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海底の移動速度にムラ 「南海トラフ巨大地震」震源域予測に期待 [2014年04月28日(Mon)]

南海トラフ図カラー.jpg

 発生が懸念される「南海トラフ巨大地震」の想定震源域における海底の移動速度が、海上保安庁海洋情報部の音波を使った地殻変動観測で分かった。
地震の誘因となるフィリピン海プレート(岩盤)の日本列島下への沈み込みが必ずしも一様ではなく、場所によってムラがあることを示すもので、観測を継続することでさらに詳しい震源域の予測に役立つと期待される。(小野信彦記者)

 
「フィリピン海プレート」は、日本列島を乗せた大陸側の「ユーラシアプレート」の下に年間4〜5センチの速度で沈み込んでいる。
 両プレートの境界(南海トラフ)近くでは上面のユーラシアプレートも一緒に引きずり込まれ、それが一気に跳ね上がったときに「南海トラフ巨大地震」が発生するとされる。

 地震の規模がマグニチュード9クラスの巨大地震の場合、想定される震源域は静岡県や愛知県、紀伊半島から四国に至る広大な範囲に及ぶ。
 
 東海〜四国の陸上の動きは、国土地理院などのGPS(全地球測位システム)観測で明らかにされている。
 海洋情報部は平成14〜16年に想定震源域の東海沖から高知県・室戸岬沖の海底6カ所に基準点を設置。測量船との間の距離を音波で測ることにより、基準点の位置を観測し、海底の地殻の動きを調べている。

 技術・国際課海洋研究室の佐藤まりこ主任研究官(現水産庁)や海洋調査課海洋防災調査室の横田裕輔海洋防災調査官付らは、14年5月から、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が起きる前の23年1月までの観測データを分析した。

 その結果、南海トラフの想定震源域内の海底の地殻は、西〜北西の方向に年に2〜5aの速度で移動し、場所によって移動の方向や速さが異なることが明らかになった。

 地殻の移動が大きいところでは、それだけ両プレート面の固着が強く、歪(ひず)みがたまっていることを示し、将来の地震の発生源となりうる。
 このような海底の動きを観測することで、将来の「南海トラフ巨大地震」の震源域をより詳しく予測できるようになるという。

 海洋情報部は23年の震災後、同じシステムの基準点を想定震源域内に新たに9カ所設け、四国〜九州沖での観測を強化した。今後数年のうちに、南海トラフ巨大地震や想定震源域に関する有用な情報が得られるものと期待される。

 今回の詳しい研究成果は、4月28日からパシフィコ横浜で開催の「日本地球惑星科学連合2014年大会」で発表する。
                        (「海上保安新聞」4月24日号から)