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海保と日赤が業務協定 [2015年03月20日(Fri)]

赤十字.jpg

 南海トラフ地震や首都直下地震などの広域大規模な震災に備えて、海上保安庁と日本赤十字社は3月6日、相互に協力して空路や海路から迅速、円滑な救護・救援活動を行うための業務協定を結んだ。
 
協定は、双方に担当窓口を置いて連絡体制を確立し、災害時に情報を共有すること。互いに協力して傷病者の応急救護活動や搬送などを行うこと。
 巡視船艇や航空機を使って、日赤救護班や医療救援物資の輸送を行うことなどが内容。そのための具体的な計画を近く策定し、定期的な共同訓練も実施する。
 
 これまでは海保の各管区や保安部と日赤各支部とで地域レベルでの協力はあったが、平成25年10月の台風26号による伊豆大島土石流災害では、域での連絡体制が整わずに円滑な初動協力ができなかった。このため本庁、本社レベルで協定を結び、相互協力を確認した。
 
 同日午後に東京・霞が関の海上保安庁会議室で行われた調印式では、佐藤雄二長官と近衛忠輝・日本赤十字社社長が互いに調印書に署名し、しっかりと握手を交わした=写真。
海自輸送艦「おおすみ」事故で運輸安全委報告 [2015年02月25日(Wed)]

◎釣り船、直前に進路変更
◎輸送艦はより早く減速を

 広島県沖の瀬戸内海で昨年1月、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(排水量8900d、全長178b)と釣り船「とびうお」(5d未満、全長7・6b)が衝突して釣り船が転覆し、船長ら2人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会(後藤昇弘委員長ほか委員4人)は2月9日、釣り船が輸送艦の左舷前方で右に進路を変え、輸送艦の回避が間に合わなかったことが原因とする調査報告書を公表した。
 輸送艦に対しては、釣り船の接近に対応できる余裕ある航行や、注意喚起信号を活用していれば事故を回避できた可能性があると指摘した。

 同委員会は、民間情報会社が受信した輸送艦の船舶自動識別システム(AIS)による航行データや、輸送艦に搭載された「レーダー映像」や「簡易型艦橋音響等情報記録装置」による音声記録などを分析。さらに関係者から事故当時の状況を聴取した。
 
 報告書によると、衝突事故は1月15日午前8時ごろに起きた。その日、輸送艦は広島県・呉港から岡山県玉野市に向けて航行。釣り船には船長と釣り客3人が乗り、広島市から大竹市・阿多田島南沖の甲(かぶと)島沖の釣り場に向け航行していた。
 
 事故の約6分前の7時54分ごろに、輸送艦は進路を真南に取り時速約32`で直進。その時、釣り船は、輸送艦の左前方約1000bの海上を南南西に向けて時速約28`で直進していた。双方がそのまま直進すれば、釣り船は輸送艦の前方約60bを横切るものと想定された。
 
 ところが、双方の距離が徐々に近づいたことから、輸送艦の艦長は7時58分40秒ごろから減速を段階的に指示。一方の釣り船は同59分ごろから進路を右に転換し、輸送艦の船首に接近したため、輸送艦はさらに強い減速と5回の警笛吹鳴し、右舵一杯に切ったが、間に合わず衝突。
 釣り船は輸送艦の左舷側にすれた状態で後方に移動し、強い右旋回の輸送艦船尾に押されて船体が左に傾斜し、転覆した。
 
 輸送艦に対し、同報告書は「より早い段階での減速、より大幅な減速を行うなど、小型船との接近に対応し得る余裕のある航行をするか、衝突予防の見地から注意喚起信号を活用していれば、本事故の発生を回避できた可能性がある」と指摘している。
 
 今後の同種の事故防止策として、小型の船舶に対しては、大型の船舶の特性(@減速や停止に時間や距離が必要A見かけより高速で航行しているB船橋から至近距離の小型の船舶が見えないC喫水が深いため、水深の浅い水域では航行が制限される)を踏まえて、大型の船舶の動静を適切に監視し、至近を通過しないことが必要としている。また、大型の船舶に対しても、小型の船舶の動静を適切に監視するとともに、自船の操縦性能を踏まえ、適切な時機に注意を喚起する信号などの措置をとること、を操船者に求めている。
 
