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中国漁船の船長逮捕 [2016年01月18日(Mon)]

長崎中国漁船.jpg

 1月2日午後5時5分ごろ、長崎県の男女群島・女島灯台の西約56`の海域を哨戒中の長崎保安部の巡視船「でじま」が、日本の排他的経済水域(EEZ)内を領海に向け東航する不審な中国漁船を発見した。
 (写真は、「でじま」の警備救難艇が中国漁船に強行接舷して乗組員が移乗)

 その直後に同船が急反転したため、EEZ漁業法に基づく立入検査のための停船命令を発令した。しかし中国漁船は、音響、発光、進路規制などあらゆる手段による停船命令を無視して逃走を続けたため「立入検査忌避」を認定し、約2時間にわたり追跡した。

 「でじま」は警備救難艇を降下させ、逃走する中国漁船の一瞬のすきを突いて強行接舷を敢行。移乗した海上保安官が中国漁船を停船させ、同午後8時24分ごろ、女島灯台西約84`の海上で、帳林根船長(39)をEEZ漁業法違反(立入検査忌避)で現行犯逮捕した。
 
 その後、五島保安署の巡視船「ふくえ」によって、国際捜査官の応援派遣を受けた。現場で捜査と、担保金制度の手続きをとり、4日午後3時52分、張船長を釈放した。
 
 長崎保安部が管轄する男女群島周辺海域は、外国漁船による密漁の頻発海域であり、保安部の最重点事項として巡視船による厳重な哨戒を行っている。
 同保安部では、昨年10月にも船名をペンキで塗りつぶした中国サンゴ漁船を検挙しており、今後も悪質な外国漁船による違法操業に対して厳正に対処する。(長崎)
護衛艦衝突事故 「マスト灯間隔」で漁船が錯覚の可能性 [2015年07月30日(Thu)]

▼漁船が直前に右転した理由は……
▼護衛艦 前後のマスト灯の間隔が狭く
▼護衛艦が対抗してきたと誤認か
▼海保大・西村准教授が シミュレーターで検証

 「漁船はなぜ右に舵(かじ)を切ったのか?」。
 7年前に千葉県房総半島沖で未明に発生した海上自衛隊の護衛艦と漁船の衝突事故をもとに、海上保安大学校の西村知久准教授が、現役のPC(30b型巡視艇)船長らを対象に操船シミュレーター実験を行った。
 その結果、漁船は護衛艦の極端に間隔が狭い前後部マスト灯によって「護衛船がこちらに向かって来る」と錯覚し、衝突を避けようと右転した可能性のあることが分かった。
 巡視船も護衛船と同様なマスト灯の特徴をもつことから、西村准教授は「夜間の操船には十分注意し、小型船に対しても、マスト灯による錯覚が起きることを周知する必要がある」と話している。
 
 衝突事故は平成20年2月19日午前4時7分ごろに起きた。護衛艦「あたご」(全長165b、排水量7750d)は北北西方向に航行、漁船「清徳丸」(全長16b、7・3d)は南西方向に航行しながら互いに接近した。
 漁船は、衝突の約3分前に大きく右転し、左舷に護衛艦の艦首が衝突し沈没した。乗船していた2人が行方不明となり、その後、認定死亡とされた。

衝突関連図.png
 
 同事故をめぐる刑事裁判では、漁船の航跡と護衛艦側の回避義務が争点となり、事故の起因となった「漁船の右転」の理由は明確にされなかった。
 しかし、二審の東京高裁は判決(平成25年6月)で、相手船の「間隔が極端に狭い二つのマスト灯」によって、漁船が「幻惑し判断を誤る」可能性を指摘した。

マスト図替え.jpg

 
 「マスト灯」については、海上衝突予防法と同施行規則の規定がある。長さ50b以上の船舶(動力船)では、前部マスト灯とそれよりも高い位置に後部マスト灯を掲げなければならず、両マスト灯の間隔(水平距離)は「船舶の長さの2分の1以上」が必要だ。
 しかし、海上自衛隊と海上保安庁の船舶は特例で、全長が50b以上あっても、その間隔は前後部マスト灯の「高さの差以上」あればよく、一般の船舶に比べて極端に狭いのが特徴だ。実際に「あたご」の前後部マスト灯の間隔は約10b、海保のPLH(ヘリ搭載型巡視船)でも6〜13bほどだ。

