと
・協働という言葉に対する疑問を感じる。
・行政は自分たちがゼニを出しているというようにふるまうが、そのゼニの源は国民の税金であり、行政に預けているだけ。
・行政は行政のしきたりや文化でしばろうとする。
・以前は市民は行政に文句を言っていたが、協働ということばが広がってからは、行政に協力することが多くなった。
・協働は、行政と市民がともに協力して働くこと、と考えているが、どうも、行政は汗をかかない印象が強い。

○長良川文化フォーラムについて
・岐阜市の3部署と関市の1部署が関わっている。
・民にできないことは官にお願いすると話が進むことも多い。
・例えば、他市と話をつけなければいけないようなことは、行政同市で話をしてもらうと早い。
・行政には行政のよさ、強みがある。それをもっと意識してほしい。
・民と関わるときには、行政内部の規則ではなく、別の規則で関わるようにすればもっとよいのに。
・できない理由を考えるのではなく、できる方法を考えてもらいたい。



■事例報告「地域を拓く協働とは?」
工藤茂さん(岐阜市市民参画政策課

・長良川の文化をテーマに事業を検討したが、実は、自分たちが長良川のことを全然知らないことが分かった。
・長良川の源流は3つある。地理上、宗教上、観光上の3つの源流。
・段取り、手続きなど行政の得意な部分は行政が担うなどの役割分担。
・関わっている行政職員は行政の看板だけでなく、一会員としての看板ももっていることで、縦割りを超えた関係性もつくれている。

■講義「協働から生まれるものとは?協働環境調査で見えてきたこと」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○今回のワークショップの開催経緯
・このワークショップは完全に民発で行われたもの。
・その民発の企画に官が相乗りするという経緯は全国的にも非常に珍しい。
・このワークショップそのものも官民協働のひとつ。

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・協働の本質は、お互いに異なる力(強み)を持つ者がその異なる力(強み)を持ち寄ること。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。
・協働が強制労働の略にならないように。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。岐阜県の成長率は1.29%(全国で22番目))(国の調査による発表)
・岐阜市の人口予測は、41万人(2005年)→33万人(2035年)へ減少し、65歳以上年齢の比率は21%(2005年)→33%(2035年)へ増加。(国立社会保障・人口問題研究所の予測から)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・東国原宮崎県知事も県内向けには「県民総力戦」と表現している。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・協働のcollaborationはco=共に、labor=働くという意味。
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・八王子市は、行政職員の研修も市民との協働で実施することを義務づけている。それは、職員が研修するのは、市民により良い行政サービスを提供するためだから。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。企業より安い下請け先、ボランティアだからタダで当然という感覚は×。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。



○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働は特定の部署や事業でしかできないことなのか?
・佐賀県の協働市場化テストや杉並区の民間サービス導入の事例など。
・協働できない事業は本当にないのか?

○行政がすべきこと
・行政は、全体の方針だけでなく、各課ごとの実施計画を立てることで取り組まなければいけない状況にする。
・行政とNPOが相互によく分からないという状態を打破するには、行政とNPOが出会う場をつくることも必要。偶然の出会いではなく必然の出会いの機会を増やす。
・事例:たねからみのり(静岡県浜松市)と協働市場(千葉県)、協働化テスト(佐賀県)。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。

■ワーク「協働を進めるためのQ&Aづくり」
○ワークの内容
・個人ワーク:A3用紙に、協働を始める、進める上で、左側半分には分からないこと、知りたいことを、右側半分には足りないこと、補いたいことを書き出す。
・グループワーク:個人ワークで書き出した内容を共有し、質問を10問まとめ、その回答を作成する。
・共有ワーク:各グループのQ&Aをみんなで共有する。

○川北さんからコメント
・NPO側の協働意識が低いのは、これまでの「おまかせ民主主義」のツケ。すぐには直らないが、徹底して事実と事例を伝えていくことが対策になる。
・市民に届く紹介をするには、市報なども効果的。
・また、新聞やマスメディアでの露出には、行政の声がけが効果あるので、このようなところでも協力のしようがある。
・行政のOB・OGがクレーマー市民になってしまう場合が多い。こうならないように。
・地域を耕すために、行政も市民も協働する。市民をお客様扱いしすぎるのも良くない。
・メンバーが少ない、固定することは、必ずしも悪いことではない。



■事例報告「協働を進める上での情報公開の重要性について」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■開催要項
開催要項はこちら

以上
【レポート】NPO協働ウォッチング/協働推進ワークショップin和歌山〜より良い協働のための環境づくりとは?!〜(2009年1月14日開催) [2009年01月15日(Thu)]
昨日、和歌山県和歌山市で、和歌山県NPOサポートセンターさん主催により、

NPO協働ウォッチング/協働推進ワークショップin和歌山
より良い協働のための環境づくりとは?!


が開催されました。

このワークショップには、35名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさま、どうもありがとうございました。

【一言】
今回のワークショップについて、みなさんにぜひ知っていただきたいことがあります。

それは・・・

完全に民発の企画ではじまったワークショップが、和歌山市とサポートセンターの連携により、市の研修としても位置づけられた。

ということです。

こういうことは全国的にもとても珍しいことですが、これぞ、まさに協働ですよね!



【レポート】
■講義「協働をより効果的にすすめるために」〜全国協働環境調査からみる、協働の意義&必要な環境〜」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○今回のワークショップの開催経緯
・このワークショップは完全に民発で行われたもの。
・その民発の企画に官が相乗りするという経緯は全国的にも非常に珍しい。
・このワークショップそのものも官民協働のひとつ。

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・協働の本質は、お互いに異なる力(強み)を持つ者がその異なる力(強み)を持ち寄ること。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。和歌山県の成長率は-0.49%(最下位(全国で唯一のマイナス成長))(国の調査による発表)
・和歌山市の人口予測は、37.5万人(2005年)→26.9万人(2035年)へ減少し、65歳以上年齢の比率は22%(2005年)→36.8%(2035年)へ増加。(国立社会保障・人口問題研究所の予測から)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・東国原宮崎県知事も県内向けには「県民総力戦」と表現している。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。企業より安い下請け先、ボランティアだからタダで当然という感覚は×。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働できない理由にお答えします
・協働できない事業は本当にないのか?
・法律で、できない、あるいは誰がやると定義されているもの以外は、すべて協働はできる。
・総合窓口では、個人情報保護のために協働できないのか?
・総合病院では、医療の提供という専門技術だから協働できないのか?
・教育委員会では、教育という専門性の高い場だから協働できないのか?
・交通局では、公営企業体だから協働できないのか?
・水道局では、利益をあげかつ専門性が高いから協働できないのか?
・保健福祉部では、個人情報や専門性との関連が高いから協働できないのか?

