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尖閣3番船「かびら」 下関で引き渡し式 [2014年11月24日(Mon)]

かびら.jpg

 三菱重工業(株)下関造船所で11月7日、巡視船「かびら」の引渡式が行われた。
 平成27年度中の確立を目指す「尖閣領海警備専従体制」の新造巡視船(計10隻)の3番船にあたり、同日、石垣保安部配属となった。

 「かびら」は全長96b、総トン数約1500dで、1、2番船の「たけとみ」「なぐら」と同型。
 式典では、引渡書と受領書の授受が行われ、汽笛の鳴り響く中、三菱重工の社旗に替わり海上保安庁の庁旗が掲揚された。
 乗組員紹介に続いて、佐藤善信次長が長官訓示を代読。「業務能力を向上させた本船は、国民の安心安全に大きく寄与すると確信している。乗組員諸君は我が国周辺海域の海上保安の要となり、国民の皆様の期待に答えるべく、業務にまい進していただきたい」と期待を述べた。
 
 報道陣のインタビューに白澤武馬(たけま)船長は「乗組員一丸となって明るく美しい海を守り、国民の皆様の安心安全に貢献していく所存である」と抱負を述べた。     (七管)
                          
上原亀一・八重山漁協組合長に「尖閣」について聞く [2014年11月20日(Thu)]

▼尖閣を 安全、安心の漁場に
▼気象施設や漁港の整備を
▼サンゴ密漁 中国漁船への取締り強化を
▼台湾漁船とは”住み分け”

組合長.JPG


 尖閣諸島周辺の領海警備の専従体制として、海上保安庁が来年度末までに新造する10隻の巡視船のうち1、2番船「たけとみ」「なぐら」が10月、石垣保安部に配属された。
 石垣港には6隻が同時係留できるドルフィン型桟橋や船艇用品庫、市内にも職員住宅などが整備される。
 職員も増員されて現在の約170人から600人規模の大きな保安部となる。
尖閣専従体制の強化に対する地元の受け止め方や考え方などを、八重山漁業協同組合の上原亀一(うえはら・かめいち)組合長(52)に聞いた。
           (小野信彦記者、写真撮影は米田堅持)
――専従体制では、石垣に新造船を含む12隻の巡視船が集結することになる。

 それだけの増強、対応は仕方のないことだ。
 これまでは海上保安庁が尖閣周辺海域を実効支配していたが、2年前の尖閣国有化以降、中国がこれまでにない圧力をかけてきた。多数の中国の船を、少数の海保の船で取り締まるのは無理だ。
 本来はそんなこともなく、安全、安心な周辺環境になり、操業できれば、それに越したことはない。
 体制の増強もある程度は仕方がないが、さらに過剰な増強になると、対中国的には逆効果になるのではないかと心配する。そうかと言って、南シナ海の中国の西沙諸島、南沙諸島などでのやり方を見ると、尖閣周辺でも中国がどんなことをやってくるのか不安になる。
 この2年間、海保はしっかりやっていると思う。個人的にも知っている人もいて、苦労も聞いているが、海保官たちはなかなか泣きごとを言わない。
 しかし異常ですよ。尖閣警備だけのために、これだけ全国から巡視船や職員を集めてローテーションで回すなんて。

――尖閣諸島についての要望は。
 
 尖閣諸島海域は好漁場だ。
 しかしここから遠いので、小型船が安心して向こうに行けない。そのための停泊できる漁港を尖閣に作ってほしいと政府に要望している。
 同時に航路の安全のための灯台や漁業無線の中継局や気象観測の施設なども必要だ。
 とくに気象観測施設は、中国船や台湾船などを含めた周辺漁業者のための情報施設となる。
 北緯27度以南の海域は中国や台湾の漁船も操業できるわけだし、その漁業者のための人道的な施設となれば、中国にも建設反対の理由はないのでは。
 気象情報はなるべく近い島から発した方が有効だし、そうした地道な実効支配ができればいい。
 例えば北から時化(しけ)るにしても、こちら(石垣島)では与那国島での海象情報が出てから約2時間後に時化てくる。
 尖閣・魚釣島からだと約6時間後だ。
 この海域には漁船のほかに多くのレジャー船や海洋・海運関係施もあるので、早くウォッチして、早めの対応ができる。
 尖閣に施設を作ることが、多くの人々の安全・安心につながると思う。

――日中漁業協定では対象外となっている尖閣諸島を含む北緯27度以南の東シナ海について、日本と台湾は昨年4月「日台漁業取り決め」を締結した。尖閣諸島の領有権を主張する中国と台湾との連携を阻むのが狙いとみられるが、漁獲高や操業方法などのルールを決めないまま翌5月に発効した。その後の状況は。