 西村准教授は、こうした「間隔が極端に狭い二つのマスト灯」に対する漁船側の見え方や操船判断について、東京高裁が採用した護衛艦と清徳丸の航跡をもとにシミュレーターで再現し、検証した。

 PCの船長13人と巡視船艇の航海科乗組員経験者15人に対し、衝突事故のことも、護衛艦をモデルとしたマスト灯であることも知らせずに、清徳丸から見た映像を再生した。(写真左は漁船側から見た「あたご」のマスト灯火、同右は昼間の見え方)


あたご夜昼元写真.jpg


 その結果、護衛艦の全長については船長10人と乗組員12人が「100b以下」と答え、護衛艦の全長に該当する「100〜200b」と答えたのは船長3人、乗組員2人だった。貨物船(全長152b)のマスト灯を表示した場合は、船長9人と乗組員10人が「100〜200b」と答えた。

 マスト灯から判断される護衛艦の針路について、自分の針路を12時の方向として聞いた。正解は「3時46分」だが、船長10人と乗組員12人が真向いに近い「5時台」と回答した。その避航手段を船長のみに聞いたところ、護衛艦の場合に右転と答えたのは13人中8人、左転は5人。貨物船の場合は右転はなく、左転が11人、直進が2人いた。

  これらのことから、西村准教授は「前後部のマスト灯の間隔が狭い船舶の場合は、漁船などの相手船に全長が過小に判断され、互いに角度のある横切り関係であっても真向いに近い関係にある≠ニ誤認されやすい。その結果、相手船は船首を横切る方が早く避航できると判断し、右転することを選んでしまう。清徳丸の右転≠焉A決して不自然な行動ではなかったと推察される」と話している。

 西村准教授は研究結果を昨年5月の日本航海学会で発表し、高く評価された。さらにこのほど、同学会の平成26年度論文賞を受賞した。(小野信彦記者)
サンゴ密漁で中国船の漁網確認  資源壊滅は免れる [2015年06月25日(Thu)]

◎中国船の漁網確認
◎破壊的被害は免れる
◎海保の取り締まり奏功

 昨年秋の小笠原諸島周辺での中国漁船によるサンゴ密漁問題で、水産庁は5月21日、付近海域で行った影響調査の結果を発表した。
 海底からは破損したサンゴ片や中国漁船の漁網などが発見された。密漁の痕跡地点でもサンゴの生息が確認され、サンゴ資源の壊滅的な被害は免れた。
 同庁は「海上保安庁などの監視・取り締まり、迅速な法的強化などが奏功した」とみている。
(写真は漁網にからまったアカサンゴ片=水産庁提供) 

アカサンゴ片.jpg


 調査は今年3月3〜23日に、水産総合研究センターや立正大学などの共同研究機関が行った。
中国漁船が密漁していた聟島(むこじま)や父島、母島を含む小笠原諸島周辺海域の10地点で、無人探査機を遠隔操作して海底を観察撮影し、各種観測や標本を採取した。

 その結果、アカサンゴやモモイロサンゴなどの宝石サンゴの枝折れした破損片や、418個のちぎれた漁網片などが見つかった。
 漁網に絡まったサンゴ片や、海底のサンゴ群に絡まったままの漁網もあった。漁網は地元漁業者のものとは異なる色や形状で比較的新しいことから、中国漁船のものとみられた。
 
 こうした密漁の痕跡のある地点では、明らかに宝石サンゴの分布が少ない場所があった。
 しかし、稚魚の成育に適したヤギ類のサンゴとともに宝石サンゴが生息している場所もあることから、同調査の報告書では「宝石サンゴ資源が壊滅的な被害を受けたわけではない」と述べている。
 また密漁による海底地形の大きな変化はなく、海底に残存する漁網に魚類がかかる「ゴースト・フィッシング」も発見されなかったという。
 
 我が国周辺海域の宝石サンゴの分布、資源量などの調査は今回が初めて。中国サンゴ船の問題が浮上し、緊急に実施した。                  (小野信彦記者)
中国漁船検挙 最多の16隻 平成26年の海上犯罪 [2015年03月09日(Mon)]