○行政がすべきこと
・行政は、全体の方針だけでなく、各課ごとの実施計画を立てることで取り組まなければいけない状況にする。
・行政とNPOが相互によく分からないという状態を打破するには、行政とNPOが出会う場をつくることも必要。偶然の出会いではなく必然の出会いの機会を増やす。
・事例:たねからみのり(静岡県浜松市)と協働市場(千葉県)、協働化テスト(佐賀県)。



■事例報告「協働を進める上での情報公開の重要性について」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ワーク「協働を進めるためのQ&Aづくり」
○ワークの内容
・個人ワーク:協働を始める、進める上で、分からないこと、足りないことを書き出す。
・グループワーク:個人ワークで書き出した内容を共有し、質問を10問まとめ、その回答を作成する。
・共有ワーク:各グループのQ&Aをみんなで共有する。

○川北さんからコメント
・NPO側の協働意識が低いのは、これまでの「おまかせ民主主義」のツケ。すぐには直らないが、徹底して事実と事例を伝えていくことが対策になる。
・市民に届く紹介をするには、市報なども効果的。
・また、新聞やマスメディアでの露出には、行政の声がけが効果あるので、このようなところでも協力のしようがある。
・行政のOB・OGがクレーマー市民になってしまう場合が多い。こうならないように。
・地域を耕すために、行政も市民も協働する。



■開催要項
このワークショップの開催要項はこちら(PDFファイル)

以上
【レポート】協働推進ワークショップ「市民・NPO・自治体をつなぐ、確かな協働」in名古屋(2008年12月13日開催) [2008年12月14日(Sun)]
昨日、愛知県名古屋市で、参画プラネットさん主催により、

協働推進ワークショップin名古屋
市民・NPO・自治体をつなぐ、確かな協働
〜指定管理者制度に着目して〜


が開催されました。

このワークショップには、42名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このワークショップのレポートをお送りします。


【レポート】
協働推進ワークショップin名古屋
市民・NPO・自治体をつなぐ、確かな協働
〜指定管理者制度に着目して〜


■講義「協働を生み育てる環境はどれだけ整ったか?現場が動かない理由は何か?」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・協働の本質は、お互いに異なる力(強み)を持つ者がその異なる力(強み)を持ち寄ること。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。愛知県の成長率は2.33%(上から4番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・地域を耕すために協働する。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。企業より安い下請け先、ボランティアだからタダで当然という感覚は×。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。
・ウェブサイトで情報を出すことの重要性。@視覚障害者などの情報アクセスの保障、A開館時間に来るのが難しい人の情報アクセスの保障。
・指定管理者制度の制度設計・審査や監査・評価への市民参加がまだまだ足りない。
・市民がもっと制度の作り手であり担い手にならないといけない。

○行政がすべきこと
・行政は、全体の方針だけでなく、各課ごとの実施計画を立てることで取り組まなければいけない状況にする。
・行政とNPOが相互によく分からないという状態を打破するには、行政とNPOが出会う場をつくることも必要。偶然の出会いではなく必然の出会いの機会を増やす。
・事例:たねからみのり(静岡県浜松市)と協働市場(千葉県)。

○NPOがすべきこと
・「分野を超えた」NPOのネットワークをつくる。
・出前講座を活用し、NPOもちゃんと勉強する。審議会、委員会を意味あるものにする。
・議員の教育は市民の仕事。



■講義「指定管理者制度とは〜生まれた背景とねらい〜」
藤原通孝さん(静岡県

○指定管理者制度とは
・2003年に指定管理者制度がスタート。
・指定管理者制度とは、公の施設を指定し管理する制度。
・明治維新時には、公の施設の管理運営が自治体の一番大事な仕事だった。
・明治以来、公の施設の管理に関する制度はほとんど変わっていなかった。(第三セクターも極論を言えば行政のやり方の範囲)
・指定管理者制度は行政の「公の作法の変革」と言えるほどの大きな変化。
・制度で細かく定めるのは無理と分かっていたので、大枠を定める仕組みになっている。

○制度誕生の背景
・(内圧)制度準備の当初は民間事業者(株式会社)を担い手の中心と想定していたが、準備を進めるうちにNPOの存在に着目し、機運が盛り上がってきた。
・(外圧)保育所の運営に民間事業者が関わるようになり、地方自治体法が障壁になっているというクレームがつくようになった。
・(外圧)フランスのリヨンで水道事業に携わる民間企業が、日本進出を図るが各種法律が障壁になっていることへのクレームがつくようになった。
・指定管理施設で会議室を貸し出す場合も、実は、排他的利用権の行使という公権力の行使に該当する。公権力を行使しても本当によいのか?という議論はうやむやなまま。

○指定管理者制度はどこにいくのか
・そもそも公の施設はなんのためにあるのか?存在意義と目的があるはず。
・その目的を達成するために、一番ふさわしい者が運営をするのがふさわしい。
・この当たり前のことを取り戻すことが必要。
・新しい公の創造へとつなげていきたい。



■質疑応答
Q.個別法が一般法に優先することで色々苦労したと思うが、この個別法と一般法の関係について教えてほしい?
A.公民館や図書館は個別法の縛りがきついが、個別法が一般法に優先するという原則は今でも変わっていない。
・一般法が個別法に優先している印象が広がってきているのは、協働の成果とも言える。協働する中で一般法を優先したような仕事の進め方を勝ち取ってきたとも言える。
・制度の壁を打破するのであれば、個別法を改正することは避けて通れない。
・個別法の運用を各地域でどうしていくのかを、各地域できちんと詰めていくことが大事。
・法律で決めすぎると法律がしばりになり足かせになるリスクもある。
・仙台市では一回登録すればすべての施設にチラシを置いてもらえるなど、運用でもできることは多々ある。

Q.行政が現場を持たなくなることで行政自体がレベルダウンしてしまう問題もあるのではないか?
A.行政がやせ細るのはある意味では目指す方向とも言える。
・やせ細っても行政にしかできない、行政のやるべき仕事はたくさんある。
・地方自治が小さな政府で成立しているのなら望むべき姿。
・ニーズアセスメントをきちんとやり、3年後、5年後にこのまちがどうなっていたいのかを明確にし、共有していくことが必要。

