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【レポート】シンギュラリティ・ソサエティ「Invent or Die - 未来の設計者たちへ 5: 中島聡×大澤昇平」(2019年2月15日開催) [2019年02月18日(Mon)]
2019年2月15日(金)に一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティ主催で開催された「シンギュラリティ・ソサエティ「Invent or Die - 未来の設計者たちへ 5: 中島聡×大澤昇平」」に参加しました。

このトークセッションですが、ちょうど2日前に開催された「The AI 3rd」のパネルディスカッションで、伝説的エンジニアの中島さんと新進気鋭のAI研究者の大澤さんの意見対立が盛り上がったこともあり、この日も、その際の参加者が延長戦を聞きたいと集まった方が多かったようです。

ツイッターではバトルという感じで話題になったようですが、個人的には、世代・キャリア・キャラ・世界観は全く異なる二人だけど、トークとしては非常に共創的な印象でした。

備忘録的なメモをアップします。

【レポート:シンギュラリティ・ソサエティ「Invent or Die - 未来の設計者たちへ 5: 中島聡×大澤昇平」(2019年2月15日開催)】

◆トーク「AIと社会ーAI開発は次のフェーズAI2.0時代へ」
中島聡氏(一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティ代表)
大澤昇平氏(東京大学大学院工学系研究科特任助教、株式会社DaisyCEO)

IMG_2147.jpg

●The AI 3rdからの流れ
・2月13日のThe AI 3rdで、議論が盛り上がった。
・ツイッターでは「パネルディスカッションが荒れている」と話題になっていた。
・エンジニアの価値とAIはバブルかでバトル。
・AIテーマのイベントでは、「AIバブル」と言いたくなってしまう。
・「AIバブル」と言われると、反論したくなってしまう。
・Predict the Futureは株式会社DaisyのWEBサイト。

●株式会社Daisyについて
・未来予測の課題は3つ。
・@データ、Aモデル、Bマシンパワー。
・この3つの課題を乗り越えるためには、コストがかかる。
・コストを越えるために、集合知で勝負。
・AIのプロジェクトが失敗するのは、単独で取り組むので、@データ、Aモデル、Bマシンパワーのどれかが不十分だから。
・クラウド化し、ネット上で共有、拠出しあえるようにしてしまう。
・WEB2.0のときは、スタンドアローンからクラウド化へ。
・AIも、AI2.0でクラウド化されていく。
・現状は、AIのクラウド化にも壁がある。
・それは、GAFAとBATの戦い。
・ネットも分断されてしまっている。
・ブロックチェーン技術で、この壁を乗り越え、集合知を可能にしていく。
・分散SDGをみんなで取り組んでいく。
・AIのクラウド化に貢献した人にコイン(l(リットル))が提供される。
・リットルコインは、l、ml、H2Oなどの単位がある。
・暗号化技術の進歩で、データ漏洩のリスクを回避。
・ディープラーニングは知恵や技術を連結していけるところに強みがある。
・これは人間の脳に近い。
・6段構造になっている脳の表面で考えている。

●トーク
・胡散臭さがあるが、中身は面白い。
・株価予想はみんなの夢。
・株価予想にモデルが存在するかどうかは疑問。
・ひょっとしたらあるかもしれないものを、みんな探している。
・予測モデルをつくるのは、データが膨大なので大変。
・複雑すぎると人間では太刀打ちできない。
・これをAIやディープラーニングで変えていける。
・ポテンシャルはあるが、どうやって形(プロダクト)に変えていけるか?
・データは提供するので、オープン化し、公募でモデルづくりに取り組む。
・そして、儲かったモデルをつくったエンジニアを表彰する。
・因果律で動いているとすれば、予測は可能なはず。
・プラットフォームとして考えると、エンジニアにとっては非常に面白い、挑戦しがいのあること。
・営業の仕事は、株価予想と本質的には同じ。
・本質的には、人の行動を予測すること。
・コンピューターがお金を出す仕組みがつくれたら、営業のしごとは不要になる。
・コインは発行しないといけない。
・ICOの大半は詐欺と思っている。
・詐欺と思うかどうかは見方次第。
・会社がつぶれ株で損したたときに、それを詐欺と思うか、不運と思うか。

