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サイエンスセミナー『生き物の運動方程式!? 流れを読み解く数学の世界』を開催しました! [2024年11月08日(Fri)]

2024年11月4日、オンラインセミナー『生き物の運動方程式!? 流れを読み解く数学の世界』を開催しました。
今回の講師は、京都大学数理解析研究所准教授の石本健太先生です。

セミナーは先生が研究されている“流体と生命現象”の話から始まりました。

20141107_1.png


運動方程式を用いると未来を予測することが出来るのですが、その仕組みを生き物に応用されたのが先生の研究です。つまり先生は現実の現象と方程式の橋渡しの役割を担われています。

先生のお話の中で特に驚いたのが、『レイノルズ数』という流体のさらさら度を示すものです。なんと体が大きければ大きいほどさらさらであると生き物は感じ、体が小さい微生物はネバネバと感じるらしいです。※下の図のRがレイノルズ数です。

20241107_2.png



また、生き物の運動の鍵を握っているのは“渦”なんです。
鳥が空を飛べる理由や飛行機がとべる理由には、渦が関連しています。
先生は今後も“生き物の知性を数学にできるのか?”ということに取り組まれていかれます。


つぎに『何故先生が研究者という職を選んだのか?どのように研究者になったのか?』という経緯を話していただきました。
かつて呆然と、となりのトトロのお父さん(考古学者)にみたいな人に将来なりたいなとイメージしていた先生。中学時代は、何か特別なことに興味があるというより色々な世界に触れたいという少年だったそう。
そんな先生は、大学院の修士課程が終わったら企業に就職しようと考えていたらしいのですが、大学4年生の時に、鴨川を見てぼーとしていた時に「自然現象に興味があると思い勉強をしてきたのに、世界を知らないな。流体を理解すれば世界が違って見えて豊かで幸せな人生になるのでは?」と考え始めます。また修士1年の時に、担当教授から「生物に興味はないか?」と言われたことをきっかけに、“生物バツ1流体バツ1数学”という分野において今からやれば先駆者になれるのでは!と研究者への道に進み始めます。

最後に「研究は楽しいですか?」という質問に対し、先生は「研究者はクリエイティブな仕事で、クリエイティブな人生なので楽しい!」と答えられていました。いいアイディアが生まれたり、深遠で巧妙な数学世界の美しさに触れたりしたときなどに嬉しい気分になるとのこと。

セミナーに参加して下さったみなさん、石本先生、本当にありがとうございました。ぜひ先生の話を聞いて研究者という職業や、流体力学の勉強に興味を持たれた方はその道に進んでみて下さいね!
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 08:40 | サイエンスコミュニケーション | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)