◎中国船検挙 過去最多24隻
◎密漁6年連続2000件越え
◎送致は2%減の7062件

 海上保安庁警備救難部は2月18日、平成26年の海上犯罪取り締まり状況を発表した。
 被疑者を検挙し送検した送致件数は全管区で7062件と、前年より139件(2・0%)減少したが、外国漁船の検挙隻数は24隻と前年(11隻)の2倍以上に増えた。
 特に中国漁船は、小笠原諸島周辺などでのサンゴ漁に多数出現し、これまで最多の検挙数。漁業関係の法令違反では「密漁」が2436件と前年より43件増加し、平成21年以降6年連続の2000件超えとなった。

 送致件数は、過去最多だった21年の8200件から、25年の7201件へと続く全体的な微減傾向がさらに進んだ。

 送致件数の法令別内訳は、海事関係法令違反が2687件で前年よりも288件減った。
 次いで漁業関係法令違反が2501件、刑法犯など1006件、海上環境関係法令違反が606件、薬物・銃器関係法令違反が35件などだった。

 このうち、海事関係法令違反で多かったのは、検査を受けていない船舶を航行させた無検査航行や定員超過などの船舶安全法関係法令の違反(1142件)で、次いで船員の労働条件などを規定した船員法の違反(564件)。

 漁業関係法令違反では、外国漁船の検挙が前年から13隻増えて24隻となった。
 そのうち16隻が中国のサンゴ漁船で、小笠原諸島周辺や沖縄、鹿児島県沖での領海内違法操業、排他的経済水域(EEZ)内での立入検査忌避などの容疑。
 中国漁船の検挙数は、統計を取り始めた昭和52年(1977年)以降、最多だった。他の外国漁船は韓国籍4隻、ロシア人のカニ漁に使われたカンボジアやシエラレオネ籍の4隻。
 
 外国漁船を除いた漁業関係法令違反の送致数は2485件で、前年よりも35件増えた。そのほとんどが「密漁」で2436件(前年比43件増)と全体の約98%を占める。密漁は平成21年に2189件と初めて2000件を突破して以降、22年2192件、23年2212件、24年2591件、25年2393件と、26年で6年連続の2000件台となった。

 密漁は実行部隊と買い受け業者が手を組んだ組織的、悪質かつ巧妙化しており、暴力団の資金源としての関与も認められる。昨年2月には、ナマコ約130`を密漁した暴力団員ら8人を室蘭保安部が逮捕した。

 刑法犯での送致(1006件)は、前年よりも164件増加した。船舶の衝突や乗揚げなどの業務上過失往来危険が739件(前年比92件増)で、次いで、乗船者を負傷させるといった過失傷害が143件(同6件増)。
 その他、偽造B-CASカードを船員らに不正売買した事案など、文書偽造などの犯罪が43件と前年よりも33件増えた。

 海上環境関係法令違反(606件)は前年より55件減った。船舶からの油や有害液体物質の排出が391件で全体の約65%を占め、次いで多いのが廃棄物投棄の148件(約24%)だった。密輸などの薬物・銃器関係法令違反(35件)は前年よりも18件増加した。
                                   (小野信彦記者)
中国船船長初公判  「サンゴは海に捨てた」 [2014年12月19日(Fri)]

 小笠原諸島・父島近くの日本の領海内でサンゴを密漁したとして外国人漁業規制法違反罪に問われた中国福建省出身の漁船船長、許益忠(シュ・イジョン)被告(39)の初公判が12月16日、横浜地裁(成川洋司裁判官)で開かれ、許被告は起訴内容を認めた。
 検察側の冒頭陳述によると、許被告は地元の「社長」から「報酬を2倍にするから小笠原諸島に行け」と言われ、金欲しさに引き受けた。逮捕された当時は赤サンゴを捕って漁船内に保管していたが、海上保安庁のヘリコプターが近づいてきたので海に捨てた。さらに以前は、沖縄・尖閣諸島周辺でもサンゴ漁をしたことがあったという。
 許被告は今年10月5日午後、父島の南約10`の海上で漁船から網を入れて操業しているところを横浜保安部の巡視船に発見されたが逃走。追跡して移乗した海保官が停船させて逮捕し、横浜地検に身柄送検していた。
 許被告の次回裁判は来年1月30日に開かれる。
 小笠原周辺での中国漁船による一連のサンゴ密漁事件では、中国人船長9人が逮捕され、そのうち許被告を含む3人が領海内での違法操業の罪で起訴されている。
サンゴ密漁 厳罰化 改正法が成立 [2014年12月03日(Wed)]