IMG_2150.jpg

●大学では
・ディープラーニングとブロックチェーンの教育。
・この2つは報酬系で一致する。
・ブロックチェーンはドーパミンを出し、ディープラーニングはその流れを最適化する。
・技術経営戦略学研究室。
・半分はコンサルタントなどの社会人。
・文系の学生もいる。
・なにをするにしても、数学は強くないといけない。
・数学が苦手だから文系に行く人は、この先致命的ではないか。
・文理融合型教育。
・文系の人は、哲学的思考や歴史や社会などに強い。
・趣味や強みの異なる理系と文系の融合は意味がある。

●l(リットル)
・リットルは面白い。
・ユーモアのセンスに共感。
・単位の桁を表現できる、小さい単位に細分化できるので、リットルとした。
・データ=オイル。
・データがオイルであれば、単位がリットルというのもあり。

◆質疑応答
Q.ハッシュ関数
A.
・解があることが前提。
・出題者が存在しないので、解も存在する保証がない。
・機械学習の対象は自然。
・であれば、

Q.スマートコントラクトを用いてニューラルネットワークを回す場合、データはどこに、改ざんなどの保全は?
A.
・データはユーザーを中心に保管。
・改ざんされることはある。
・データが改ざんされても構わない、だいたい正しいで成り立つ仕組み。
・現在の仕組みは、局所的な問題よりは、マクロ的な問題をメインに。


Q.データの改ざんではなく、元のデータが悪意に基づくデータだとするとどうするのか?
A.
・改ざんは想定している。
・ご指摘のとおり、元のデータが悪意に基づく場合の対処は課題。

Q.モデルを有する人が強くなるとすれば、大企業など、持てるものだけが搾取する形になるのでは?
A.
・持てるものだけが勝つことを望んでいるわけではないが、そこはある程度仕方ない。
・資本主義を否定はしていない。
・サロンが流行っているが、サロンも、情報・データを唯一もっている人が主宰するから価値が高まる。

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●トーク(仮想通貨)
・サービスローンチの時期は未定。
・仮想通貨をテーマにしていると、胡散臭いと思われてしまう。
・JPモルガンが仮想通貨を発行すると発表。
・1ドル固定方式なら、仮想通貨である必要がない気もするがなぜか?
・その思惑は、中央銀行的なポジションを取りたい。
・銀行のシステムはダウンする。
・仮想通貨を利用するもう一つの思惑は、システムを持たなくてすみ、システムが落ちる心配がなくなること。
・JPモルガンの仮想通貨も一般人がマイニングするのか?
・確認はしていないが、おそらくそうだろう。

●トーク(AIと人材・教育)
・高校受験のときに、大学受験の条件(科目)を踏まえて高校を選んだ。
・漢文をやるくらいなら、中国語を教えたらよい。
・高校2年でプログラムに出会ってしまい、そこからはどっぷりとはまった。
・最初の1か月ほどは非常に苦労したが、あるときにふっと突き抜けた。
・インストラクションセットはあったが、CPUが1から順番に読み込んでいるという説明がなかったので分からなかった。
・それに気がついたら、あとはあっという間に飲み込めた。
・ニューラルチューニングマシーンがソートもできるようになってきている。
・小さい頃からプログラミングに親しんでいた。
・高専がもっと増えたらよい。
・高校生くらいまでは頭が柔らかいから、この時期にプログラミングをやるとすごく吸収できる。
・高校を卒業した時点でgoogleなどで求められる人材になれる可能性がある。
・高専の授業は遅れている。まだVB。
・プログラマーあるある。
・学校より家の方がPC環境が良い。

