先輩研究者のご紹介 松代 雄太さん
[2025年11月11日(Tue)]
こんにちは。科学振興チームです。
本日は、2023年度「鉱山集積場の植生遷移を促進するススキにおける内生菌が関与した耐性機構の解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、筑波大学大学院・生命地球科学研究群・環境学学位プログラム 博士後期課程2年の松代 雄太さんからのお話をお届けします。
<松代さんより>
2023年度笹川科学研究助成でご支援いただきました、筑波大学大学院・博士後期課程2年の松代雄太と申します。私たちの研究室では、鉱山跡地における植物とその内生菌(植物内部に生育する微生物)の相互関係を、野外観察や化学分析、組織解剖学的解析により解明することを目的とし研究を行っています。助成頂いた研究課題では、鉱山跡地に自生するススキとその根に生息する内生菌に着目し、研究を行いました。この場で、研究内容の概要について簡単にご紹介致します。
調査地の鉱山跡地(図1)は土壌に高濃度の重金属を含有し、また、地表を覆うものがなく直射日光を直接受けることから、地温変化が大きく、最高地温も高い環境となっています。このことから、調査地は重金属と高温ストレスが同時に存在する複合ストレス環境であると考えられます。ススキは日本各地の鉱山跡地に生育する先駆植物で、調査地においてもパッチ状に生育しており、ススキの根からは新種の内生菌Aquapteridospora sp.が分離されました。本研究では、調査地の重金属と高温の複合ストレス環境において、内生菌Aquapteridospora sp.がススキの生育に与える影響を明らかにするため、接種試験を行いました。結果として、内生菌を接種したススキ実生の方が、接種していないススキ実生と比べて生長が促進され、重金属や高温ストレスに対する耐性が増強されたことが明らかとなりました。現在、本研究の論文を投稿するため、準備を行っています。
笹川科学研究助成に採択された時、私は博士前期課程2年生でした。博士後期課程に進学して研究を続けたいという思いがあった一方で、特筆した研究成果などはなく、進学の決断ができずにいました。そのような中で、笹川科学研究助成に採択頂いたことが励みとなり、現在も研究を続けることができています。申請書の作成は博士前期課程1年生の時でしたが、比較的早い段階で研究を客観的に捉え、どのような点が学術的に面白いのか、どのように書けば多くの人に研究の面白さが伝わるのか、について考える機会を得たことは、私自身にとって有意義な経験となりました。学部生から申請できる、窓口の広い笹川科学研究助成だからこそ得られたものだと思います。また、採用後の助成金の管理を行ったことも、本助成を通して得られた有意義な経験であったと思います。一つの物品を購入するまでにどれだけの人が関わり、どれだけの書類が必要なのかを知ったことにより、研究ができることの有難さを再認識することができました。進路を迷っていた私にとって、笹川科学研究助成は人生を左右する大きな転機となりましたが、結果に関わらず、多くの人にとって人生を好転させるきっかけになるのではないかと思います。興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、迷わず挑戦することをお勧めします。
最後になりますが、研究をご支援くださいました日本科学協会の皆様に改めて心より感謝申し上げます。
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日は、2023年度「鉱山集積場の植生遷移を促進するススキにおける内生菌が関与した耐性機構の解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、筑波大学大学院・生命地球科学研究群・環境学学位プログラム 博士後期課程2年の松代 雄太さんからのお話をお届けします。
<松代さんより>
2023年度笹川科学研究助成でご支援いただきました、筑波大学大学院・博士後期課程2年の松代雄太と申します。私たちの研究室では、鉱山跡地における植物とその内生菌(植物内部に生育する微生物)の相互関係を、野外観察や化学分析、組織解剖学的解析により解明することを目的とし研究を行っています。助成頂いた研究課題では、鉱山跡地に自生するススキとその根に生息する内生菌に着目し、研究を行いました。この場で、研究内容の概要について簡単にご紹介致します。
調査地の鉱山跡地(図1)は土壌に高濃度の重金属を含有し、また、地表を覆うものがなく直射日光を直接受けることから、地温変化が大きく、最高地温も高い環境となっています。このことから、調査地は重金属と高温ストレスが同時に存在する複合ストレス環境であると考えられます。ススキは日本各地の鉱山跡地に生育する先駆植物で、調査地においてもパッチ状に生育しており、ススキの根からは新種の内生菌Aquapteridospora sp.が分離されました。本研究では、調査地の重金属と高温の複合ストレス環境において、内生菌Aquapteridospora sp.がススキの生育に与える影響を明らかにするため、接種試験を行いました。結果として、内生菌を接種したススキ実生の方が、接種していないススキ実生と比べて生長が促進され、重金属や高温ストレスに対する耐性が増強されたことが明らかとなりました。現在、本研究の論文を投稿するため、準備を行っています。
笹川科学研究助成に採択された時、私は博士前期課程2年生でした。博士後期課程に進学して研究を続けたいという思いがあった一方で、特筆した研究成果などはなく、進学の決断ができずにいました。そのような中で、笹川科学研究助成に採択頂いたことが励みとなり、現在も研究を続けることができています。申請書の作成は博士前期課程1年生の時でしたが、比較的早い段階で研究を客観的に捉え、どのような点が学術的に面白いのか、どのように書けば多くの人に研究の面白さが伝わるのか、について考える機会を得たことは、私自身にとって有意義な経験となりました。学部生から申請できる、窓口の広い笹川科学研究助成だからこそ得られたものだと思います。また、採用後の助成金の管理を行ったことも、本助成を通して得られた有意義な経験であったと思います。一つの物品を購入するまでにどれだけの人が関わり、どれだけの書類が必要なのかを知ったことにより、研究ができることの有難さを再認識することができました。進路を迷っていた私にとって、笹川科学研究助成は人生を左右する大きな転機となりましたが、結果に関わらず、多くの人にとって人生を好転させるきっかけになるのではないかと思います。興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、迷わず挑戦することをお勧めします。
最後になりますが、研究をご支援くださいました日本科学協会の皆様に改めて心より感謝申し上げます。
<以上>
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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