準輻輳海域における航行安全確保に関する調査[2010年10月20日(Wed)]
「準輻輳海域における航行安全確保に関する調査」第2回委員会
日本海難防止協会主催による「第2回 準輻輳海域における航行安全確保に関する調査委員会」を9月14日(火)に日本財団ビルの会議室で開催しました。東京海洋大学 今津副学長(委員長)をはじめ海上保安大学校 長澤名誉教授ら学識経験者5名、海事関係者13名、国土交通省総合政策局総務課1名、海上保安庁交通部2名、海上保安庁海洋情報部1名、第三管区・第四管区・第五管区海上保安本部 交通部長ほか数多くのオブザーバーの方にご参加頂きました。
今回の調査委員会では、先ず全国漁業協同組合連合会の協力の下、太平洋岸に位置する漁業協同組合において実施したヒアリング調査結果を整理しました。調査内容として操業する漁船の漁法、漁場、操業時期、操業時間、そして漁船の大きさや乗組員数を基礎調査内容として、その他にヒヤリハット体験や操業に使用する情報の種類や入手経路等を尋ね、単にアンケート調査のような一律な書面ではなかなか回答頂けない漁業者の意見をまとめました。留意点として、調査にあたってヒアリング対象者が限定された点、また、調査した漁船操業場所が現在の状況を反映してはいるものの恒久的なものではない点が挙げられますが、今後の安全対策を検討するにあたって貴重な資料となりました。単に関係者に対する参考資料としての役割ばかりでなく、AIS航跡解析において漁船操業時間と商船通航時間帯の重複の有無を検証する際にも重要な役割を果たすデータとなることが見込まれました。引き続き太平洋岸の漁業協同組合に協力を仰ぎながらヒアリング調査を続け、情報データでカバーすることができる海域を広げていく予定です。
次にAIS航跡データの解析例を整理しました。昨年度の検討結果では商船の航跡を通過点ごとについて解析しましたが、今回は時間ごとに商船の通航密度を解析しました。これにより漁船操業時間と商船交通の輻輳する時間帯にズレがあることを把握することができました。主に日本船長協会が設置する自主分離通航帯付近の海域においてAIS航跡データを時間ごとに分析することで、船舶交通の安全対策に寄与できる解析結果に結び付けられるデータが得られるのではないかと期待される結果が示されました。
最後に、過年度において財団法人 日本航路標識協会が調査した研究内容に基づき、既存の情報整理と確認を行うとともに、現在IMOに日本から提案中である新たな仮想航路標識に関する紹介が行われました。AISを使用した安全対策として現在技術的に可能であることが多くあることを認識しつつ、今後の動向として基本的な技術は国際的に共通にしておかなければならず、安全対策の構築に向けて議論していくには世界的な情勢を見据えながら最新の情報を常に確実に把握していくことの必要性を確認しました。
次回委員会は12月1日に開催予定です。