 この衝突事故について広島保安部は昨年6月、輸送艦の艦長と航海長、死亡した釣り船の船長の3人を業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の容疑で、広島地検に書類送検した。輸送艦側は「見張りが不十分」で、釣り船の動静を十分に把握せず、適時適切な操船を行わなかった。
 釣り船側は「見張りを怠った」として、それぞれの過失を判断した。(小野信彦記者)
犬吠埼灯台の霧笛舎が登録有形文化財に [2015年02月24日(Tue)]

犬吠埼灯台と霧笛舎.JPG

 銚子市の犬吠埼灯台構内で2月3日、「旧犬吠埼灯台霧信号所霧笛舎」の文化財登録証および登録プレートの伝達式が行われた。(写真の左のラッパ状のものが屋根についているのが霧笛舎)

 この霧笛舎は、犬吠埼灯台の附属施設として、明治43年4月1日に設置され、平成20年3月31日まで98年間に渡って稼働。特に春先から初夏の濃霧発生の時期に、犬吠埼から音響を船舶に向けて発する霧信号所として活躍した。

 平成19年に廃止方針が決まると、撤去を懸念する声が銚子市民から寄せられた。
 地元で灯台の歴史、文化の継承活動を進めている「犬吠埼ブラントン会」では、代表幹事の仲田博史さんが中心となり、霧信号所の歴史と文化を後世に残すための「7つの提案」をまとめ、平成19年11月に提案した。

 こうした熱意が原動力となり、霧信号所の建屋部分(霧笛舎)の歴史的、文化的価値に関する調査が行われた。
 東京工業大学の藤岡洋保教授による調査により、霧笛舎は「現存する唯一の明治期の霧笛舎の遺構という点で極めて高い文化遺産としての価値を有している。
 地域の近代化を象徴する文化遺産として、保存・活用されて行くことが望まれる」との結論が出された。これを受け、登録有形文化財化の手続きが進められ、昨年12月19日、文化財登録原簿への登録が文化庁により告示された。

 伝達式では、文化財登録証が越川信一銚子市長から楢原義則銚子保安部長に手渡された。
 楢原部長は「文化財登録を契機に、財産管理者として、施設の保全をはじめ地域連携の貴重な目玉として活用していく」との決意を述べた。
 また江口満・三管本部交通部長は「昔、巡視船の乗組員として霧中を航行した際に、霧笛の音に励まされた」と体験談を交え祝辞した。

 最後に「犬吠埼ブラントン会」の仲田代表幹事が「灯台、霧笛舎は銚子の文化の象徴。銚子住む人や、今は銚子を離れている地元の人が、故郷を誇りに思える街づくりに活かしたい」と熱く語った。
 文化財登録に貢献した仲田さんに市長から感謝状が贈られた。          (銚子)
犬吠埼2面.JPG
浸水漁船の28人救助 [2015年02月23日(Mon)]


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神戸保安部の巡視船「せっつ」(岡正博船長、乗組員38人)は2月1日午後4時10分ごろ、三重県大王崎の南約480`の海上で、機関室に浸水し救助を求めてきたカツオ一本釣り漁船「第七音代丸」の乗組員28人(日本人8人、キリバス人20人)全員を救助した。

 事故当時、「せっつ」は大王崎南西約400`の時化(しけ)模様の海上を神戸に向け北上中だった。同日午後零時40分、五管本部経由の海難情報を受け、直ちに遭難船舶の位置を確認したところ、南約90`の位置だったため、反転し急行。
 レーダー画面上にレーダートランスポンダ(遭難自動通報設備)の映像を認め、遭難船舶を確認した。
 