 中国船によるサンゴ密漁問題で、外国人による我が国の領海内や排他的経済水域(EEZ)内での違法、無許可操業に対する罰則を強化する改正法が11月19日、参議院本会議で可決、成立した。
 27日に公布され、12月7日にスピード施行される。

 改正されたのは「外国人漁業の規制に関する法律」(外規法)と「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律」(漁業主権法あるいはEZ法)の二つ。
 これまで領海内での違法操業への罰金は400万円以下、EEZ内での無許可操業は1000万円以下だった。
 改正により、いずれの罰金も最高3000万円に引き上げられた。
 
 また今回の法改正では、両法律に漁業監督官(海保官を含む)らによる「立入検査」の条項を新たに設けた。
 それを拒否あるいは忌避した場合の罰金も、漁業法における罰則(最高30万円)よりも重い最高300万円とした。
 
 この法改正とともに、水産庁はEEZ内で逮捕された船長らが釈放時に支払う「担保金」の基準額も大幅に引き上げ、無許可操業では最大3000万円、立ち入り検査拒否では最大300万円にする。
 さらに船内から密漁したサンゴが見つかった場合は、1`当たり600万円を担保金に加算することを決めた。
 
 サンゴ密漁は緊急性の高い重大問題として、与野党が協力して改正法案をまとめ、18日に衆議院から参議院に送られ、19日に全会一致で可決した。
韓国人旅行者3人 密漁で逮捕  対馬 [2014年11月22日(Sat)]

 対馬保安部は10月18日、水中銃を用いて水産動植物を採捕したなどとして、韓国からの旅行者3人を「外国人漁業の規制に関する法律」違反容疑で逮捕し、長崎地検厳原支部に19日、身柄付きで送致した。
 韓国人旅行者を同容疑で摘発したのは全国で初めて。
  
 逮捕容疑は、10月17日午後、対馬市厳原町の久和漁港内で、韓国から持ち込んだ水中銃を用いてヒラメ1匹(約80a)を捕った疑い。
 ほかの2人は捕る準備をした疑い。準備行為で検挙したことも珍しい。
 
 地元漁協から韓国人が密漁をしているとの通報が対馬保安部にあり、巡視船「あさじ」乗組員が陸上から現場に急行。漁港内で水中銃とヒラメ1匹を所持していた韓国人3人を発見。保安部で事情聴取をした結果、容疑が固まったため逮捕した。

 韓国との国境を接する対馬には、昨年約18万人の韓国人旅行者が来島。
 旅行者の中には、密漁目的で水中銃やウエットスーツを持ち込んでいる者がいることが今回の事件で判明した。                         (対馬)
海上保安庁長官が会見「中国船残る限り厳正対処」 [2014年11月21日(Fri)]

海上保安庁の佐藤雄二長官は11月19日の記者会見で、小笠原諸島周辺の中国のサンゴ密漁船が同日午前現在で44隻確認されたことを明らかにした。
 中国船は10月30日に最多の212隻を確認して以降、徐々に減少している。
 これについて長官は「我々の取り締まりの効果もあるが、現に中国船が残っている限り、違法操業をさせないよう厳正に対処する」と決意を述べた。

 佐藤長官は「沖縄周辺でのサンゴ密漁船の取り締まりの経験からすると、中国船は出漁後1カ月半から2カ月半の間には積載した燃料や水、食料が尽きて、自国に戻る。小笠原周辺では本日(19日午前)に44隻の中国船を確認したが、後からやって来た後発≠フ船が残っているものと考えられる」と指摘した。
 中国当局の帰港命令によるものかどうか「我々にそれを確認する手段はないし、(外務省筋からの)そのような連絡もない」と述べた。
 
 サンゴ密漁の防止のために同日成立した罰則強化の改正法については「異例のスピードで成立した。
 海上保安庁としてしっかりこれを活用し、厳正に取り締まりを行っていく」と述べた。
ナマコの密漁9人逮捕 青森 [2014年11月17日(Mon)]

 青森保安部は10月12日、青森県蓬田村沿岸で潜水器を使ってナマコを不法に採捕した疑いで、無職、佐藤伸也容疑者(34)ら青森市と宮城県在住の男6人を漁業法違反などの疑いで現行犯逮捕し、ナマコ197・2`(時価約50万円)を押収した。
 その後の捜査で、共犯者の存在が明らかとなり、20、21日に伊豆見秀幸容疑者(42)ら青森市と宮城県の男3人を同法違反容疑などで逮捕した。

