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先輩研究者のご紹介(川見 昌春さん) [2021年08月23日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2020年度に「IoTと近距離無線通信を活用した認知症徘徊者探索支援システムの構築−通信方式改善による探索範囲広域化」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、松江工業高等専門学校所属の、川見 昌春さんから、ご自身の研究について、コメントを頂きました。

<川見さんより>
 認知症等を原因とする徘徊や行方不明となる事件は全国で年間2万件近く発生しており、深刻な社会問題として認識されています。初期の徘徊段階の早期発見が事故や行方不明を未然に防ぐ重要な分岐点となります。徘徊者発見の手段として、一般的にはGPS受信機能を持つ機器を徘徊者に持たせる方法があり、これは子どもの見守り端末としても使用されていますが、端末代や通信費などの経済的負担と機器の充電の煩わしさなど、個人的負担が大きいため普及が停滞しているようです。そこで私が研究しているのは、徘徊される方に無線ビーコンだけ送信する端末を持ってもらい、予め設置しておいた受信用ノードにビーコンが着信すれば、ノードの近辺に徘徊される方がいるという発想を元に、着信があったノードの緯度経度情報をIoT技術によりデータベースに蓄積しておき、Webアプリケーションで検索を行うことで行方不明な方の大雑把な位置を把握するという手法です(図1、2)。これにより絶対的な位置は分からないにしても、捜索範囲が絞れるため有効な手段になると考えています。これにより当事者負担は抑制できると考えていますが、受信用ノードからインターネットに接続するまでのインフラコストを抑えることが現状の課題です。

図1_システム概要.jpg

図2_ソフトウェア表示例.jpg
<図2 動作確認で試作したWebアプリケーション>

 今回の研究の端緒は、IoT(Internet of Things)で使用される特定小電力無線と呼ばれる免許が不要な無線通信モジュールのデータ通信以外の利用方法を思案するうちに、モジュール位置を相対的に得られることを思いつき、当時すでに社会問題となっていた認知症徘徊による行方不明者の捜索支援と結びつけることでした。2016年度の笹川科学研究助成で、この仕組みの検討と検証について採択していただき、2020年度の助成で再び採択いただいたことで研究を進めることが出来ました。笹川科学研究助成の制度では社会問題の解決を主眼に置く実践的研究も対象となるため、科学研究費補助金など他の助成制度では採択が難しいと思われる研究テーマでも申請が行いやすく、とても良い助成制度だと思います。

 私の仕事は高等専門学校の技術職員という職種で、主に学生の実験実習に関わる支援として、実験実習科目の指導補助、実験テーマ・教材の製作・改善等を行っています。また、学内の教職員が必要とする技術的支援や製作、地域貢献として企業との共同研究なども行っています。専門分野は電気・電子、情報システムですが、特にマイコン制御と情報システム設計製作を得意としていて、昨今よく使われるようになってきたIoT関連のシステム構築の内容も多くなってきました。これからも今回の研究で得た知見と技術を基に、ものづくり教育や実験内容・教材の改善に生かしていく所存です。
<以上>

 日本は高齢化社会となっており、徘徊者や行方不明者の捜索は非常に重要なことだと思います。私もGPS機能のあるスマートフォンを使っていますが、前の日に充電することを忘れてしまったり、使い過ぎたりすることで日中にバッテリーが切れてしまうこともあり、これでは、いざという時の捜索には使えなくなってしまう可能性も高いと思います。そんなGPSの弱点をIoT技術を用いてカバーし、社会問題に挑戦する実践的な研究であり、今後も頑張っていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:03 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)