 午後2時40分、現場に到着。
 現場の気象は晴れ、北北西の風14b、波2b、うねり4bで、風浪により警備救難艇の使用は不可能な状況だった。
 このため、漁船乗組員が移乗した救命いかだを、「せっつ」に引き寄せて収容することにした。
 
 沈没寸前の漁船から救命いかだ2基を離船させ、強風の中、松田純奈航海士補の巧みな近距離もやい銃の発射で、救命いかだの上にもやい索を一発で命中させた。
 迅速な道索の結着により、救命いかだを引き寄せた。収容時に救助者の海中転落に備え、救命浮環やセイビングネットを準備し、サバイバルスリング(輪状の用具)で一人ずつ、つり上げて船内に収容した。

 日ごろの訓練、綿密な打合せで短時間で乗組員全員を負傷者もなく無事救助することができた。また今回の海難では、遭難船舶からの無線遭難信号の発信、レーダートランスポンダの適切な使用、救命いかだの遭難者との双方向無線電話による通信など、海難救助システムが有効に活用された。                              (神戸せっつ)
ロッテの新人王 石川投手が「118番」PRに登板 [2015年02月02日(Mon)]

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 千葉保安部は「2014年パ・リーグ新人王」に輝いた千葉ロッテマリーンズの石川歩投手=写真右=の協力を得て118番周知活動を展開した。

 石川投手への依頼に関しては、何のパイプもなかったので球団の電話番号を調べることから始まった。118番の周知活動で、ポスターとクリアファイルの作成、イベントへの参加を依頼したところ、快く了承をいただいた。

 ポスターとクリアファイルは、海上保安協会千葉支部の支援で作成。東京湾とQVCマリンフィールドを背景に、石川投手の豪快なピッチングフォームと「守ります! 千葉を海を絶景を」のキャッチコピーを配した。このキャッチコピーは、石川投手のヒーローインタビューの決め台詞で「絶景です!」を借用したもの。

 1月18日には、石川投手は巡視艇「しらうめ」に乗船し千葉港内におで118番を知らせた。
 その後、千葉ポートパークに場所を移し、一日海上保安部長任命式、インタビュー、海洋少年団団員からの質問、サイン争奪じゃんけん大会、海洋少年団団員との集合写真撮影と盛りだくさんのイベントに協力してくれた。
 
 千葉ポートパークには、多くの市民が集まり、ステージと客席が一体となったイベントとなった。最後に、来シーズンの抱負として「先シーズンは111奪三振だったので、118番にちなんで118奪三振を目標にがんばりたい」と締めくくった。           (千葉)
「118番」99%は無効通報 サンゴ密漁で激励、意見も [2015年01月30日(Fri)]

 平成26年の1〜12月に海上保安庁が受理した「118番」通報は50万5355件、このうち実際の事故・事件などの有効通報件数は4755件と全体の0・94%にすぎないことが同庁のまとめで分かった。
 ほとんどが間違い電話や無言、いたずらなどの電話で、昨年は特に中国漁船によるサンゴ密漁問題での激励や意見の窓口に利用された例もあったという。
 
 同庁の緊急通報用電話番号「118番」は、海難事故や悪質・巧妙化する密輸、密航などの事犯に対応するために、平成12年5月に導入された。19年4月からは、携帯電話などの通報者の所在位置を電子地図上に表示する「緊急通報位置情報通知システム」も導入し、さらに24時間体制での迅速、的確な対応に努めている。
 
 年間の通報件数は、初導入直後の13年に85万4141件を数え、その後、年々減少して近年は50万件前後で横ばい状態となっているが、通報内容の内訳で常に99%ほどを占めているのが間違い電話やいたずら電話など。
 
 昨年1年間の受理件数のうち99・05%にあたる50万600件が間違い電話などの無効£ハ報だった。
 同庁政策評価広報室によると、代表的な無効事例は、118番につながってすぐに切る「即断」や無言、さらに「本当にかかるんだ」と言って切るなどのいたずら電話。中国船のサンゴ密漁や領海警備などの問題で海上保安庁がクローズアップされると、激励や意見、苦情などの窓口として118番にかけてくる人たちや、「○○さんの電話番号を教えて」と電話番号案内と間違えている人、一方的に歌を歌い続ける人などもいたという。

