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2023年度笹川科学研究助成の募集について [2022年07月29日(Fri)]
2023年度笹川科学研究助成の募集要項が公開されました。
本年度も、よろしくお願いいたします。

2023年度ポスター.jpg

◆申請について
詳細については、下記の本会Webサイトをご確認ください。
・本会Webサイト
https://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/

■申請期間
・申請期間 :2022年10月17日 23:59 まで

■募集部門
【学術研究部門】
 ・35歳以下の若手研究者
   大学院生(修士課程・博士課程)
   所属機関等で非常勤または任期付き雇用研究者として研究活動に従事する方など
 ・1件あたりの助成額の上限は150万円
 ・「海に関係する研究」は重点テーマとし、雇用形態は問わない

【実践研究部門】
 ・学校、NPO、博物館、図書館などに所属している方
 ・1件あたりの助成額の上限は50万円

■申請方法
 Webからの申請です。

◆ご周知について
下記の本会Webサイトへのリンクや、ポスターを印刷し、ご周知頂けますと幸いです。
・本会Webサイト
 https://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/ 
・募集告知ポスター
 https://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/data/2023poster.pdf

皆様のご申請、お待ちしております。

<問い合わせ先>
公益財団法人日本科学協会 笹川科学研究助成係
TEL 03-6229-5365 FAX 03-6229-5369
https://www.jss.or.jp
E-mail:josei@jss.or.jp
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:23 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(吉冨 容さん) [2022年07月25日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2020年度に「人間とロボットが協力して『海ごみ清掃作業』を行い『きれいな海を守る』活動地域づくりを行う。」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会所属の、吉冨 容さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<吉冨さんより>
 私達は「ロボットと協働する海岸清掃は多世代オープン・イノベーション」を目標にして取り組んでいます。
 福岡県宗像市の世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産および緩衝地帯においては地域全体の保全環境を守っていく必要が有ります。
 この大島沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内海岸漂着ゴミの状況把握、持続可能な回収処理に係る新たな方策の検討、ロボットやドローンを中心に、海岸で清掃活動に働く機械の技術を体験する。ボランティアから参加する多世代の人たちが、海の技術に関心を持つことにより、オープン・イノベーションに取り組む活動をしています。

 最新の技術利用を利用した協働海岸清掃作業を短期間で具体化し、清掃のみならず、人材育成の実をあげ、継続的な活動を行います。
 筑前大島の沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内における海ゴミ(漂着ゴミ)の状況把握、持続可能な回収、処理に係る新たな方策、特に構成資産「宗像大社沖津宮遙拝所」近くの海岸沿いにおいては、大量の漂着ゴミの散乱が大きな課題であるとともに、収集したゴミの処理方法に苦心しています。

 そこで、玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究しています。
・クローラー型自走運搬機(キャタピラ)改造で海岸岩場凹凸対応出来るか
・ゴロタ石の海岸岩場での自動運搬機足回り稼働実験研究する。

図1.jpg
図1)大島宗像大社沖津宮遥拝所の緩衝地帯

写真1.jpg
写真1.ゴロタ石の海岸足場状況

写真2.jpg
写真2.ゴロタ石の海岸運搬機運行テスト

 これまでコロナ感染拡大の影響、緊急事態宣言で殆ど研究活動進んでいません。いままで玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究して来ています。道半ばですが今までまとめた項目成果です。

1)ロボットを活用した海岸清掃の成果
 ビーチクリーンロボットを活用した海岸清掃の成果は以下の通りである。GPSによる位置測位試験を行ったのち、ロボットを自動走行させた。礫浜は足場も悪く作業が辛い現場である。2日間遙拝所海岸でロボットが6往復してゴミ袋16個、ロープ、大綱、冷蔵庫扉などを運搬できた。島の住民にも、労力削減の希望が見えたと喜んでいただけた。

2)海岸清掃ロボットの活用、処理施設の整備と海洋工学の人材育成
 回収した漂着ごみの運搬を代替するロボットの活用により、ゴミ運搬の自動化と省力化を実現できる。運用時には、専門的な知識が必要となることから、人員配置等の検討が必要である。
 大島に脱炭素化可搬型高温焼却炉を整備し、島内の砂浜や磯の海岸で回収した漂着ごみの焼却を可能とする。運用時には環境管理の専門的性の高い人員を配置する必要がある

図2.jpg
図2)離島海岸清掃の未来図

 昨年10月国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のSDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム((シナリオ創出フェーズ)採択されて現在九州工業大学と九州大学の共同研究、宗像玄界灘沿岸で『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』研究に取り組み「地域コーディネーター」担当をやっています。
https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario21_hayashipj.html