押収したなまこ.jpg

押収した犯罪供用船舶1.jpg
      (写真上は押収したナマコ、下は密漁に使われた小舟) 

 調べでは、9人はグループでなまこの密漁や売買を行っていた。
 逮捕されたうち7人が、青森市内の川を小型船で出港し、陸奥湾で海に潜りナマコを密漁。ナマコを車に積んで青森市内の水産施設に持ち込んだところを、海保職員が取り押さえた。
 
 調べでは、宮城県内のグループが青森に拠点を移し、現地のメンバーも入れて密漁グループを作った。
 密漁が発覚しないよう、船を運航する者と海に潜ってナマコを採る者、漁獲物を運搬する者など役割を分ける”分業制”をとっていた。
 
 青森保安部では密漁情報を受け、2年以上の長期に渡って内偵捜査を続行。今年度は新体制を敷き、密猟者を一網打尽にすべく入念な準備を行ってきた。
 
 また、二管区では、強制捜査の現場に各部署の若手職員を投入し、実務経験を積ませている。今回も、管内の各部署から、現場赴任後3〜5年となる職員8人を派遣し、一部の職員は内偵捜査の段階から現場入りし、被疑者の逮捕や取調べなどにあたった。
 
 そのうちの一人、酒田保安部巡視船「べにばな」の池田良航海士補は「このような強制捜査に関わったのは今回が初めてだったが、初期の捜査の流れや雰囲気を知ることができた。捜索差し押さえ現場で先輩から指導を受けたり、先輩の取調べ術を間近に見るなど、これからの海上保安官人生において大きな財産となった」と語っている。
 
 二管本部では、このほか、捜査の応援として本部や各部署から30人以上を派遣するなど管区一丸となって対応している。     (二管)
小笠原・伊豆諸島沖の 中国サンゴ漁船 社会問題に [2014年11月07日(Fri)]

 小笠原諸島周辺での中国のサンゴ漁船について、三管本部は航空機による哨戒で10月30日、伊豆諸島沖を含む海域で計212隻を確認したと発表した。
 確認された隻数は、中国漁船が多数出現するようになった9月以降、最も多い。
 また、横浜保安部は同日、小笠原北方の日本の排他的経済水域(EEZ)内で違法なサンゴ漁をしていた中国人船長を逮捕した。サンゴ漁船の船長の逮捕は10月に入ってから5人目。
 
 その後、台風20号の接近に伴い、海上保安庁は、中国漁船に小笠原沖などから移動するよう警告した。
 台風による中国船の被害はなかった模様だが、台風通過後の11月7日、再び中国漁船が小笠原近海に戻り始めているのが確認された。
 三管本部は、引き続き、特別取締り体制を続けている。

中国船.jpg
 【写真は、小笠原諸島・北之島沖の中国サンゴ船。搭載艇(上)の捜査員が移乗し船長を逮捕した=10月30日】

 小笠原諸島沖では、中国のサンゴ漁船が今年春から確認されていた。
 ところが9月に急増し、同本部によると9月15日に17隻、23日に25隻を確認。
 10月に入ってからは、1日に約40隻、13日に46隻、23日には113隻と急増し、26日には102隻を確認していた。
 
 30日昼に確認したサンゴ漁船は小笠原諸島沖では48隻(日本の領海内9隻、EEZ内39隻)だった。
 その一方で、新たに小笠原諸島より北側にある伊豆諸島の鳥島と須美寿(すみす)島の周辺で164隻(領海内150隻、EEZ内14隻)が確認され、中国船の活動海域が広がっているのがわかった。

 三管本部は他管区の応援も受け、大型巡視船や航空機による特別取締りを行ってきた。
 今回の事態に対応するため、巡視船を追加派遣するなど態勢を強化し、監視、取締りを実施している。
 
 横浜保安部によると、10月30日午前、小笠原諸島・北之島の北北西約34`沖のEEZ内で、海中に漁具を投入し操業していた中国のサンゴ漁船「業浙椒漁運(セツショウリョウン)88355」(乗組員12人)を巡視船が確認。
 直ちに海上保安官が移乗して、張財財(ジャンツァイツァイ)船長(45)をEZ漁業法違反容疑で現行犯逮捕した。
 船長は違法操業を認め、関係者から担保金を保証する書面が提出されたため31日に釈放された。
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