"手間を惜しまない"事の大切さ [2013年07月18日(Thu)]
手間を掛けない、何でも手早く済ませる事が美徳とされがちな今の世の中にあって、かぐやの創作活動では小さい時から「早くしなさい」と言われ続けてきたであろうメンバーについても"自分の手であきらめずに最後まで完成させる"事に重きが置かれている。手間を惜しむ事の罪悪は何か自然との付き合い、人との付き合いや育児・教育にも通じる事があるように思えて仕方ない。損得ばかり考えている人と腹を割って話し合えるだろうか。利害関係の中だけで友達・親友ができるだろうか。人を使う反面、自らは労を惜しむような人間が対等な人間関係を築けるだろうか。
そもそも自然というものや育児・教育というものに効率主義や採算性といった概念は当てはまらない。"自然科学"という言葉自体が矛盾を孕んでいるように思えてしまう。インスタントに育った人間は何でもインスタントに手に入ると錯覚してしまうのではないか。インスタントな人間関係、インスタントな犯罪…。お金を出せば、ボタンを押せば色々なものが手に入るがそれによって想像力が奪われてはいないか。何でも人の手でコントロールできると考える事、注ぎ込んだ労力が必ず結果となって返ってくると考える事が驕りなのではないか。 かぐやメンバーは純粋で、むき出しで、ひたむきで、不器用で、痛々しく、そしていとおしい。自己表現の手段が乏しい彼らの作品は時としてまさに魂の叫びだ。製作途中の作品があれば作品の方が完成されるのを待っている。ここには手間を惜しまない贅沢があります。そんな作業所です、かぐやは。 |