先輩研究者のご紹介 飯塚 夕夏さん
[2026年09月11日(Fri)]
こんにちは。科学振興チームです。
本日は、2024年度「ヘテロアレーンアミド基を活用した触媒創製による、四置換不斉炭素を有する非天然α-アミノ酸構築」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、名古屋工業大学・スタートアップ助教/博士後期課程(現所属)の飯塚夕夏さんからのお話をお届けします。
<飯塚夕夏さんより>
この度、このような執筆の機会をいただきましたこと非常に光栄に思います。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。本執筆が笹川科学研究助成をこれから受けられる方、申請を検討している方への一助になれれば幸いです。
私は有機合成化学を専門に研究しており、天然には存在しない非天然型アミノ酸の合成に取り組んでいます。創薬分野では、天然アミノ酸では実現できない機能を付与する手段として、非天然型アミノ酸を組み込んだ中分子ペプチドが次世代医薬品として注目されており、非天然アミノ酸の効率的合成法の開発が精力的に行われています。本申請研究で私は、[非天然アミノ酸のライブラリ−拡充を志向した新規触媒の創製]を研究テーマに設定し、ご支援いただきました。笹川助成金の使用用途は柔軟で、私は本研究の鍵である触媒の創製に多くの試薬を購入する必要があったため、主にこの費用に充てさせていただきました。本研究は全く結果のない段階から始めましたが、笹川助成金のおかげで、初期段階から円滑に研究を進めることができました。その結果、反応基質の協働的な活性化を可能にする二金属触媒の開発およびこの設計した新規触媒を用いることで、従来合成困難であった非天然型アミノ酸の合成が可能となることを明らかにすることができました(図1)。
助成期間終了後も本研究に引き続き取り組み、2026年に化学系論文の最高峰の一つである、JACS誌への論文投稿に至りました[1]。本学のプレスリリースおよびカバーピクチャーへの選定や、国際学会での招待講演で本研究成果を発表させていただき、研究成果を広く発信することができました。
笹川科学研究助成に私は、博士前期課程2年時に申請しました。本研究助成は、実績がまだ十分に積めていない修士学生にも採択をいただけるチャンスがある点が本当に魅力的だと思います。また自身の研究テーマを採択頂けたことは研究を遂行する上で経済面だけでなく、精神面においても大きな励みとなり、研究活動を邁進することができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
[1]Yuka Iizuka, Sayuri Okajima, Yamato Ueno, Tsunayoshi Takehara, Takeyuki Suzuki, Satoshi Maeda, Shuichi Nakamura. J. Am. Chem. Soc. 2026, 148, 2600–2608.
https://doi.org/10.1021/acsphotonics.6c00724
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日は、2024年度「ヘテロアレーンアミド基を活用した触媒創製による、四置換不斉炭素を有する非天然α-アミノ酸構築」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、名古屋工業大学・スタートアップ助教/博士後期課程(現所属)の飯塚夕夏さんからのお話をお届けします。
<飯塚夕夏さんより>
この度、このような執筆の機会をいただきましたこと非常に光栄に思います。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。本執筆が笹川科学研究助成をこれから受けられる方、申請を検討している方への一助になれれば幸いです。
私は有機合成化学を専門に研究しており、天然には存在しない非天然型アミノ酸の合成に取り組んでいます。創薬分野では、天然アミノ酸では実現できない機能を付与する手段として、非天然型アミノ酸を組み込んだ中分子ペプチドが次世代医薬品として注目されており、非天然アミノ酸の効率的合成法の開発が精力的に行われています。本申請研究で私は、[非天然アミノ酸のライブラリ−拡充を志向した新規触媒の創製]を研究テーマに設定し、ご支援いただきました。笹川助成金の使用用途は柔軟で、私は本研究の鍵である触媒の創製に多くの試薬を購入する必要があったため、主にこの費用に充てさせていただきました。本研究は全く結果のない段階から始めましたが、笹川助成金のおかげで、初期段階から円滑に研究を進めることができました。その結果、反応基質の協働的な活性化を可能にする二金属触媒の開発およびこの設計した新規触媒を用いることで、従来合成困難であった非天然型アミノ酸の合成が可能となることを明らかにすることができました(図1)。
(図1:本申請研究の概要)
助成期間終了後も本研究に引き続き取り組み、2026年に化学系論文の最高峰の一つである、JACS誌への論文投稿に至りました[1]。本学のプレスリリースおよびカバーピクチャーへの選定や、国際学会での招待講演で本研究成果を発表させていただき、研究成果を広く発信することができました。
(写真1:本申請研究は論文投稿に至り、カバーピクチャーに選定していただきました)
(写真2:国際学会で招待講演する機会をいただきました)
笹川科学研究助成に私は、博士前期課程2年時に申請しました。本研究助成は、実績がまだ十分に積めていない修士学生にも採択をいただけるチャンスがある点が本当に魅力的だと思います。また自身の研究テーマを採択頂けたことは研究を遂行する上で経済面だけでなく、精神面においても大きな励みとなり、研究活動を邁進することができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
[1]Yuka Iizuka, Sayuri Okajima, Yamato Ueno, Tsunayoshi Takehara, Takeyuki Suzuki, Satoshi Maeda, Shuichi Nakamura. J. Am. Chem. Soc. 2026, 148, 2600–2608.
https://doi.org/10.1021/acsphotonics.6c00724
<以上>
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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