  ☆救助や逮捕に結びついた通報も

 一方、昨年1年間の有効通報は、船舶海難関係が2万1988件(全体の0・23%)、人身事故関係が1万4383件(0・15%)、それら以外の通報が4万1315件(0・44%)。
 118番通報による全国での救助例も多々あり、中には、不通話となった通報者の携帯電話の発信源を特定して、転覆ボートにつかまって浮いていた4人を救助した例(敦賀保安部、5月17日)もあった。
 さらに漁協からの118番通報で直ちに航空機や巡視船艇を急行させ、サンゴ密漁中の中国漁船2隻の船長を現行犯逮捕した例(串木野保安部、11月17日)もあるなど、まさに118番は海の命綱≠ニしての重要性を増している。      (小野信彦記者)
人事院総裁賞に横浜機動防除隊 [2014年12月16日(Tue)]

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 国家公務員として国民生活の向上に努め、公務の信頼を高めた個人や職域(職場)の功績を顕彰する「平成26年度人事院総裁賞」の受賞者(2個人、3グループ)が12月1日、人事院により発表された。(写真は防除基地の職員たち)
 海上保安庁からは、20年近くにわたり海上での油や有害危険物質の流出事故などに対処している三管本部の横浜機動防除基地(宮本伸二基地長ら18人)が職域部門で受賞した。
 10日に東京・元赤坂の明治記念館で授与式が行われ、天皇皇后両陛下のご接見を受けた。

 人事院総裁賞は昭和63年に創設され、今回が27回目。各府省などから推薦された受賞候補の中から、大学教授や民間人など6人による選考委員会が選び、人事院総裁が個人・職域部門の受賞者を決定した。

 横浜機動防除基地は、平成7年(1995年)4月に三管本部救難課海上災害対策室に配置された「機動防除隊」を起源とする。
 これは、船舶の大規模な油流出事故に対する対応や協力体制などについて取り決めた国際条約「OPRC条約」に日本が同10月に加盟するのに伴い設置されたもので、当初は主任防除措置官(隊長)2人、防除措置官(隊員)6人の2隊編成だった。
 
 その後、山陰沖でのロシア船籍タンカー「ナホトカ」号重油流出事故(平成9年1月)、東京湾でのパナマ船籍タンカー「ダイヤモンドグレース」号原油流出事故(同7月)が起きたことから、海上防災強化のために「横浜機動防除基地」が10年4月に新設された。基地長と調整係長、機動防除隊(3隊12人)の編成だったが、さらに19年10月に1隊(4人)増強されて現在の総勢18人体制となった。

 機動防除隊の発足以来、これまでの出動件数は12月1日現在で通算326件。
 海上保安庁で唯一の海上防災の専門チームであることから、全国各地で発生する海上事故に4隊が手分けして出動する。現場では、油や有害液体物質の流出に対する防除作業や海上火災の消火作業などを行うほか、それらの措置に対する地元関係機関への指導や助言などを行っている。
 
 また、昨年11月にフィリピンで起きた台風30号の襲来によるバージ船重油流出事故では、「油防除チーム」として4隊員が現地に派遣され、油防除や回収の作業を指導、助言するなどして、沖合への流出を完全に阻止した。こうした海上災害に対するフィリピン沿岸警備隊の体制構築も支援するなど、機動防除隊の行動や活躍ぶりは海外でも高く評価されている。
 
 しかし、事故現場の隊員にとっては引火や爆発、有毒ガスなどの危険性や有害性が伴い、さらに長時間、長期間に及ぶ場合もある。これまでの1回の出動日数は平均4・8日、最長21日間の現場対応を強いられたこともあったという。
 