●Watson
・Watsonはただのマーケティングでは?
・IBMがうまかったのは、AIを擬人化したこと。
・研究部門の中にグランドチャレンジという仕組みがある。
・クラリティとシグニフィカントとフィージビリティの3つの視点で評価し、事業化できる仕組み。
・IBMのAIクラウドサービスはWatsonクラウドと読んでいるので、IBMのAIサービスはすべてWatsonサービスともいえる。
・Alexaも音楽端末とタイマーとしてくらいしか使われていない。
・朝起きて最初にAlexaにおはようを言う米国人にあった。
・理由は、おはようと話しかけるとジョークを返してくれるから。
・最初に話しかけるのは大きなハードル。
・癒やしは本当のマーケットかもしれない。
・初代のAiboも癒やし。
・癒やされるAIはマーケットが大きいだろう。
・ニーズはありそうだけど、少子化を助長することになるかも。
・Officeのアシスタント。
・ディープラーニングの前。
・文字認識のころに、日本のマイクロソフトがかわいいキャラをつくったら、米国本社からセクハラNGが出た。
・ポテンシャルやエネルギーを、どうマーケットに変えるか?
・モチベーションがイノベーションの源泉。
・欲望や性欲がエンジンだったりする。
・VRはキョリの概念をなくすかもしれない。
・たとえば動物園。
・上野動物園にいかなくても、VRでパンダに会う。

●遠隔操作ロボット
・遠隔操作ロボットはポテンシャルが高いと言われている。
・ロボットを自律走行させるのは難しいが、遠隔操作は比較的簡単。
・人が遠隔操作するお掃除ロボットの可能性を感じている。
・画像認識のレベルはあがってきた。
・インプットをもとに判断しているだけ。
・人間はもっと多くの要素、物理法則なども考えている。
・考えているというよりは、経験則からシミュレーションしている。
・このシミュレーション能力をAIはまだ獲得できていない。
・ボールのはずみ、部屋を出たらエレベーターに乗るなどのシミュレーションですら、AIはまだできない。
・人間のすごいところは、物理学者より先に、物理法則を経験・体感的に獲得していたこと。
・人に伝えるために、数式や法則をリバースエンジニアリングで導き出した。
・幼児ですら、様々な物理法則を理解してしまう。
・化学反応が連鎖的に起こることで思考が創発されるすごさ。
・AIの研究開発は、相対性理論が出たときに近い段階。
・ディープラーニングの登場でAIは一段あがった。

●この先は?
・今の延長線上でまだあがっていく段階。
・逆に言えば、まだ成長途上の初期段階。
・毎月のように新しい発見がアーカイブというオープンネットワークに公開されている。
・自分で自分をプログラミングするAIは、囲碁では実現された。
・自分で自分をプログラミングするAIを生み出すAIはまだ。
・このAIが実現すると、シンギュラリティに到達する。
・子育てに近い。
・子どもは勝手に、はう、立つ、歩くなどを身に着けていく。
・AIも同様。
今のAIは画像の概念は獲得できたが、時間の概念が獲得できていない。
・AIが時間の概念を獲得すると、シンギュラリティに到達する。
・自動運転に関しては、技術的な問題よりもレギュレーションの課題が高い。
・テスラの自動運転はまだ怖い場面が多い。
・交差点後の通行レーン、隣の車両が近づいてきた時の対応など。
・機械リテラシーも課題。
・日本人は機械リテラシーが弱い。
・自動運転よりも、車や移動そのものがなくなる可能性もある。
・外に出なくても、かなりの部分は生活、仕事ができる。
・健康の問題はまた別。
・VRで家の中でも楽しんで運動ができればよい。
・極論すれば、首から上があればよい、という意見もある。

◆質疑応答
Q.起業する場合、エンジニアと経営するのとどっちがよいか?
A.
・経営の方がベター。
・エンジニアは作業者になってしまう人も多い。
・自然も人も階層システム。
・階層の上層にいる方が強い。
・上層にいられる可能性が高い方法を考えた方がよい。
・エンジニアのバックグラウンドがある人が起業する方が、投資家や働く人からみて魅力的。
・魅力的なので、資金や人材が集まりやすい。
・AIやブロックチェーンももう強豪が多い。
・eスポーツの選手なんかはまだ可能性があるかも。
・VRでドローンを飛ばすレースなどが生まれ、VRドローンレーサーという職業も生まれるかもしれない。
・あるいは、VRドローンレースというシステムを握るビジネスもあり得る。
・何をやるにしても、人より1歩半くらい先をねらう。
・とりあえずやってみることも大事。
・テクノロジーとマーケットをどう組み合わせるか?が勝負ポイントになる。

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