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先輩研究者のご紹介 伊藤 愛さん [2025年12月02日(Tue)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2023年度「哺乳類と両生類から探る脊椎動物の陸生適応による心室心筋細胞の力学特性の変化」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、名古屋工業大学の伊藤 愛さんからのお話をお届けします。

<伊藤さんより>
 私は、脊椎動物の心臓の機能や力学特性が生息環境によってどのように異なるのかに興味があり、研究を進めています。生物の活動を支える心臓は軟組織であるため、一般的には化石として残りません。そのため、地球環境の変化とともに脊椎動物の心臓がどのように進化してきたのかを明らかにするために、現生動物の心臓から進化の道筋を探るという方針で研究を行っています。
 2023年度笹川科学研究助成では、上陸によって生息環境が水生から陸生へ移行した際に、心臓の機能や力学特性がどのように変化したのかを検討する研究に対して、ご支援をいただきました。これまでの研究により、水生に比べて陸生の両生類・爬虫類の心室の壁の方が厚く、コラーゲンを豊富に含んでおり、心室が硬いということが明らかになりました(図1)。


図1.png
図1 研究概要

 学生という立場で申請できる研究費助成は多くありませんが、笹川科学研究助成は助成額が大きく、使用用途の制限も比較的緩やかであるため、博士後期課程で研究の幅を広げる上で、大変有難い制度でした。実際に、本助成に係る研究の論文発表のみならず、その後の研究費獲得に繋がる基盤となる研究も支えていただいたと感じています。
 2025年4月より、名古屋工業大学に助教として着任し、現在も同様のテーマで研究を継続しています。先日、ニュージーランド・オークランド(図2)で開催されたThe 13th Asian-Pacific Conference on Biomechanicsという学会では、本助成により得られた知見を発展させた最新の検討結果を発表しました。世界中の研究者との活発な議論を通じて、多くの新たな視点を得ることができました。

図2.png
図2 オークランドの夜景(学会懇親会会場の近くで撮影)


 周囲の博士後期課程に進学予定の修士学生や博士後期課程の学生にも、本助成制度を積極的に勧めています。申請書を書くことは、自身の研究を客観的に見つめ直す良い機会になりますし、さまざまな能力が鍛えられます。私自身、応募当時は研究助成の申請書を書き慣れていなかったので、大変勉強になりました。これを読んでいる方も、ぜひ挑戦してみてください。
 最後になりますが、研究の道を歩み始めたばかりの私に温かいご支援と挑戦の機会を与えてくださった日本科学協会の皆様に、心より感謝申し上げます。

<以上>


 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 10:49 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)