■事例報告「静岡市女性会館
松下さん(男女共同参画フォーラムしずおか

・静岡市女性会館は16年目の施設で、中央公民館との複合施設。
・平成19年度より指定管理者制度を導入。現在は、男女共同参画フォーラムしずおかが管理運営。
・講座開設や図書コーナー運営などのソフト事業の業務委託から始まったので関わりやすかった。
・女性会館のインキュベーター機能で育った団体が指定管理者になったこともよい点。
・静岡県の指定管理者制度は原則公募だが、女性会館は経営の効率化より市民団体との連携や育成が優先される施設に指定され、公募外での募集。



■事例報告「名古屋市男女平等参画推進センター
渋谷典子さん(参画プラネット

・参画プラネットの特徴は、社会に役立つ研究と実践の両方に取り組むこと。
・2008年度の重点事業として、公益ポータルの研究、活用によるNPO運営のバージョンアップを目指している。
・指定管理者制度で名古屋市男女平等参画推進センターを2006年度から4年間運営。
・指定管理者制度に参入したのは、指定管理事業そのものが男女平等参画を推進する機会にできると考えたから。
・指定管理者としての主な事業は、(1)企画、(2)情報発信、(3)施設管理の3本。
・成果:ワークシェアリングで働くスタイルの確立。
・成果:評価システムの構築。
・成果:研究の場で研究成果を発表することをスタッフに奨励し取り組んでいる。
・課題:担い手と組織の今後をどうしていくか。
・課題:指定管理者の業務に含まれない調査研究と含まれる事業のバランス。(協定書の中身の見直しも必要)


続きを読む・・・
【レポート】NPOと行政の協働環境づくりのためのワークショップin広島(2008年12月4日開催) [2008年12月06日(Sat)]
先日、広島県広島市で、ひろしまNPOセンターさん主催により、

NPOと行政の協働環境づくりのためのワークショップin広島
“動き始めたNPOと行政との「協働」、成果はでていますか?”
 オプション・トーク企画「指定管理者制度における協働を考える」


が開催されました。

このワークショップには、36名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました。

それでは、このワークショップのレポートをお送りします。

【レポート】
NPOと行政の協働環境づくりのためのワークショップin広島
“動き始めたNPOと行政との「協働」、成果はでていますか?”
 オプション・トーク企画「指定管理者制度における協働を考える」


■報告「広島県のNPO・行政の情報開示・協働事業の現状や課題」
赤木則行さん(広島県県民活動課NPO・協働推進グループ
毛利葉さん(ひろしまNPOセンター

○広島県内のNPOの情報開示の現状
・広島県内のNPO法人認証数は548団体
広島県の協働施策に関する情報(「NPO・ボランティア団体との協働の手引き」など)
・事業報告書が2ページ以下の団体が86%。
・今後、ひろしまNPOセンターも公益ポータルに取り組む予定。



■講義「協働の意義と協働のしやすさの現状」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。広島県の成長率は0.98%(下から11番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・地域を耕すために協働する。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。



■事例報告「協働を進める上での情報公開の重要性について」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ワーク「協働のしやすさを高めるためのミニワーク」
○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。
・ウェブサイトで情報を出すことの重要性。@視覚障害者などの情報アクセスの保障、A開館時間に来るのが難しい人の情報アクセスの保障。

○川北さんからコメント
・本気で協働を進めるための2つのツール(Q&A集と2年間以上のロードマップ)をつくると良い。
・マニュアルよりもQ&A集の方がよ良い。(マニュアルは読まないし、困っているときには分かりにくい)
・香川県高松市はワークショップで作成したQ&A集をホームページで公開している。

○ワークの内容
・個人ワーク:協働環境調査のシートにそって自己採点する。
・個人ワーク:協働を始める・進める上で質問「分からないこと、足りないこと」をA3用紙に書き出す。
・グループワーク:個人ワークで書き出した質問に対する回答を作成する。

○ワークで出てきた協働に関するQ(質問)
・協働の事例は?
・官と民の協働意外にはどんな協働があるのか?
・協働のプロセスはどんなものか?
・協働のニーズを広く把握するには?
・色々な団体の活動状況を把握するには?
・団体の情報発信の方法は?
・団体の運営や資金確保はどうしているのか?
・法律的な相談はどの窓口にすればよいのか?
・団体の信頼度はどうなのか?
・いつ協働の提案をすればいいのか?
・協働の目的が自分たちの団体の利益に固執してないか?
・団体と行政のお見合いの場はどうつくっているのか?
・NPOに資金や資源が流れるための仕組みはどうつくるのか?
・団体の活動を知るにはどうしたらよいか?
・団体と行政はどのような対話をしたらよいのか?
・団体は行政や企業になにを求めているのか?
・予算が無くても協働はできるのか?
・そもそも協働とは?
・協働にはどんなメリットがあるのか?
・指定管理者制度のメリットは?
・団体を選ぶ審査の基準は?
・行政の協働の指針や方針はあるのか?
・団体の活動の実態を把握するには?
・どんな団体が協働を希望
・協働のテーマの設定はどうすればよいか?
・担当部署のやる気を起こさせるには?
・協働に指針は必要か?
・協働の成果をどうやって評価するのか?
・協働する団体は信頼できるのか?
・団体の信頼度をどうやって
・行政はどこまでに協働に関わるべきか?
・行政の事業を分かりやすく
・いつでも事業提案できるのか?
・イベントと事業の協働は違うのではないか?
・団体についてしるにはどうすれば良いか?
・行政と団体が情報交換する場
・協働を評価する方法は?
・行政職員の意識を高めるには?
・柔軟な予算の執行をするには?
・協働のメリットの共通認識をもつには?
・官と民の協働のビジョンが共有されていますか?
・タイムスケジュールは共有されていますか?
・官と民の役割は共有されているか?
・協働の情報公開の方法は?
・一般市民の声を聞く機会は?
・団体の素性(活動内容、体制、実績)を知るには?
・協働の提案時期はいつ?それが実行できるのはいつ?
・行政の情報提供を十分にするには?
・協働の必要性を知らせる場をつくるには?
・行政と団体の対話の場をつくるには?
・官の内部の連携を高めるには?
・担当者が現場を知るには?
・行政はそもそも協働する気はありますか?
・目的や方向性を共有するには?
・協働できることとできないことを区分整理できるか?
・公益や公共についてどう考えているか?
・協働に関する情報を入手するには?
・協働の進め方は?