 今回の受賞について宮本伸二基地長は「現職員のみならず、誠心誠意、業務に尽くしてきた諸先輩方の努力と実績が認められたものだ。事故現場では少人数での対応なのであまり人目を引かないが、受賞を励みに国民の期待に応えられるよう、職員一同、気持ちを新たに業務に邁進していきたい」と喜びを語った。(小野信彦記者)
船底たたくと反応 夜間 転覆船の3人救助 [2014年11月26日(Wed)]

 10月17日午後9時10分ごろ、福島県いわき市の塩屋埼から約9`沖合で、2隻の台船を曳航(えいこう)し石巻に向け北上していた引き船(19d)の曳航索を、同じく室蘭に向け北上していた油タンカーが引っ掛け、切断した。
 引き船は転覆し、引き船の乗組員3人が一時行方不明となった。
 
 事故の第1報は、海に投げ出された引き船の船長が、生きる望みを託して携帯電話から行った「118番」通報。
 通報を受けた二管本部運用司令センターと福島保安部は、直ちに巡視船と航空機を現場に急行させた。
 
 司令センターからの無線の呼びかけで、付近を航行していたタンカーが転覆した引き船と船底にしがみつく乗組員2人を発見したが、荒天により救助不能とのこと。


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 午後10時40分ごろ、巡視船「あぶくま」(福島保安部)が現場に到着、同搭載警救艇が、寒さに震える2人を救助した。
 残りの1人は、巡視船「おしか」(宮城保安部)の警救艇乗組員が船底を叩いたところ、船内から叩き返す音が確認されたため、特殊救難隊と仙台航空基地機動救難士の到着を待つこととした。 

 この後、仙台航空基地のMH965で機動救難士2人が到着。救助された船長から船内形状を確認し、深夜の海に潜り、18日午前1時50分ごろ、船内から3人目の甲板員を無事救助した。
 救助された乗組員は、船室の中に残った空気をたよりに、船内にあった作業用ウェットスーツを着て待っており、救助された3人のなかで一番元気であった。(写真は、転覆船=上=の救助に向かう警救艇)
 
 巡視船「なつい」(福島保安部)で運ばれた特殊救難隊の現場到着とほぼ同時のことであり、遭難した3人全員を奇跡的に迅速に救助できたことに皆、ほっと胸をなでおろした。
 なお、17日午後10時ころ、司令センターからの無線で海難情報を聞きつけた加害船である油タンカーが、福島保安部に「もしかしたら本船かもしれない」と名乗り出てきた。(福島)
                  (「海上保安新聞」11月20日)
佐世保湾でイノシシ劇泳 [2014年11月18日(Tue)]

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 10月27日午後1時30分ごろ、長崎県佐世保湾の出入口である佐世保市高後埼(こうごさき)沖をパトロール中の巡視艇「つばき」の松田浩緒船長が海上で動く物体を発見した。
 近寄って確認すると、海を泳ぐ体長約80aのイノシシだった。
 
 直ちに本山貴雅航海士補が、その様子をビデオカメラで撮影。
 イノシシは水面に顔を出し、犬かきのように懸命に手足を動かしながら、対岸方向を目指していた。
 佐世保湾でイノシシが目撃されるのは珍しい。
 
 この映像を、七管本部を通して「海を泳ぐイノシシ」として報道機関に提供すると大きな反響があった。
 本山航海士補が電話インタビュー取材に対応するなど、テレビや新聞の全国版で報じられ、朝のワイドショーでも取り上げられた。
 
 巡視艇「つばき」ではとっさの事案に対応できるよう、バッテリーの充電状態の確認など撮影資機材の点検を日ごろから徹底しており、その成果で今回、発見から素早く撮影に入れた。
 
 なお、巡視艇「つばき」は、イノシシを撮影中に海難情報が入り、撮影を中止し現場を離れることとなった。その後、イノシシが無事に約1・2`離れた対岸までたどりつけたのかは不明だ。                       (佐世保)
「旅客船事故」で大規模訓練 [2014年11月06日(Thu)]

 一管、三管の両本部はこのほど、大型旅客船の海難事故を想定した合同訓練をそれぞれ行った。
 いずれも地元の民間旅客船会社や警察、消防、日本赤十字社などが多数参加しての大規模訓練で、関係機関・団体との連携を確認した。