 漁業者同士の交渉でルールはできつつあるが、日本側に不利な部分があるので、少しでも有利な方向になるよう交渉を続けている。
 例えば、「漁業取り決め」で定めた「法令適用除外水域」の一部海域では、マグロはえ縄漁(注:長さ50〜60`の幹縄(みきなわ)に釣り針付き枝縄を多数付けて投縄(とうなわ)し、揚げ縄して行う漁法)を台湾漁船は1マイルの船間距離、日本漁船は3〜4マイル空けてやっている。
 ところが投縄の方向は基本的に台湾が東西、日本は南北に仕掛けるので、台湾漁船が先に投縄すると、日本漁船が仕掛けるすき間がない。
 あえて操業すればトラブルになるので、こちらが操業を控えざるを得ない。

――台湾漁船との競合はどうしたらよいか。
 
 目指しているのが、操業時間を違えての住み分け≠セ。台湾漁船は夜中に投縄し朝に揚げる。日本漁船は朝に投縄し夕方までに揚げることで、同じ海域を分けることはできないかと。実際に取り組んでみたが、まだお互いに十分検証しきれていない。この方法での操業範囲をもっと増やしてはどうかと提案している。

――「法令適用除外水域」には尖閣諸島も含まれる。
 
 確かに尖閣周辺の日本の領海も含まれているが、台湾漁船は尖閣周辺の領海を侵犯しないはずだ。
 台湾とは話し合いができており、領海侵犯をしないことを前提に「漁業取り決め」を結んだ。それだけに台湾漁船の取り締まりは、海保にとっては重荷にならないはずだ。
 海保が力を入れているのは、むしろ中国公船への対応では?

 ――中国公船による領海侵入は続いているが、かえって中国漁船による領海内での違法操業が目立つ状態になっている。
 
 それは我々の認識とは逆だ。尖閣周辺では現在も、領海侵犯をしない限り中国漁船の操業は認められている。
 中国漁船による巡視船衝突事件(平成22年9月)前までは、尖閣諸島の北の海域で約150隻の中国漁船が操業していることは聞いていたが、その後の操業は聞いていない。マスコミからは中国公船の領海侵入の情報ばかりだ。
 中国漁船による違法操業が増えているなら、もっと情報を流し、明らかにすべきだ。

 ――中国漁船との競合は。
 
 基本的に尖閣から北の海域では沖縄の漁船は操業していないので、中国漁船とかぶることがない。
 沖縄の漁船は尖閣以南が基本的な操業区域。マグロはえ縄漁でかぶるのは台湾漁船の方だ。
 巻き網漁やトロールも中国、台湾にはあるが、沖縄にはない。巻き網漁は長崎にもあるので、中国漁船とかぶるのは長崎の方かもしれない。
 むしろ中国漁船で問題なのはサンゴ漁だ。小笠原諸島の方でも問題になっているが、沖縄でももっと取り締まってもらわないと。
元々沖縄ではサンゴ漁はやっていない。
 問題は中国の漁法だ。サンゴを錘で砕いて、網で引っかかったものを船に引き揚げる。それでは資源を枯渇させる。
 ほとんどサンゴは根絶やしになっているのではないか。
 サンゴ漁の中国船の数は、それこそ尖閣周辺での比ではない。先日、石垣保安部がサンゴ漁の中国人船長を逮捕したが、ほんの氷山の一角だ。
 宮古島沖のある領域では、100隻以上の船が集まってサンゴ漁をしていたこともある。
 すべて中国船だ。北緯27度以南での自由操業ができないように、中国とも改めて漁業協定を結ぶべきだという声もこちらの漁業者から出ている。



尖閣専従体制「たけとみ」「なぐら」 石垣保安部で披露 [2014年11月05日(Wed)]

▼「史上最大の体制強化」と佐藤長官
▼石垣保安部 職員600人体制へ

 尖閣諸島の領海警備強化のために石垣保安部に初配備された2隻の新鋭巡視船「たけとみ」「なぐら」の就役披露式が10月25日、沖縄県石垣市内のホテルで行われた。
 あいさつに立った佐藤雄二海上保安庁長官は「海上保安庁66年の歴史の中でも最大規模の体制強化だ」と意義を強調した。(小野信彦記者)

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   (写真は石垣港岸壁に接岸した「たけとみ」(右)と「なぐら」=巡視船「よなくに」から米田堅持撮影)
 
 式には佐藤長官をはじめ十一管本部の秋本茂雄本部長や石垣保安部の赤津洋一部長、沖縄県知事代理の川上好久副知事や石垣市の中山義隆市長、与那国町の外間守吉町長など地元関係者を含めて約200人が出席した。
 
