【レポート】FINDERS SESSION VOL.6 田崎佑樹さん(KANDO)と語る「世界を変えるテクノロジーにこそ求められる、優れた人文科学・ビジネスプランとの融合」(2019年2月13日開催) [2019年02月15日(Fri)]
2019年2月13日(水)にFINDERS主催で開催された「FINDERS SESSION VOL.6 田崎佑樹さん(KANDO)と語る「世界を変えるテクノロジーにこそ求められる、優れた人文科学・ビジネスプランとの融合」」に参加しました。
人文科学との融合というテーマに惹かれて参加しましたが、歴史に学ぶ、二元論ではなくグラデーション、文化育成の重要さ、思考実験でメタ化、倫理や哲学の壁を超えて社会形成、などなど、田崎さんのお話、想像以上に知的刺激にあふれて面白かったです。 備忘録的なメモをアップします。 【レポート:FINDERS SESSION VOL.6 田崎佑樹さん(KANDO)と語る「世界を変えるテクノロジーにこそ求められる、優れた人文科学・ビジネスプランとの融合」(2019年2月13日開催)】 ◆CNSとFINDERSの紹介 ・ビジネスマンにクリエイティビティを。 ・クリエイターにビジネスマインドを。 ・スキマ時間を未来への投資へ。 ・月間40万人のユニークユーザー、220万ページビュー。 ・平均ページ滞在時間が4分超。 ◆田崎佑樹氏(KANDO CEO) ・KANDOを2018年に設立。 ・インタラクティブ作品の制作。 ・アートと建築。 ・主は建築。 ・エルマーと竜の絵本に触発され、冒険家になりたかった。 ・インディージョーンズのような探検家兼考古学者を志望。 ・東京のインテリアデザインがNYより攻めていた時期に日本に戻った。 ・インテリアと建築。DJとシンガーソングライターの違い。建築の深さ。 ・WOWでコマーシャル製作に関わる。 ・アートと建築。 ・考古学、建築、アート&サイエンスの融合で、KANDOへ。 ・根元の問い「我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?」 ・英国のサッチャー首相は、議会メンバーに歴史家を必ず入れた。 ・20世紀は物質主義、テックドリブン。 ・モノをつくって、売って、買ってという世界の限界。 ・20世紀までは西洋社会が圧倒的。 ・西洋社会は基本は二元論。 ・二元論はパワポでは分かりやすい。 ・21世紀は概念化、ビジョンドリブン。 ・世界が概念化された。 ・想像力をシェアできることが、ホモ・サピエンスのすごさ。 ・物質主義の世界では、想像力は型にはめられる。 ・概念化された世界では、世界を指し示す方向性が重要。 ・クリエイティブといいながらも、受注と発注の関係では世界を突破できない。 ・ビジョンを持つことで、世界を突破できる。 ・リアルテックファンドの永田さんにデザインは投資の対象になるか?と聞いたら、ならないと言われた。 ・デザイナーである限りは、受注と発注の関係に縛られることに気がついた。 ・自分はどうでもいい。 ・未来を変えられるかどうか。 ・未来を変えるには、デザインは脆弱だと感じた。 ・絵を買うのはすごいこと。覚悟が必要。 ・人間の想像力がサイエンスやアートにつながる。 ・想像力という根元が、実につながる可能性を模索。 ・想像力だけで先にいける人もいる。 ・手塚治虫、宮崎駿など。 ・ビジョン=リアリティ×クリエイティビティ。 ・ENVISION Design。 ・クリエイティビティ・人文(リベラルアーツ)、ビジネス・ファイナンス、技術・サイエンスを三位一体で。 ・社会実装と新文化育成。 ・文化育成の重要さ。 ・二元論ではなくグラデーションの世界。 ・経済→文化→文明の進化プロセス。 ・米国の大富豪は、自分たちに文化がないことを自覚していた。 ・だからロックフェラーなどはパリに行って印象派の絵画を購入した。 ・この印象はのコレクションをみたジャクソン・ポロクが、このコレクションを抽象的に模写し、抽象絵画というジャンルができた。 ・サイエンスの世界も二極化。 ・社会実装を求められることで、短期的な成果への偏向も。 ・地球の資源に限りがあるので、経済の成長にも限界がある。 ・科学はその限界を突破できる可能性がある。 ・ビジネスとサイエンスは比較的結びつきやすい。 ・問題は文化(リベラルアーツ)。 ・相変わらず受注・発注の関係にとどまっている。 ・リバネス(サイエンティストの集団)。 ・0→1はリバネス、1→10はリアルテックファンドというエコシステムがある。 ・WHOLE UNIVERSE。 ・プロセス。 ・第1フェーズは思考実験。 ・思考実験によってビジョンを明確にする。 ・人文科学はサイエンスなので、非常に不快、難しい。 ・技術的な深さとやりたいことの深さがある。 ・メタ化しないとデザインに落とし込めない。 ・社会実装するには、倫理や哲学の壁を超えて社会形成する必要がある。 ・世論が形成されてしまうと、スタートアップはその世論に潰されてしまう。 ・たとえば、人口培養肉を食べることは倫理的に是か非か? ・本当に革命的なもの、世界を変える可能性があるものは、パワーを持っている。 ・このパワーが悪用のリスクと表裏一体。 ・歴史的に見ても、人間は人を殺すことが大好き。人を殺すことに悪用されてしまう。 ・思考実験で、ビジョンの形成と実現のストーリー化をする。 ・思考実験では、メタ的に「世界観」を考える。 ・たとえば、サイボーグ。 ・超長生きすることの是非、生じる問題などを徹底的に考える。 ・想像力で最大限に拡張した世界観から、バックキャストでマイルストーンやToDoを考える。 ・スティーブ・ジョブズも、プロダクトやサービスを考える際に、人類学者や人文学者をチームに入れて徹底的に議論した。 ・サイボーグベンチャーのMELTIN。 ・ロボットとサイボーグは別物。 ・MELTINのサイボーグは、生体信号処理と指のテクノロジーが世界一。 ・設計思想が異なる。 ・指も、モーターではなく、生体と同様にワイヤー(模倣筋肉)で動かす。 ・パーソナリティモビリティシステムのWHILL。 ・クォリティへのこだわりは譲れない。 ・世界一の技術であれば、世界一のクリエイティブで。 ◆質疑応答 Q.リクルーティングはどうしているのか? A. ・WHOLE UNIVERSEと組んで、テーマ毎にキュレーションしてもらう。 ・JSTとのコラボも重要。 ・大学の役割の見直しも必要。 ・想像力と知性が根幹にあることは、これからの社会にとっても大前提になる。 Q.未来のことを考えている多様な人が参加できると良いのでは? A. ・仲間には漫画家もいる。 ・マンガナイトを主催している山内さんなど。 ・手塚治虫がいたことの奇跡。 ・海外に行くと、自国の歴史やバックグラウンドなどをひたすら聞かれる。 ・良い意味で日本人の狂気さ。 ・ホッケ三郎の日本刀は1000年保証がついてくる。 ・アーティスト、スポーツマン、サイエンティストは、個人では世界で戦える。 ・教育、育成への投資額は多くはない。 ・歴史を見ると一定のパターンがある。 ・大きな脅威、外的要因が発生すると、綺羅星のごとく優秀な人材が出てき、再生や成長が実現される。 ・江戸時代の職人はマニュアルがない。 ・背中を見て受け継がれる、身体的伝承。 ・日本人は非常にエゴイスティックな民族。 ・東京オリパラのロゴ問題の時も、あれだけ足をひっぱりあう。 Q.ここ10年、急成長したベンチャーは、派手に成長し、法倫理を自分都合で解釈し、華々しく散った印象。 A. ・30代くらいの世代は、社会のことを考え、人類に貢献したいと本気で思っている起業家が多い。 ・これは、以前の派手な急成長ベンチャーとは異なる。 ・リアルテックファンドの永田氏やラクスルの松本氏などは、アーティストと思ってつきあっている。 以上 |