○Q(質問)を受けて川北さんからコメント
・法律や制度で行政がすることと明記されていること以外は協働できる。
・協働の範囲を行政が決めるというやり方そのものも変えていく必要がある。
・市報に協働の事例を載せるなど、地方紙に働きかけるなど、行政側も積極的に取り組む。(行政は協働に関する理解を進めるための広報に取り組む責任がある)
・意識を変えるのは難しい、行動を変える、変えやすい仕掛けにする。(協働をした方が得だという、佐賀県や千葉県のようなやり方)
・職員の意識、理解を高めるには、トップが本気になる必要がある。トップを本気にするための働きかけはNPOの役割。



■開催要項
開催要項はこちら

以上
【レポート】協働環境ワークショップin横浜〜地域の中の協働を進めていくために〜 [2008年11月27日(Thu)]
昨日、神奈川県横浜市で、市民セクターよこはまさん主催により、

協働環境ワークショップ
〜地域の中の協働を進めていくために〜


が開催されました。

この講座には、30名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このワークショップのレポートをお送りします。

【レポート】
協働環境ワークショップ
〜地域の中の協働を進めていくために〜


■協働の事例紹介
石井大一朗さん(市民セクターよこはま

○市民セクターの取り組みから
・市民活動共同オフィスの運営を横浜市から受託し、協働してきた。
・これまでは、協働といえば、行政とNPOの関係の中のことが多かった。
・最近は、地域のNPO同士の関係における協働が課題になってきている。

○地域の中の協働を進めるには
・地域の団体には、地縁型組織とテーマ型組織の2種類がある。
・違う性格をもった団体同士が手を組むことで得られる効果がある。
・地域の問題は地域に解決する力があるはず。

○協働の事例紹介(中区ポレポレまつり)
・協働することで、障害者の運動について、地域が理解してくれないとなげくのではなく、理解してもらうためにはどうすればいいか、を考えるようになった。

○協働の事例紹介(神奈川区すくすく子がめ隊)
・区内35箇所の子育てサロンを、みんなで相談、協力しながら、できるところからつくっていった。

○協働の事例紹介(南区中村ふるさとづくり)
・地域の外国人の増加に対する危機感をみんなで共有した。

○協働ヒント集
・市民セクターよこはまが発行。



■協働ワークショップ
○準備
・自己紹介。
・司会者、タイムキーパー、発表者を決める。

○個人ワーク
・ワークシート(わたしの協働経験を振り返る)の記入。
・地域のどのような課題を解決するための協働事業だったのか?
・事業の概要(エリア、協働相手、事業内容)
・協働して困ったこと、印象に残ったこと。
・それをどう解決したか、解決できなかったか。

○グループワーク
・ワークシートの内容を発表する。
・お互いの発表に対してコメントを付箋で出し合う。

○グループワークその2
・お互いの協働の「これまで」と「これから」を整理し、協働の進化を探る。
・事例を一つ選び、現状とありたい状態を比較し、問題設定をする。
・その問題の解決策を考え、発表する。

○発表から
・信用力を高めるために、地域の役員(民生委員)を勤め続ける。
・防犯、防災などのテーマで学校へのアプローチも有効。
・単年度主義と人事異動が引き起こす断絶を防ぐために、組織的な引き継ぎができるように仕組み化する。
・行政の協働に関する難しい文書を分かりやすく翻訳して意識啓発に活用する。
・敵もいるけど味方もいることを忘れずに。

○ワークのまとめ
・協働は急がないことが大事。地域の課題は年度にそって動いているわけではない。
・目的設定を忘れてたり、共有しないまま始めてしまう協働が多いので、ここにもっと時間をかける。
・話をきくことも大事だが、気持ちを受けとめてあげることも大事。
・協働のツールをもっと活用すること。協定書や事業計画書なども使い道は多々ある。
・協働は政策を変えていく運動である。
・地域の中の協働を進めていくためには、地域の団体が中間支援機能を発揮することが必要。
・コーディネート費用などは認められないことが多いのは課題。



■講義「他の地域の協働環境はどう整備されているか、なぜ協働が必要か?」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、協働のしやすさの環境のこと。
・「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。
・ウェブサイトで情報を出すことの重要性。@視覚障害者などの情報アクセスの保障、A開館時間に来るのが難しい人の情報アクセスの保障。
・横浜市の横浜コード(http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/tishin/npo/code.html)は参考になる制度。



■事例報告「協働の推進における情報公開の重要性」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■開催要項
開催要項はこちら


以上
【レポート】深めよう官&民の協働〜協働環境を考えるセミナー(講座とワークショップ)〜 [2008年11月22日(Sat)]
昨日、栃木県宇都宮市で、とちぎコミュニティファンドさん主催により、

応援されるNPOへの道(連続講座最終回)
深めよう官&民の協働
協働環境を考えるセミナー(講座とワークショップ)


が開催されました。

このセミナーには、名(荻上カウントでの方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました。

それでは、このセミナーのレポートをお送りします。

【レポート】
応援されるNPOへの道(連続講座最終回)
深めよう官&民の協働
協働環境を考えるセミナー(講座とワークショップ)


■講義「協働環境調査の概要報告と栃木県内自治体への提案」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。岩手県の成長率は1.94%(上から8番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・地域を耕すために協働する。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。
・ウェブサイトで情報を出すことの重要性。@視覚障害者などの情報アクセスの保障、A開館時間に来るのが難しい人の情報アクセスの保障。

○川北さんから
・本気で協働を進めるための2つのツール(Q&A集と2年間以上のロードマップ)をつくると良い。
・マニュアルよりもQ&A集の方がよ良い。(マニュアルは読まないし、困っているときには分かりにくい)



■事例紹介「とちぎコミュニティファンドについて」
前田利一さん(NPO法人おおきな木)

○とちぎコミュニティファンドについて
・NPOの信用をもっと高めたい。
・とちぎコミュニティファンドがNPOの信用保証を応援していきたい。
・とちぎコミュニティファンド自体の信用をどう高めていくか?
・CANPANの地域・テーマ公益ポータルと連携する。



