CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

«鮫角灯台 来場1万人 | Main | 「犬吠埼灯台」11月15日の140周年を前に»
進む灯台のLED化  [2014年11月12日(Wed)]

 青色発光ダイオードの発明で、名城大学の赤崎勇教授ら3氏に今年のノーベル物理学賞が贈られる。照明機器を中心に、今や世界中で使われている発光ダイオード(LED)。
 海上保安庁では比較的早くから、灯台や灯浮標(ブイ)などの灯火を従来の白熱電球からLEDに切り替える「LED化」を進めてきた。
 本庁交通部によると、全国にある灯浮標などの海上標識(計1370基)では既に100%LED化を達成。灯台(計3220基)は今年度末までに約85%がLED化の予定で、3年後に89%を目指す。(小野信彦記者)

DSC00713.JPG
                 (写真は開発中の灯台用LED)

 LED化の利点は、灯火そのものが白熱電球よりもハッキリ見え、上下方向の光の広がりも大きいといった「視認性」の良さが挙げられる。
 さらに、LEDはより長寿命で消費電力も少ないことから経済性に優れ、白熱電球では欠かせなかった定期的な交換作業も不要となる。
 LEDの電源として太陽光発電や波力発電を組み合わせることで、クリーンエネルギー化や災害時の停電対応も図れる。

★赤→緑→白の順で
 海上保安庁は昭和63(1988)年度から、太陽電池を電源とする航路標識のLED化に着手し、翌平成元年3月に初めて神戸市の「神戸苅藻島(かるもじま)西灯台」に赤色LEDを採用。
 その後、開発された緑色LEDを平成8年2月に「石垣港登野城(ルビ、とのすく)第三号灯標」に初採用した。
 
 赤崎氏らの青色LEDの発明(89年)により実用化された白色LEDを採用したのは、平成12年6月、宮城県南三陸町の「歌津埼(うたつざき)南方灯標」が最初。
 沿岸灯台としては平成13年3月に兵庫県豊岡市の「捨ケ鼻灯台」に白色LEDが採用された。 
 さらに平成19年3月には、改良した高高度LED(白色)を沖ノ鳥島灯台に初めて採用するなど、全国でLED化を進めた。

 ★海上標識は100%
 その結果、灯浮標や浮体式灯標などの海上標識は、平成21年2月の「東京湾中ノ瀬西方第一号灯浮標」の整備をもって全国1390基(現在は1370基)すべてがLED化した。
 岩礁や浅瀬に立つ灯標(518基)については、今年度末までに502基(96・9%)がLED化する。

 全国3220基の灯台のLED化は来年3月末で2732基(84・8%)、平成29年度末で2874基(89・3%)が達成する見込みだが、その後のLED化は白紙だ。
 というのも、灯台すべてのLED化には整備コストが問題となるからだ。
 特に大型の灯台の場合は、現状の灯火光度を維持したままLED化するには多くのLED素子が必要で、新しいレンズや設備の変更も必要となる。

★大型灯台は未定
 例えば、光度が160万カンデラと日本で最も明るく、灯火の到達距離が26・5海里(約49`)と最も長い「室戸岬灯台」(高知県室戸市)のLED化には、32万個のLED素子が必要となる計算だ。
 航路標識のうちLED化の予定がないのは現在、室戸岬灯台や明るさで国内2位の「犬吠埼灯台」(千葉県銚子市)などの灯台346基と、危険な岩礁などを照らす照射灯48基、的確な航路を示す指向灯17基など。
 特に灯台ついては「暖かな感じの今のままの灯火がいいと言う人もいる」(本庁交通部)という。
コメントする
コメント