◇三管本部
 神奈川県横須賀市の久里浜港沖合い海域と同港1、2号岸壁周辺で10月15日、海陸≠フ合同訓練を実施した。

 横浜保安部から巡視艇「いそづき」、横須賀保安部の巡視船「たかとり」、巡視艇「くりかぜ」、羽田基地のへり「いぬわし」や特殊救難隊(2隊)などが出動。さらに横浜水上警察署や神奈川県のDMAT(災害時派遣医療チーム)、日赤神奈川県支部の救護チームのほか、東海汽船の高速旅客船「セブンアイランド友」号と乗客役の180人の大学生など総勢368人が参加した。
 これほど大規模な訓練は三管として初めて。

旅客船三管.jpg
写真は「セブンアイランド友」号(手前)の甲板で曳航準備をする特殊救難隊の隊員たち=小野信彦撮影

〈伊豆大島から東京港に向けて航行中のセ号が久里浜港の沖合で漂流物に衝突。乗客多数が負傷し、同号も航行不能となった〉との想定で訓練開始。
船内では乗員が事故通報や救護活動を行い、事前乗船の特殊救難隊員や医師らが乗客誘導やけが人の程度分け(トリアージ)を実施。
 空からもヘリで特救隊員1人が降下し、けが人(ダミー人形)をつり上げた。
 
 さらに海上では「いそづき」がセ号に接舷し、日赤救護チームが移乗を行った。また、セ号を久里浜港まで曳航するために、「たかとり」から舫い銃を発射してロープで結ぶ訓練も行った。
 陸上では市職員や救急隊員、医療チームなどが、洋上搬送されたけが人の引き継ぎや収容、トリアージ区分ごとの医療活動などの訓練を行った。

 当日は台風19号の接近後で、強い風雨の荒れ模様の天候だった。
 乗客役の大学生の中には船酔いをした人もいた。ある男子大学生は「特救隊の方に背中をさすってもらったりして、助かりました」と話していた。    (小野信彦記者)

◇一管本部
 小樽港で10月20日、旅客船事業者や関係機関・団体と連携して、大型旅客船事故対応合同訓練を行った。
 今回の訓練は、新日本海フェリー株式会社から想定船(旅客船)の提供を受け、人員245人、巡視船艇8隻、航空機5機(固定翼機1機、回転翼機4機)、車両7台で実施、一管区ではこれまでで最大規模の旅客船事故訓練となった。


 訓練には、航空自衛隊千歳救難隊や小樽警察署、小樽市消防本部、小樽救難所など13機関が参加した。冒頭に坂野公治一管本部長が「大型クルーズ客船の道内寄港が近年大幅に増加している。
 旅客船の事故が発生した場合に被害を最小限に抑えるために、関係各機関の連携が極めて重要だ」とあいさつした。
 訓練は<北海道を周遊中の旅客船が小樽港南防波堤に乗り上げた>との想定で行われた。
 旅客船「らいらっく」(18、229d)内での乗客避難誘導訓練から、ヘリコプター4機による重傷者のつり上げ救助、はしご車による救助、海上の救命筏(ルビ、いかだ)からの救助を行った。
 さらに、巡視艇による漂流者の救助、救護所における応急措置まで、実際の旅客船海難を想定した一連の訓練が実施された。
 各機関ともに日ごろの訓練の成果をいかんなく発揮して連携救助活動を展開、全ての要救助者の人数確認までを確実にこなした。

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(写真は、「しれとこ」から負傷者のつり上げ訓練をするヘリMHZ909。左後方に旅客船)



 訓練の最後には渡邊良北海道運輸局長から「今後の事故対応の範となる素晴らしい訓練だった。更に関係機関で連携を強化し、万全の態勢を維持してほしい」との講評があった。
 地元メディアの注目度も高く、うち1社は中継車を投入してニュース番組中に生放送で訓練の模様を伝えた。                    (一管本部救難課)