■事例報告「ウェブを活用した協働事例の発信と報告」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ミニワーク「協働しやすさを高めるために」
○ワークの内容
・個人ワーク:協働を始める・進める上で、「分からないこと、知りたいこと、確認したいこと」「制度・しくみ、職場環境上、足りないこと、補いたいこと」を書き出す。
・グループワーク:グループで共有し、「10以上の質問(文末には?をつける)」「その質問への解答」をまとめる。
・グループワーク:別グループの作品を見て、付箋で「質問」「提案」をコメントする。

○川北さんからコメント
・高松市のホームページには、協働に関するQ&A(このワークショップと同様のプロセスでつくったもの)が公開されている。
・浜松市の「たねからみのり」という仕組み。
・千葉県の「協働市場」という仕組み。
・佐賀県の「協働化テスト」の取り組み。
・事業の評価と協働の評価はどう違うのか?仙台市の協働評価の取り組み。
・引き継ぎでトラブルのは個人の関係で仕事をしてしまうから。
・事例が見つからないのは本気で探してないから。事例の情報はたくさんある。
・市民の協働への理解、関心を高めるには、徹底してマスコミにPRする、市報に載せる。これは行政の仕事(行政が力を発揮できる役割)。



■開催要項
開催要項はこちら(PDFファイル)

以上
【レポート】協働環境ワークショップin岩手「協働を知り・考え・動かす」〜その協働は動いている?協働はじめの「?」は何?協働を生み、育てるために求められること〜 [2008年11月21日(Fri)]
昨日、岩手県盛岡市で、いわてNPOセンターさん主催により、

協働環境ワークショップin岩手
「協働を知り・考え・動かす」
〜その協働は動いている?協働はじめの「?」は何?
協働を生み、育てるために求められること〜


が開催されました。

このワークショップには、18名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このワークショップのレポートをお送りします。

【レポート】
協働環境ワークショップ
「協働を知り・考え・動かす」
〜その協働は動いている?協働はじめの「?」は何?
協働を生み、育てるために求められること〜


■講義「協働の意義と、協働のしやすさの現状について」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。岩手県の成長率は1.41%(上から17番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・地域を耕すために協働する。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。



■解説「岩手県の協働環境は?」
早坂良和さん(いわてNPOセンター

○岩手県内の自治たちの協働環境調査から
・岩手県内の35自治体を対象に調査。
・何らかの形で協働したいと思っている自治体は100%。
・条例やガイドラインを定めているのは34%。うち、ガイドラインを定めているのは14%。
・条例やガイドラインがない自治体も、出前講座、助成金・補助金、指針策定に向けたワーキンググループなどは実施していることが多い。
・ただし、出前講座や助成金・補助金も、目的や内容があいまいになってしまっているものが多い。

○岩手県内の協働環境を整えるために
・後手に回っているのは逆にいえばチャンス。
・これから取り組むなら、条例や指針の策定プロセスに市民の参画を。
・市民と行政が出会える場の創出を。
・協働の事例を探し、知り、紹介する。
・全庁的な推進体制の構築を。
・IIHOEの協働環境調査の評価指標に着目してほしい。

○質疑応答
Q.調査における条例とは?
A.協働について取り扱った条例のこと。
自治基本条例の中で協働に触れているというようなものではなく、協働に関する条例があるかどうかで判断した。



■事例報告「ウェブを活用した協働事例の発信と報告」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ミニワーク「協働しやすさを高めるために」
○ワークの内容
・個人ワーク:協働を始める・進める上で、「分からないこと、知りたいこと、確認したいこと」「制度・しくみ、職場環境上、足りないこと、補いたいこと」を書き出す。
・グループワーク:グループで共有し、「5つの質問(文末には?をつける)」をまとめる。

○質問
Q.協働の必要性を市民に広く知ってもらうには?
Q.協働の必要性を行政と市民双方が分かるには?
Q.需要と供給のバランスをとるにはどうしたらよいか?
Q.官民の意見交換の場は、どれくらい(何回、何時間)取ったらよいか?
Q.理想の協働相手を見つけるために必要なことは?
Q.官と民の本音を引き出すににはどうしたらよいか?
Q.市民団体同士でも他団体の活動実態が分からないので知るには?
Q.住民ニーズを知るにはどうしたらよいか?
Q.行政の意志決定のプロセスはどうなっているのか?
Q.意欲のある人材を見つけるには?
Q.活動にもっとも適した助成制度を探す、選ぶには?
Q.自分たちの活動内容の有効なPR方法は?
Q.行政とのうまい付き合い方は?
Q.協働する相手を見つける方法は?
Q.市民活動に参加する市民が少ないという実態があるが、その理由は?
Q.行政として、団体の活動の実態を知るには?
Q.市民団体の能力を確かめる手段は?
Q.お互いの目標を確認するには?
Q.官と民の意見交換の場をつくるには?
Q.担当者以外の行政職員が協働の必要性を理解するには?

○川北さんからコメント
・助成制度に関して網羅性が高いウェブサイトはシーズのNPOWEB。
・募集要項を読まずに申請してくる団体が多い。
・事前相談に対応する助成機関が多いので、分からないことはきちんと確認、相談すること。中間支援機関にも一度相談してみてほしい。
・突き詰めると、トップが本気かどうか?インセンティブがあるかどうか?による。
・千葉県の協働市場を参考に。
・市民に協働を伝えるには、協働の事例を徹底して伝えること。
・そのためには、マスメディアを活用する。市の広報誌で紹介していく。
・理想の相手を探すのは難しい。そもそも選択肢は少ない。むしろ、目の前の団体を理想の相手に育てるしか方法はないかもしれない。
・本音を引き出すには、飲み会をすること。さらに、官民合同の研修を合宿形式ですること。
・活動実態を知るには、やっぱり現場に行くのが一番。空気感は現場に行かないと分からない。
・現在の意志決定プロセスを知ることも大事だが、属人的ではない手続きを作らせることも考えて欲しい。
・最初は小さく初めて、大きく育てていく。
・活動を発信しつづけることが、結局は一番のPRになる。そのための便利で有効な手段はブログ。(総社のまちづくりの例)
・参加する市民が少ない理由は分からないが、参加する市民を増やすには趣味をうまく活用するとよい。(つくば市のフラワーポット整備、長野県小布施の例)

