先輩研究者のご紹介 舩越 逸生さん
[2025年07月22日(Tue)]
こんにちは。科学振興チームです。
本日は、2022年度「末梢筋の運動単位協調構造から解明する高齢者歩行速度低下要因」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、埼玉県立大学大学院の舩越 逸生さんからのお話をお届けします。
<舩越さんより>
笹川科学研究助成に興味をお持ちの方,日本科学協会に関連する皆様,当ブログを閲覧いただきありがとうございます.また,執筆の機会を与えてくださった担当者様にも感謝申し上げます.今回は本助成金を受けた体験談を僭越ながら皆様に共有できればと思います.
私が所属する国分研究室では,実験動物を対象とした筋骨格系のMechanobiology研究と,ヒトを対象としたKinesiology(生体力学や運動生理などを包括した分野)に関する研究を行うことで,基礎研究の成果をヒトへ応用していくことを試みています.
私の研究では,ヒトを対象として加齢に伴う歩行速度低下の要因を筋活動から解明することを目指しています.筋活動を運動単位(筋を構成する複数筋線維それぞれに接続する運動神経)レベルの発火活動で細分化し,既に計測されている表面筋電図(皮膚表層から記録される上記運動単位の活動を全て加算したもの)では明らかにすることのできない運動における神経筋活動パターンの一部を明らかにしました.特に若年健常者におけるふくらはぎの筋を構成する3筋の運動神経活動パターンが足し合わされることで,歩行中に計測される力学データ(蹴り出し力)等と関連し,かつ歩行速度に応じた変化を示しました.残念ながら,研究当時はコロナ禍であったため,高齢者を対象とした計測は行えませんでしたが,歩行速度低下要因を探るための基礎的な結果を得ることができました.
笹川科学研究助成を通して,今振り返って思うことは,端的に述べると自信を得ることができたということです.自分自身が面白いと思い始めた研究が評価されることは,どのような形であれ誇らしいものであり,研究を推進するモチベーションとなりました.また,助成金により,研究に必要な物品等の購入を自立して行うことができ,また学会発表の旅費を賄うことができるなど,資金面でも研究計画を実施していく上での大きな原動力となりました.また,コロナ禍での研究活動というイレギュラーな経験は,今後の研究生活に向けて大きな糧になったと感じています.
現在は,都内の整形外科クリニックで理学療法士として働きながら,卒業大学の修士研究員として研究を継続しております.昨年度にはスロベニアで開催されたサマースクール(Hybrid Neuro 2024)で発表するなど研究活動を継続し,研究を楽しんでおります.皆さんにも,自分が楽しいと思える研究に全力を尽くしていただければと思いますが,その過程で笹川科学研究助成の素晴らしいサポートを得て,それぞれの研究を大きく発展させていただく機会になりますことを願っております.私自身も,笹川科学研究助成に育てていただいた研究を今後も発展させ,多少なりとも社会に貢献していくことができるよう頑張っていきたいと考えております.
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日は、2022年度「末梢筋の運動単位協調構造から解明する高齢者歩行速度低下要因」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、埼玉県立大学大学院の舩越 逸生さんからのお話をお届けします。
<舩越さんより>
笹川科学研究助成に興味をお持ちの方,日本科学協会に関連する皆様,当ブログを閲覧いただきありがとうございます.また,執筆の機会を与えてくださった担当者様にも感謝申し上げます.今回は本助成金を受けた体験談を僭越ながら皆様に共有できればと思います.
私が所属する国分研究室では,実験動物を対象とした筋骨格系のMechanobiology研究と,ヒトを対象としたKinesiology(生体力学や運動生理などを包括した分野)に関する研究を行うことで,基礎研究の成果をヒトへ応用していくことを試みています.
私の研究では,ヒトを対象として加齢に伴う歩行速度低下の要因を筋活動から解明することを目指しています.筋活動を運動単位(筋を構成する複数筋線維それぞれに接続する運動神経)レベルの発火活動で細分化し,既に計測されている表面筋電図(皮膚表層から記録される上記運動単位の活動を全て加算したもの)では明らかにすることのできない運動における神経筋活動パターンの一部を明らかにしました.特に若年健常者におけるふくらはぎの筋を構成する3筋の運動神経活動パターンが足し合わされることで,歩行中に計測される力学データ(蹴り出し力)等と関連し,かつ歩行速度に応じた変化を示しました.残念ながら,研究当時はコロナ禍であったため,高齢者を対象とした計測は行えませんでしたが,歩行速度低下要因を探るための基礎的な結果を得ることができました.
笹川科学研究助成を通して,今振り返って思うことは,端的に述べると自信を得ることができたということです.自分自身が面白いと思い始めた研究が評価されることは,どのような形であれ誇らしいものであり,研究を推進するモチベーションとなりました.また,助成金により,研究に必要な物品等の購入を自立して行うことができ,また学会発表の旅費を賄うことができるなど,資金面でも研究計画を実施していく上での大きな原動力となりました.また,コロナ禍での研究活動というイレギュラーな経験は,今後の研究生活に向けて大きな糧になったと感じています.
現在は,都内の整形外科クリニックで理学療法士として働きながら,卒業大学の修士研究員として研究を継続しております.昨年度にはスロベニアで開催されたサマースクール(Hybrid Neuro 2024)で発表するなど研究活動を継続し,研究を楽しんでおります.皆さんにも,自分が楽しいと思える研究に全力を尽くしていただければと思いますが,その過程で笹川科学研究助成の素晴らしいサポートを得て,それぞれの研究を大きく発展させていただく機会になりますことを願っております.私自身も,笹川科学研究助成に育てていただいた研究を今後も発展させ,多少なりとも社会に貢献していくことができるよう頑張っていきたいと考えております.
<以上>
日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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