 「たけとみ」「なぐら」は平成27年度中の確立を目指す「尖閣領海警備専従体制」の新造巡視船の1番船、2番船となるもの。全長96b、総トン数約1500dで、ヘリコプター離発着の飛行甲板などを備える。計画では新造の1000d型巡視船10隻、那覇保安部所属のヘリコプター搭載型巡視船2隻の計12隻で専従体制を組む。
 複数クルー制の導入で”14隻相当≠フ体制となる。

 式には3つのクルーの3船長(廣嶋彰、山田孝雄、豊田力)など乗組員計90人も出席し、幹部らが壇上で紹介された。
 式辞で赤津部長は「尖閣諸島の周辺海域が緊迫する中、各船長を中心に先鋭の乗組員が一丸となって任務の重要性を認識し、新鋭船の機能をフルに発揮し、我が国の領土領海を確保してくれるものと確信している」と激励。
 
 佐藤長官は尖閣領海警備の専従体制について「これほど大規模な体制強化は海上保安庁の歴史の中でも初めて」と述べ、「最新鋭の巡視船の配備で領海警備がより安全なものとなるほか、十一管区の総合力が大幅に強化され、地域の皆様の期待にも十分に応えていける」と強調した。

 出席者たちは式後、石垣港G岸壁に係留された「たけとみ」を船長らの案内で見学。青空の下、まぶしいほどの白色の船体に目を細めながら、熱心に船長らの説明に聞き入っていた。

 なお尖閣警備の専従体制の整備に伴い、6隻の巡視船が同時に係留できるドルフィン型の桟橋を新しく建造する。石垣保安部の職員数(現在約170人)も600人に増員されることから、職員宿舎を市内3カ所に確保する。
 うち1カ所は廃止予定だった国家公務員宿舎を修繕し、12戸が10月に供用開始された。
                        (「海上保安新聞」10月30日号より)
尖閣専従体制 巡視船「たけとみ」「なぐら」就役 [2014年10月08日(Wed)]

▼尖閣専従体制 1000d型巡視船の1番船と2番船
▼第十一管区海上保安本部 石垣保安部に配属された

「たけとみ」「なぐら」_edited-1.jpg

 海上保安庁の新鋭大型巡視船「たけとみ」と「なぐら」が完成し、引き渡し式が9月26日、三菱重工業渇コ関造船所(山口県下関市)で行われた。
 尖閣諸島の領海警備強化のために整備中の「尖閣領海警備専従体制」の新造巡視船10隻の1番船と2番船にあたる。両船は十一管本部石垣保安部配属となり、10月下旬にも警備業務に従事する。

 すがすがしく晴れ渡った秋空のもと、岸壁に全長約96bの2隻が並ぶ。
 式典では、引渡書と受領書の授受が行われ、続いて、三菱重工の社旗に替わって、紺色の海上保安庁旗がマストに掲げられた。

 両船の乗組員紹介の後、天谷直昭・本庁総務部長が佐藤雄二長官の訓示を代読。「業務遂行能力を向上させた両船が、国民の安心安全に大きく寄与するものと確信している。乗組員諸君は、我が国周辺海域の海上保安の要となり、地元関係者、国民の期待に存分に応えるべく、業務にまい進していただきたい」と期待を述べた。

 当日は、報道機関12社が取材に訪れ、関心の高さがうかがわれた。
 山田孝雄船長は報道陣に「本船の最新の装備を最大限活用し、安全かつ的確に業務を遂行できるように船内の体制を確立したい」と抱負を述べた。
 また、海上保安友の会七管支部の会員37人が招待され、式を見学した。

▼「くにがみ」「もとぶ」と同型
▼平成26年度末までに、あと2船が就役 

 両船は、十一管区に配備されている「くにがみ」「もとぶ」と同型。
 ヘリコプターが離発着できる甲板を持ち、排水量型でしけにも強く、速力25ノット以上を誇る。
20_機関砲や遠隔監視採証装置、停船命令表示装置を備えるなど優れた監視・規制能力を持つ。

 尖閣専従体制は、1000d型新造巡視船10隻と、既存のヘリコプター搭載型巡視船2隻の計12隻からなり、一部に複数クルー制を導入することで「大型巡視船14隻相当」の働きをする。
 
 新造巡視船は「たけとみ」「なぐら」に続き、3、4番船が下関造船所ですでに進水を終え、完成に向け建造中。
 また、5、6番船もジャパン・マリンユナイテッド磯子工場で進水している。
 平成26年度中に新造巡視船4隻が就役し、27年度末までに専従体制が整う予定だ。
                           (七管、本紙編集部)
                           (「海上保安新聞」10月2日号)
尖閣国有化から2年 外国漁船の違法操業が急増 [2014年09月16日(Tue)]