○質疑応答
Q.協働の指針やガイドラインに関して根拠となる文書(国のガイドラインなど)はあるのか?
A.ない。
・ないことも重要である。
・国から強制されるのはくやしい。国のガイドラインや強制がないからこそ、地域に合わせた条例や指針を考え、つくれるチャンス。
・トップに質問(他市はこうしているのに、我が市はどうするつもり?)をぶつけることも有効。



■開催要項
開催要項はこちら

以上
【レポート】小さな自治体のための特別セミナーin仙台〜協働環境構築セミナー「協働がわかる、動ける、成果がでる」〜 [2008年11月20日(Thu)]
昨日、宮城県仙台市で、せんだい・みやぎNPOセンターさん主催により、

協働環境構築セミナー「協働がわかる、動ける、成果がでる」in仙台
〜小さな自治体のための特別セミナー〜


が開催されました。

このセミナーには、34名の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このセミナーのレポートをお送りします。

【レポート】
協働環境構築セミナー「協働がわかる、動ける、成果がでる」in仙台
〜小さな自治体のための特別セミナー〜


■講義「協働の意義と協働のしやすさについて」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・今自治体がやっていることをやってくれるところに安く下請けに出すことが協働ではない。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。宮城県の成長率は1.22%(下から22番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。
・地域を耕すために協働する。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・OBや業界団体のための施設、都合の良い運営になっていないか?
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕す行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。
・責任をゆだねるなら、予算と権限も委ねるのが当然である。
・誤った協働は、地域の時間と力を奪ってしまう。かつ将来に向けて育つチャンスも奪ってしまう。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働を推進するために行政がすべきこと
・指針や条例をつくるだけでは協働は推進できない。
・各部署単位の協働推進計画を策定する。(佐賀県の例:県の全ての事業を市場化テストする)
・属人的な協働ではなく、仕組みで協働を進めること。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?それを7段階で点数化。
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。

○質疑応答
Q.計画段階から住民を巻き込むのは実際には大変・・・なにか工夫は?
A.田舎型と都会型で異なる。
・田舎型は生活環境を共有しているが、都会型は時間と空間しか共有していないので、テーマの共有が必要。
・社会教育、社会福祉など、「社会」がつくものは本来協働が必要なもの。対して、制度福祉や制度教育など「制度」がつくものは協働が必要とは限らない。
・地域の負担を増やす協働から、地域の負担を減らす協働へと思想の転換が必要。
・3年間でこの地域をどうしたいのか?というビジョンをトップが示すことが必要。

Q.施設利用者の住民をうまく巻き込んだ事例は?
A.不忘アザレアは住民をうまく巻き込んだ事例の一つ。
・ポイントは、ただの利用者から、いかに、担い手へと変化させることができるか。、
・利用者はお客さんではなく、パートナーであるという発想の転換が必要。



■事例報告「自治体における協働推進の取り組みについて」
石垣千佳子さん(岩沼市さわやか市政推進課

○事例報告
・市民と行政がそれぞれ協働について話し合う場として「ワイワイがやがや」という取り組みを行った。
・それぞれで話し合った内容を定期的に合同会議で突き合わせる。
・付き合わせると、市民側と行政側の思考、文化、言葉の違いが明らかになる。この違いをどう歩み寄るかが大変。
・仕事と割り切っている職員よりも、もう一歩頑張る職員に市民も相談しにくる。仕事と割り切っているうちは市民との付き合いは難しい・・・かも。
・一方で、個人として仕事をするのか、組織として仕事をするのか、悩ましいところ。

○加藤さんから
・岩沼市は、総合計画では協働をうたっているが、具体的な施策などには落とし込めていない。
・公共的な施設を行政と市民が手を組んで利用するという事例はそれまでもあったが、制度や体制になっていないので、個人仕事になっていた。
・行政は上から整理していくのは得意、市民が下から現実的な課題を積み上げていくのが得意、というようにまったく異なっていた。
・この「ワイワイがやがや」の取り組みを通じて人材の育成が少しずつ進んでいる。

○川北さんから
・制度が選考していないのは良いことでもある。
・今の「ワイワイがやがや」の会議や他の自治体の先例を参考に進めることが出来るのはチャンスでもある。
・本気で協働を進めるための2つのツール(Q&A集と2年間以上のロードマップ)をつくると良い。
・マニュアルよりもQ&A集の方がよ良い。(マニュアルは読まないし、困っているときには分かりにくい)

○質疑応答
Q.検討委員会はどんな構成?
A.いろいろな部署から14名が参加。
・当初は協働の可能性がある部署から選出したが、異動などでバラバラになっている。
・(川北さんから)強制制度とは別に立候補制度も併用すると良い。(現在、県単位で制度を導入しているのは大分県と宮崎県だけ)



■事例報告「ウェブを活用した協働事例の発信と報告」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ミニワーク「協働しやすさを高めるために協働の「?」質問集を作る」
○ワークの内容
・個人ワーク:「行政がすべきこと」「市民がすべきこと」を、時系列(今年度中、来年度前半、来年度後半、22年度以降)で挙げてみる。
・グループワーク:「行政が急いで実現すべきこと」「市民が急いで実現すべきこと」を共有し、「質問」をまとめる。

○質問
Q.ニーズ調査の手法のポイントは?
A.共通の目標を立てるためにも、ニーズの調査、把握は大事。
・ここが抜けていると、何を話していても会話がすれ違ってしまう。
・官民が一緒にニーズ調査をするとよい。
・ニーズとは必須、不可欠であり、欲しい=wantsではない。
・ニース調査では、過去の分析と現状の把握だけでなく、未来の予測、把握も必要。


Q.行政に提案するタイミングは?
A.予算策定時期と議会開催時期の見極めがポイント。
・予算が必要な協働の提案であれば、当たり前だが、予算策定時期より前に提案するのは必須。

Q.協働と協力の違いは?
A.協力はどちらかが主体。協働は両方が主体。

Q.当たり前のようにやっている協働を伝えるための共通言語化?
A.マスメディアを活用する。
・市の広報誌で協働の事例を紹介していく。

Q.行政の意識改革はどうすればよい?
A.意識よりも行動改革が重要。
・人の意識を変えるのは難しい。意識が変わるよりも、行動が変わらざるをえないルールを整える。

Q.プロセスの評価は?

