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先輩研究者のご紹介 横山 雄大さん [2026年08月12日(Wed)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2024年度「戦後東アジア漁業秩序の形成と変容:日中台漁業交渉史(1950-80s)」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の横山 雄大さんからのお話をお届けします。

<横山さんより>
 2024年度笹川科学研究助成にご採択いただきましたこと、またこのたび執筆の機会を賜りましたこと、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
私の研究は冷戦期の東アジアの国際関係、とくに海洋漁業問題をめぐる国際関係です。笹川科学研究助成が海洋問題に注力なさっていることから、私の研究も助成対象として採択いただいたのではないかと考えております。海洋分野の専門家も含む審査員から私の研究の価値を認めていただいたことは、その後研究を遂行する上で大きな励みとなりました。
 近年、中国の海洋進出がとみに注目されていますが、この問題はおもに領土紛争、軍事・安全保障の観点から議論されています。漁業問題もこうした文脈の中に位置づけられて議論されることが多く、結果として領土紛争に関連する漁業問題ばかりに注目が集まっています。また現在の東シナ海では、日本漁業がその規模を大きく縮小させている一方で、中国漁業が大きな存在感を示しています。ただし1980年代以前の東シナ海の状況に目を転じてみれば、実のところ日本漁業が大きな勢力を誇っており、中国大陸近海にまで出漁して漁撈を行っていました。それでは、日中間の漁業関係はどのようにして逆転していったのか、その間に漁業問題をめぐってどのような外交交渉が展開されていたのか。こうした疑問が私の研究の出発点です。
 2024年度笹川科学研究助成にご採択いただいたことによって、中国や米国での長期間の資料調査に取り組むことができました。とりわけ、目下の著しい円安のために、米国への渡航・滞在には金銭的な困難が伴うことに鑑みますと、もし今回の助成がなければ、研究プロジェクトを順調に進めることはできなかったと思います。本助成のおかげで、査読付きジャーナルに拙稿を発表するとともに、博士論文を完成させて学位を取得することができました。
 現在、博士論文を単著として出版するための準備を進めています。また東シナ海以外の海域にも目を向けて、北洋漁業をめぐる戦後日ソ関係についても研究を進めています。

写真1 横山雄大.jpg
(写真1 北洋漁業をめぐる戦後日ソ関係について、函館で資料調査を行いました。
夜の時間を使って訪問した函館中華会館です。)

 私は博士4回生の期間中に、本助成を受給いたしました。人文社会系の場合、オーバードクターは必ずしも珍しくないのですが、他方でオーバードクターでも申請可能な研究助成は限定されているのが現状です。結果として、研究活動に専念できずに博士号の取得がますます遅れるばかりか、ひいては博士課程への進学そのものをためらわせることにもつながっています。より多くの若手研究者が将来の道を切り拓くべく、笹川科学研究助成に挑戦することを切に願ってやみません。

写真2 横山雄大.jpg
(写真2 台湾での日本研究支援事業に協力しました。
派遣先の一つである成功大学のキャンパスです。)

<以上>

 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:07 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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