    
  中国公船 領海侵入96日 延べ317隻

 海上保安庁が平成24年9月11日に沖縄県・尖閣諸島の三島(魚釣島、北小島、南小島)を取得・保有してから丸2年が過ぎた。
この間、尖閣諸島周辺では、中国公船による日本領海への侵入が繰り返され、侵入日数は9月10日までに計96カ日、浸入隻数は延べ317隻にのぼる。
さらに中国などの外国漁船による違法操業も領海内で急増しており、領海警備の専従体制の早期確立とともに、外国漁船などによる不法行為に対処する新たな体制づくりも急務となっている。(小野信彦記者)
 (写真は中国の公船「海警2305」)

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 尖閣諸島を巡っては、昭和46(1971)年の沖縄返還を契機に中国、台湾が領有権を主張し始めた。
日本が52年に「領海法」を施行し、領海を海岸基線から原則12海里とすると、翌年に中国漁船が大挙して日本領海に侵入。
さらに平成8(1996)年7月に排他的経済水域(EEZ)を設定すると、香港や台湾、中国の活動家などの船舶が押しかけ、その後も領海侵入や接近を繰り返している。

 中国の公船については、20年12月に初めて、中国国土資源部国家海洋局の調査船「海監」2隻が領海に侵入し、9時間半にわたり領海内で徘徊した。
その後、22年9月7日に領海内で起きた中国漁船による公務執行妨害等被疑事件を機に、領海周辺にしばしば出現。
23年8月には中国農業部漁業局の漁業監視船「漁政」2隻、24年3月に「海監」1隻が、同7月には「漁政」4隻がそれぞれ侵入した。

 こうした中国公船による領海侵入は、24年9月の尖閣国有化で一層活発化した。
同月には3カ日の侵入で、延べ13隻が領海に入り、翌月には5カ日で延べ19隻が侵入。
平成25年7月には国家機関の統合で「中国海警局」が発足し、翌8月には7カ日で延べ28隻の「海警」が領海に侵入した。

 国有化以降、相次いでいる領海侵入だが、最近は当初と違った傾向もみられる。
領海侵入の頻度は平成24年9〜12月の4カ月間は計20カ日と、およそ6日間に1日の侵入割合だったが、今年1〜4月期、5〜8月期にはそれぞれ計10カ日と、12日間に1日の頻度になっている。

 尖閣警備の現場では「冷静かつ毅然とした対応」を貫いているが、さらに警戒を強めているのが、中国漁船などの外国漁船による領海内での違法操業だ。
活動家が漁船に乗り込んでいる可能性も否定できない。

 海上保安庁が外国漁船に警告し退去させた件数は、公務執行妨害等被疑事件があった平成22年こそ451件(対中国漁船430件)と多かったが、翌年は40件(同8件)に減少。
ところが尖閣三島を国有化した24年は71件(同39件)、昨年は124件(同88件)と急増し、今年は8月末までに、180件(同172件)に達している。

 このため来年度予算の概算要求では、引き続き尖閣専従体制の整備とともに、外国漁船による不審、不法行為などの監視や対処にあたる新型ジェット機や小回りの利く小型巡視船などの購入、新造費を計上。「隙(すき)のない海上保安体制」づくりを急ぐことにしている。
(「海上保安新聞」9月11日号より)
佐藤雄二・海上保安庁長官 定例記者会見から [2014年09月11日(Thu)]

  ● 領海警備に万全を期す
  ● 中国は、公船、漁船一体となり海洋権益のため活動
  ● 辺野古沖の警備 「安全確保」に全力

 尖閣三島の取得・保有から2年が経過したことについて、海上保安庁の佐藤雄二長官は9月9日の定例記者会見で「中国公船は常に領海周辺を周回しており、全体的な傾向は変わっていない」と述べ、今後とも「我が国の領土、領海を守るという断固たる方針で必要な体制を整え、領海警備に万全を期したい」と決意を語った。

 領海内で急増している中国漁船についても「軍艦や公船、海洋調査船などと一体となっての、中国の海洋権益を守るための活動だ」と指摘し、いっそうの警戒感を強めていることを示した。

 また沖縄県・辺野古沖の米軍飛行場移設工事の警備対応についても「現場は立ち入り禁止区域であり、複雑な潮海流の上に工事作業船の通航や抗議船も動き回るなど、通常とは異なる危険な状況だ。(現地十一管は)安全確保、法令励行の観点から警備体制を整え、しっかりやっている」と述べた。