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東京湾で5年ぶり 海保の大規模展示総合訓練 [2017年06月16日(Fri)]

巡視船艇14隻と航空機4機が参加
4300人が好天の中で参観
5月20、21日に実施

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(写真は、火災船からの黒煙が上がる中で、吊り上げ救助訓練を見学する巡視船「いず」乗船者=5月20日、巡視船「つがる」から小林利光撮影)

 海上保安庁の巡視船艇や航空機が集結し、日ごろの業務や訓練の成果を披露する三管本部主催の展示総合訓練が5月20、21の両日、東京湾・羽田沖で行われた。
 巡視船艇14隻と航空機4機、さらに特殊救難隊や機動防除隊が参加して、編隊航行や吊り上げ救助、海上防災、テロ容疑船捕捉・制圧、高速機動連携などの訓練を次々と展開した。
同庁の東京湾での大規模な訓練は平成24年6月の第56回観閲式・総合訓練以来とあって、1万人以上から参観応募があり、抽選により海上保安友の会会員や一般など2日間で計約4300人の参観者が3隻の巡視船から盛んに拍手を送った。

 参観する側の「視閲船隊」は1番船が「いず」(PL31、横浜)、2番船「やしま」(PLH22、福岡)、3番船「つがる」(PLH02、函館)。このうち「やしま」には視閲官として1日目は石井啓一・国土交通大臣と中島敏長官、2日目は根本幸典・国交大臣政務官と花角英世次長がそれぞれ乗船。訓練の総合指揮官は大根潔・三管本部長が務めた。
 
最初の編隊航行・飛行訓練では、参観を受ける「受閲船隊」として第一小隊〈ぶこう(PL10、横浜)・すずか(PL68、尾鷲)・かとり(PM51、銚子)〉、第二小隊〈あかぎ(PS14、茨城)・あしたか(PS07、横須賀)・こうや(PS12、田辺)〉、第三小隊〈すがなみ(PC87、横須賀)・いそぎく(CL135、東京)・しおかぜ(CL48、川崎)〉の9船艇が白波を立てて、視閲船の右舷前方から後方へ航行。

 続く「受閲航空機隊」として回転翼機「いぬわし」(MH691、羽田)と「はいたか」(MH919、つがる搭載)、固定翼機「みずなぎ」(MA722)と「うみわし」(LAJ500、羽田)が次々と低空飛行した。

 受閲船隊の各船上では乗務員が整列して最高の「歓迎、感謝」の意となる「登舷礼」を視閲船隊に示し、観閲台の視閲官もこれらに答礼した。

 人命救助・海上防災訓練ではタンカーの爆発炎上を想定。特殊救難隊が吊り上げ救助、機動防除隊がガス検知作業などを行ったほか「ひりゆう」(FL01、横浜)や「よど」(PC51、鹿島)、「はまかぜ」(CL50、横浜)も出動した。

 訓練両日とも、真夏を想起させる好天気。東京・晴海ふ頭の「やしま」「つがる」の乗船者の中には朝4時から一番乗りで並んでいた人も。
海上保安庁音楽隊は同ふ頭や「やしま」のヘリ格納庫で演奏を披露。
また、大勢の参観者を乗せた視閲船などの海域警戒のために、特殊救難隊や三管区をはじめ二、四管区からも計約20隻の巡視船艇が応援に来た。 
(小野信彦記者)

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(写真は、編隊航行訓練を巡視船「やしま」に乗船して見学する人々=5月20日、小林利光撮影)