Q.広く市民に聞いていない協働の指針を策定してしまっている自治体の場合の立て直し方方法は?
A.点検、見直しの必要性を議論する。
・見直しが必要なら見直しのプロセスへ。見直しが不要なら、その指針のもとでマニュアルの策定などへ進めていく。
・実は一番大事なのは、市民側が作り直す必要性に気付くこと。
・市民の意識や気付きを生み出すには、出前講座を活用して働きかける。

Q.市民を協働に巻き込むには?

Q.市民と行政のミッションの見いだし方は?
A.行政と市民は立場は異なる。
・共通の目標を見いだすことは出来ても、共通の立場やミッションはありえない。
・立場やミッションの違いを活かしながら、共通の目標を見いだすこと。
・そのときに大事なのがニーズの調査。

Q.団体を把握する、探す方法は?
A.
・行政と市民の協働だけではなく、民民協働、県→市町村への支援も視野に入れて欲しい。
・協働の事例集を作成、公開することで、行政がNPOの信用保証を高めるということも必要。



■開催要項
開催要項はこちら

以上
【レポート】未来の山口県のためにNPOと行政の協働環境自己採点セミナーin宇部 [2008年11月19日(Wed)]
昨日、山口県宇部市で、やまぐち県民ネット21さん主催により、

未来の山口県のために
NPOと行政の協働環境自己採点セミナーin宇部
〜協働が進む仕組みづくりを学ぶ〜


が開催されました。

このセミナーには、27名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このセミナーのレポートをお送りします。

【レポート】
未来の山口県のために
NPOと行政の協働環境自己採点セミナーin宇部
〜協働が進む仕組みづくりを学ぶ〜


■山口県での情報開示の現状報告
於土井豊昭さん(やまぐち県民ネット21)

・山口県内のNPO法人の事業報告書の提出状況は?
・情報開示に積極的に取り組む団体の紹介。
・ホームページでの情報開示促進の必要性。
・山口県のNPO法人データベースの新設。
・県民活動スーパーネットの改修。
・県民活動きらめき村の改修。



■講義「協働のしやすさとは?第3回協働環境調査で見えてきたこと」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○協働の事例紹介
・愛媛のフィルム・コミッションにおける、えひめフイルム・コミッション(行政)とアジア・フイルム・ネットワーク(NPO)。
・新潟県長岡市での、学校給食の残さの回収プロジェクト。
・異なる力を持ち寄り、持ち寄らなければ出来ないことを実現するのが協働。

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。山口県の成長率は1.00%(下から14番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕すの行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。
・今の日本の状況では、10年後も行政に今の規模で予算を確保することはほぼ不可能。
・自発的に収入をかせぐことをもっと考えなければいけない。

○協働を推進するために行政がすべきこと
・指針や条例をつくるだけでは協働は推進できない。
・各部署単位の協働推進計画を策定する。(佐賀県の例:県の全ての事業を市場化テストする)
・属人的な協働ではなく、仕組みで協働を進めること。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。



■解説「協働を促すためのNPO。行政の情報開示はどうあるべきか?」
荻上健太郎(日本財団CANPAN運営事務局ポータルプロジェクト担当)



■ミニワーク「協働しやすさを高めるために協働の「?」質問集を作る」
○ワークの内容
・個人ワーク:「協働環境調査シート」に自分の自治体について記入して採点する。
・個人ワーク:近隣の自治体ごとにグループをつくり、A3用紙に、「行政の課題と対策」「市民の課題と対策」を書き出してみる。
・グループワーク:「行政が急いで実現すべき課題」「市民が急いで実現すべき課題」「質問」をまとめる。

○行政が急いですべきこと
・窓口の充実(できればワンストップサービス)。
・職員の意識啓発と研修の充実。
・縦割り体制の改善。
・職員の意識改革。
・協働のための体制づくり。
・団体のネットワークづくりの支援。
・基本的な情報公開(窓口情報なども)をもっとしっかり。
・職場内研修の充実。
・スピードのある対応(回答が出たころには次の案件が発生している)。
・職員(特に管理職)の意識改革。
・仕組みを変える。
・窓口を整備する(市民からの提案をきちんとつなぐ)。

○市民が急いですべきこと
・ネットワークを広げること、強化すること。
・活動と支援をもっとアピールする。
・積極的に発案、発信する。
・自発的なネットワークづくり。
・行政への提案をもっと積極的に。
・はっきりした目的をもって活動する。でないと活動の継続性も担保できない。
・市民自身の自立意識をもっと。
・提案力をもっとつける。思いだけではだめ。
・情報発信力をもっとつける。

○質問
・市民への有効なPR方法は?
・カリスマをもった人は必要か?
・佐賀市の体制はどうやってできたのか?

○川北さんからコメント
・カリスマもリーダーも、地域のどこかには今でもいる。
・一癖もふた癖もある人が多いカリスマやリーダーをうまく使えるコーディネーターも必要。
・協働のコーディネーターは個人では難しい。権限、認定基準、実際の業務、をきちんと考えないと個人では機能しない。
・NPOを理解する人を増やすには、市民には徹底して事例を伝える。
・協働に対する意識を変えるよりも、行動を変えさせることが先。
・どの市町村でも、団体を登録させる仕組みが実はたくさんある。(ボランティアセンターや公民館などの登録も含めて)
・団体を把握するチャンスがないのではなく、チャンスを活かしていないだけ。
・団体の情報をもっと一元的に把握していく必要性を市民側がもっと訴えることも必要。
・協働の推進にはお金がかかるのではなく、手続きや仕組みを変える手間暇がかかるだけ。
・佐賀市が今の体制になったのは、担当係長が2代続けてがんばったから。
・静岡県の一人1改革運動を参考に。
・協働は予算や体制がなければできないことではない。
・協働はいつか誰かにやってもらうことではない。
・まずはできることから一人一人が始めること。
・出会いの場をつくる。
・各部署ごとの協働戦略をつくる。



以上
【レポート】NPOと行政とが協働するためのワークショップin宮崎 [2008年11月18日(Tue)]
昨日、宮崎県宮崎市で、宮崎県NPO活動支援センターさん主催により、

平成20年度 地域・テーマ公益ポータル推進プロジェクト
NPOと行政とが協働するためのワークショップin宮崎


が開催されました。

このワークショップには、28名(荻上カウントで)の方にご参加いただきました。
みなさん、どうもありがとうございました!

