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自衛隊と初の実動訓練 有事想定 [2023年07月13日(Thu)]

 海上保安庁と防衛省・自衛隊は6月22日、武力攻撃事態で海保が防衛大臣の統制下に入ったことを想定した初の共同実動訓練を伊豆大島東方海域で行った。民間人の移送を担う巡視船に国際条約に基づく「特殊標章」を掲示するなど、住民避難や民間船舶への情報提供・避難支援に伴う手順を検証した。

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     特殊標章(オレンジ色地に青の正三角形)を掲示した「さがみ」

 伊豆大島沖には横浜保安部の巡視船「さがみ」(3100d)、自衛隊の護衛艦「やまぎり」(3500d)と哨戒ヘリ「SH−60K」が出動。陸上では海上保安庁本庁と三管本部、防衛省内部部局と統合幕僚監部、自衛隊司令部などが参加した。
 「さがみ」が離島の住民などを安全地帯に避難させる想定。船体のマストやヘリ格納庫、後部甲板に、オレンジ色地に青色の正三角形をあしらった特殊標章を掲示した。この標章は、民間人の保護活動に従事していることをアピールするもので、ジュネーブ諸条約および第1追加議定書に基づき、敵の攻撃から保護される。
 また、「やまぎり」とSH−60Kが周辺海域をパトロールして敵の情報を収集。この情報に基づき、自衛隊が危険海域を設定し、海保に連絡した。海保は「さがみ」に情報を伝えて安全な航路に誘導したり、航行警報を発令して民間船舶に避難を呼びかける訓練などを行った。
 特殊標章を掲げての住民避難は、4月に策定された「統制要領」でも海保の強みを生かした活動として説明されており、その分、自衛隊は作戦正面に集中できる。
 訓練には海保が約100人、防衛省から約200人が参加し、2時間にわたって行われた。今後も有事を想定した共同訓練を積み重ね、連携を強化したいとしている。
  (小林利光記者)