特殊救難隊や潜水士など海上保安庁職員14人を含む日本の国際緊急援助隊救助チームはこのほど、国連による各国救助チームの外部能力再評価の最高分類である「Heavy(ヘビー)」級の評価を平成22年に続いて受けた。
この評価は、被災地における海外救助チームの能力に応じて活動現場などを効率的に調整するための指標で、「ヘビー級」チームは最前線の災害現場での活躍が期待される。
厳しい条件をクリアし、ヘビー級の評価を受けているのは、日本をはじめ、米、英、独、豪、中、シンガポールなど計28チーム。5年ごとに再評価が行われる。
日本の救助チームは、外務省をはじめ、警察庁、消防庁、海上保安庁のほか、国際協力機構(JICA)職員や医療関係者、構造評価専門家などのメンバーで構成される総勢70人の災害救助の専門集団。最近では、2010年に発生したニュージーランド地震に派遣された。
災害現場を想定し、3月3〜5日にかけ、昼夜を問わない約40時間連続の模擬救助活動を実際に行い、審査が行われた=写真上下とも審査の様子。
審査開始後しばらくすると冷たい雨が降り始め、活動現場は一面泥だらけの非常に滑りやすい状況となった。また、雨がやんだ明け方には、気温が氷点下近くまで低下する劣悪な環境下で、隊員たちはほとんど休むことなく活動を続けた。これまでの訓練成果を遺憾なく発揮し、見事「ヘビー級」の再評価を勝ち取った。
世界各国から集まった救助の専門家である6人の評価員からは「素晴らし技術とタフな精神力を持った世界トップレベルの救助チーム」との評価を頂いた。
世界の災害現場で、より一層の活躍が期待される。(本庁国際危機管理官、救難課)