 まだまだ課題は多くありますが、『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』を実現できるように、さらに研究を進めていきたいと思います。

 私は申請時、福岡県世界遺産室から推薦してもらい採択していただき、本当に良かったと思います。良いチャンスなのでこれからも研究費申請の経験が浅い若手技術者の方も、積極的にチャレンジするといいと思います。
 最後に、このような貴重な機会を与えてくださった日本科学協会の皆様に心よりお礼申し上げます。
<以上>

 日本は海に囲まれた国であり、海岸に流れ着くゴミの回収については大きな問題となっています。岩場でのごみ拾いは凹凸があり歩きづらく転倒する危険性もあり、非常に大変だと思います。ゴミ拾いをする方の安全のためにも、ロボットによるサポートができるよう、今後も研究を続けていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 08:56 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
先輩研究者のご紹介(春井 彩花さん) [2022年07月19日(Tue)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2020年度に「昆布摂取による高血圧予防機序における腸内細菌叢の役割」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、神戸女子大学大学院家政学研究科食物栄養学専攻所属の、春井 彩花さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<春井さんより>
 腸内細菌叢は、今や腸疾患だけでなく、様々な疾病との関連が示され、私の所属研究室で取り扱う高血圧についても関連が報告されています。研究室ではすでに昆布による高血圧予防効果メカニズムをいくつか観察していますが、私はその他に腸内細菌叢の関与があるのではないかと考え、明らかにするべく研究を行っています。
 助成時の研究において、大きく3つの目的に沿って実施しました。まず@先行研究で示されている高血圧自然発症モデルラット(SHR)の糞便移植による正常血圧ラット(WKY)の血圧上昇を確認する(図参照)。その上でA昆布を摂取し血圧上昇が抑制されたSHRからの糞便移植の場合、通常のSHRからの移植と比べて血圧上昇が抑制されるのかを調べる。また、B@で確認した糞便移植によるWKYの血圧上昇はその後の昆布摂取により抑制されるかを調べることです。

図:糞便移植と血圧の変動について.jpg
図:糞便移植と血圧の変動について

 その結果、先行研究と同様にSHRの糞便をWKYに移植すると血圧上昇が観察されました。しかし、昆布を摂取し血圧上昇が抑制されたSHRからの糞便移植でも、これと同程度の血圧上昇が見られ、血圧上昇抑制は観察されませんでした。一方で、移植を受けたラット自身が昆布を摂取するとSHRの糞便移植による血圧上昇が抑制されることが観察されました。これまで観察されてきたSHRや腎血管性高血圧モデルラットだけでなく、糞便移植による血圧上昇にも昆布摂取が血圧上昇抑制効果を示すことが本研究を通じて分かりました。
 糞便には腸内細菌以外の物質も含まれているという本研究の限界点も踏まえて、メカニズムについては引き続き検討し、昆布の高血圧予防効果メカニズムについて腸内細菌叢が担う役割を明らかにしたいと思います。将来的には様々な食品やその成分、食べ合わせにも着目し、主として腸内細菌の観点から食に関する研究を行うことにより、人々の健康に寄与していきたいです。

実験の様子.jpg
写真:実験の様子

 笹川科学研究助成を受けて良かった点は、研究室で進められていた昆布摂取による高血圧予防効果メカニズムについて腸内細菌叢というこれまでとは異なる観点から検討することができたということです。今回の研究結果は必ずしもポジティブな結果とはいえませんが、考察する中で様々な可能性や課題を考えることができました。また、自分で計画を立て、研究費を管理しながら遂行し、まとめ、次の研究計画を立てるという主体的な研究活動を行うことは私にとって貴重な経験となりました。
 申請する際に気を付けたことは、研究内容について研究室の先生や先輩とよくディスカッションし、研究の意義や自分の考えを整理することです。また、自分の考えをしっかり書き切ることも重要かと思います。申請した理由を記載する欄があるので、そこにのびのびと自分の研究への思いや夢を表すのが良いのではないかと思います。
<以上>

 笹川科学研究助成では、若手研究者の皆様が、研究室で担当となった研究を進めていく際に、ふと疑問に思った事や興味を持った事等の、ご自身の発想で行う研究をサポートさせていただきたいと考えております。研究内容をまとめて助成制度に申請することは大変な事かと思いますが、ご自身のアイディアを見直す機会にもなりますので、是非皆様も申請してみてください。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:41 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)