それでは、このワークショップのレポートをお送りします。

【レポート】
平成20年度 地域・テーマ公益ポータル推進プロジェクト
NPOと行政とが協働するためのワークショップin宮崎


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■解説「宮崎県の協働の推進体制と今後の課題について」
山本宣博さん(宮崎県生活・協働・男女参画課

・宮崎県知事が掲げた「新みやざき創造計画」で「県民総力戦」をうたっている。
・「県民総力戦」=「県民との協働」。
・宮崎県内のNPO法人数は261団体。
・宮崎県庁におけるNPOとの協働事業数は、2005年度〜2007年度で46、44、50。
・2007年度にNPOとの協働指針に基づき、「みやざき協働事業マニュアル」を策定。
・課題:「みやざき協働事業マニュアル」を利用して共同事業を促進する。
・課題:県庁職員の意識改革。
・課題:「協働事業の事例」を集めて活用する。
・課題:市町村における協働の環境整備。
・課題:「NPOとの協働指針」の改訂(成長する指針を目指す)
・課題:顔の見える関係を構築するための場を創出する。
・課題:NPOの力(企画力、提案力)を育成する。
・課題:県外資金の活用。



■講義「協働のしやすさとは?第3回協働環境調査で見えてきたこと」
川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]

○日本の現状
・2020年までの潜在成長率は1.57%。宮崎県の成長率は1.14%(下から18番目)(国の調査による発表)
・昭和と平成では時代環境が大きく異なる。平成は、少子+高齢+低成長がトリプルセット。
・行政の権限を委譲、配分するという思考では限界がある。
・地域の未来を考えると、地域の総力を集めて全力で取り組む必要がある。
・できないフリしない、あきらめない、他力本願にならない、甘えない、この4つが必要。

○協働とは?
・「共通の目標(目的ではなく目標!)」のために、「責任と役割を共有・分担」し、「ともに汗をかき」、「成果を共有」すること。
・責任はやらされる側=市民にあり、権限はやらせる側=行政にある、では協働ではない。
・協働の目的は「自治の回復」=まち・むらの課題をまち・むらの力で解決するためである。
・例えるなら、「レストランで行政が決めたメニューを食べる」のは下請け、行政的協働。
・例えるなら、「レストランのメニュー決めも含めて経営を一緒に行う」のが本当の協働。
・協働には、市民と行政双方の「当事者性」と「専門性」の両方が必要。

○指定管理者制度の問題
・指定管理者制度の本来の目的は、「多様化するニーズ」に「効率的に対応する」ため、「民間の能力を活かし」て、「サービス向上」を図る。
・現実は、多くのところが「コスト削減第一主義」の運用をされている。
・狩猟型=搾取の行政から農耕型=地域を耕すの行政になってほしい。
・3年後、5年後にどんな地域でありたいか?をもとに制度設計や運用を考えて欲しい。

○行政の誤解
・行政改革と財政改革は異なる。
・コスト削減の手段として協働を利用(NPOを安い下請け先として利用)するのは根本的に間違い。
・行政サービスの「質」と「スピード」を改善すれば、その成果として「コスト削減」が実現できる。
・まずは自分たち自身で改善の努力をすること。
・その上で、自分たちだけでは難しい場合には、パートナーとしてNPOを選んでもらいたい。

○NPOの誤解
・活動資金の財源として行政に期待してはいけない。

○協働を推進するために行政がすべきこと
・指針や条例をつくるだけでは協働は推進できない。
・各部署単位の協働推進計画を策定する。(佐賀県の例:県の全ての事業を市場化テストする)
・属人的な協働ではなく、仕組みで協働を進めること。

○協働環境調査について
・2004年、2005年、2007年の3回実施。
・第3回目の2007年は、全国の都道府県、政令指定市、県庁所在地、中核市、東京都の特別区など、計252自治体を対象に調査。
・協働環境とは、「条例や指針」、「策定プロセス」、「人材育成」、「推進体制」、「提案制度」、「情報公開」がどう整っているか?
・3回を比較すると、制度の制定は進んできたが、制度の活用、プロセスへの参加はまだまだ。
・地域が小さくなればなるほど、選考のフィードバックが適切に行われるかどうかが非常に大事。



■ワーク「協働環境の自己採点」

○ワークの内容
・個人ワーク:「協働環境調査シート」に自分の自治体について記入して採点する。
・個人ワーク:近隣の自治体ごとにグループをつくり、A3用紙に、「行政の課題と対策」「市民の課題と対策」を書き出してみる。
・グループワーク:「行政が急いで実現すべき課題」「市民が急いで実現すべき課題」「質問」をまとめる。

○行政が急いですべきこと
・協働担当部署以外の部課での協働推進と予算の柔軟化。
・協働に対する理解の向上。
・事業委託の見直し。
・ウェブの活用や情報開示の手法の検討。
・出会いの場をつくる。
・審査結果などの理由をしる場をつくる。
・過去実績の評価の中で、地域にどのように貢献したかを盛り込む。
・まずは協働に関する意識と理解を。
・異動するたびに専門性を身につけるのであれば、専門性のあるNPOからの学びをもっと。
・協働の担当課と事業の主管課との意識の差を埋める。
・地域にもっと情報公開してフィードバックする。

○市民がすべきこと
・行政依存からの脱却。
・行政の批判、行政がすべき、という固定観念にとらわれる団体が多い。
・公益ではなく団体益にとらわれるところが多い。
・ビジネス感覚をもっと磨く。
・そもそも行政の仕事にもっと関心を。
・行政とのつながりについてもっとフットワークを軽く。
・市民団体どうしの連携も。
・協働するちからをもっと。
・受け身にならず、市民からももっと声をあげる。
・主管課との意識の共有をもっと。

○質問
・企業と協働する際の、公益と利益の境目をどう考えるか?
・市民側からの協働のきっかけづくりはどうすればよい?
・協働の仕組みを是正するにはどうすればよい?
・首長と職員の意識の差をどううめる?
・地域コミュニティも含めた協働の進め方は?

○川北さんからコメント
・分野を超えたNPOのネットワークが重要。
・協働の評価や監査にNPOが参加する。
・条例や指針の見直しを市民参加で進める。
・行政の出前講座をもっと活用する。
・中間支援組織を育てるのはNPOの役割。
・議員の教育は市民の仕事。



■講義「協働を促すためのNPO・行政の情報開示はどうあるべきか」
荻上健太郎日本財団CANPAN運営事務局)



以上
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