伝えるコツをやってみようその1【レポート】【NPOのための広報スキルアップセミナー】 [2006年11月28日(Tue)]
2006年11月25日(土)に岡山で開催された、
伝えるコツを身につけよう 〜NPOのための広報スキルアップセミナー〜 に参加しました! そのレポートをお送りします! 【レポート】 第1部:伝えるコツをやってみようPart1 講師:鶴保 正明氏((株)電通 クリエーティブディレクター) ■ガイダンス ・テキストの15のヒントからの学び、後半で実践してアウトプットを。 ・思うようにはいかないのが普通。では、なぜうまくいかないのかも説明したい。 ・How toを学ぶだけではだめ。How toを学べばうまくいくという勘違いが多い。 ・そもそも伝えるとはどういうことか、コミュニケーションとはどういうことか、に向き合うことがまず必要。 ■コミュニケーションって、何? ○コミュニケーションのスタートとゴール ・セミナーに参加する場合、チラシを見た時点ですでにコミュニケーションは始まっている。 ・ゴールをイメージすることが重要。 ○本質をつかむ ・うまくいかない場合、間違った場合は、多くの場合、問題設定や問いかけが間違っていることが多い。 ○相手はどんなコトをするか ・コミュニケーションとは、相手に伝えて何か行動してもらうことが最終目的。 ■TVCMの紹介 ・チャップリンは、「あなたのベスト作品は?」という問いかけに対して、「次に作る作品が私のベスト作品である。」と答えていた。 ・鶴保氏の最新作品、11月20日からオンエアされたばかりのTVCMを紹介。 ・週に1回、1番組でしかオンエアされていないもの。 ・ミドリ安全のTVCM「熟年離婚編」。30秒ものと60秒もの、120秒ものを比較。 ・「気持ちが一つになるワーキングウエア」がテーマ。 ・コマーシャルっぽくしないことをコンセプトに作成。 ・出演者はハンガリー人。どこの人だろうと思わせる効果。 ・映画的な演出にしたいので、演出家を誰にするかを考える。市川ジュン氏に依頼した。 ・タイトル「熟年離婚」の重要性。スポンサーに説明する際に、テーマを明確に伝えることで、イメージをしっかりもってもらうことができる。 ・欧米は、「はじめに言葉ありき」「言葉は神である」という、言葉がなければ世界は成立しないという価値観。 ・ミドリ安全を紹介したのは、知名度の低い企業の取り組み(広報)を紹介したいため。 ・一般的にNPOは知名度が低いので、誰でも知ってる企業の取り組み(広報)はあまり参考にならない。 ■知名度が低い企業の広報 ・ミドリ安全の「喫煙亡命者編」(2000年)の紹介。 ・2000年当時は公共施設禁煙への端境期で、分煙という考え方が出てきた頃。 ・スポンサーに対しては、必ず複数案を提案する。 ・ミドリ安全の場合は3案を提案した。 A案:さすらいのヘビースモーカー(喫煙に対して逆風が吹き始め、つらい立場になってきた喫煙者をテーマ) B案:恋するスモーク(吐いた煙でハート型を作りプロポーズするが、分煙機で吸い込まれてしまう、分煙機の性能をアピール) C案:喫煙亡命者(タバコを吸うために、分煙天国(喫煙天国)の日本にやってくる、喫煙に関する日米の文化の違いに焦点) ・3案はそれぞれ問いかけの設定が異なる。 ・当時、日立やナショナルなどの超有名・大手企業も分煙機を製作していたので、知名度で圧倒的に劣るミドリ安全は思い切ったC案を選択した。 ・インパクトのあるC案を採択したことで、ミドリ安全の知名度は一気に向上し、分煙機のシェアをほぼ独占するまでになった。 ■コミュニケーションにおける3つの問題 (1)自分に問題がある (2)相手に問題がある (3)自分と相手の関係に問題がある ・相手が悪いと考えてしまうと、それ以上先に進めない。 ・まずは、自分に何か問題があるのでは、というところから考える。 ・アイ(I(私))からコミュニケーションは始まる。 ・私(自分たちの団体)はいったい何者なのか?を考えることがスタート。 ■ドリル1〜3 (1)私はどんな人間なのか?自分たちの団体は何者なのか? ・私はどんなキャラクターなのか?を考えることもよい。 (2)団体がいまやっていること、これからやろうとしていること。 (3)自分たちの団体はどんな団体だと思われているか?を想像してみる。 ・相手から自分は(自分たちは)どう見られているのか? ・相手という鏡に映る自分を想像してみる。 ■キャラクター ・キャラクターを簡単に考える2軸。まじめ←→おもしろい、やさしい←→パワフル ・2軸の裏の側面。まじめ=硬い、融通が利かない。おもしろい=不誠実、軽い。やさしい=優柔不断。パワフル=独断、自分勝手。 ・自分の考えるキャラクターと相手から見えるキャラクターはまったく異なることもある。 ・企業はこのキャラクター分析を徹底的にやっている。 ■ドリル4〜5 (4)課題の整理 ・組織・運営の課題、事業・活動の課題、広報やコミュニケーションの課題という3つの視点で整理する。 (5)コミュニケーションの課題 ・団体の抱える課題を重要な順に洗い出す。 ・コミュニケーションで解決できそうなものを選ぶ。 ■質疑 ・どれくらい費用かかったのか? →制作費は約3000万円、広告媒体料は1回約500万円。 ・お金をかけない方法は何かあるか? →広告はお金がかかるが、報道されれば費用はかからない。報道されるようにがんばるという手もある。 ・TVCMが効果的なのはどんなとき? →一度に大勢の人に伝えるたい場合に向いているのがTVCM。 →TVCMは時間が短いので、商品の詳細を伝えるのではなく、商品を知ってもらう、商品名を覚えてもらうことを目的にし、その目的に合わせて作りこむ(商品名の連呼など)ことが多い。 ・TVCMなどの効果の測定はどうしているのか? →広告の効果の調査を専門にやっている会社も多い。 →商品を売ることが目的の場合、売り上げですぐに効果が判定される。 →副次的な効果としては、就職希望者から「あの広告を見て希望した」というように、企業のイメージアップにつながることもある。このような効果はすぐには測定できない。 以上 【プログラム】 伝えるコツを身につけよう 〜NPOのための広報スキルアップセミナー〜 日時:2006年11月25日(土)10:00〜17:30 場所:ルネスホール 主催:NPO広報力向上委員会 協力:岡山NPOセンター、日本NPOセンター 講師:鶴保正明氏(電通クリエーティブディレクター) 内容: 第1部伝えるコツをやってみようPart1 第2部伝えるコツをやってみようPart2・3 第3部NPOの広報物を通して学ぼう |