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先輩研究者のご紹介 藤原 睦也さん [2024年10月07日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2022年度「光遺伝学による液−液相分離制御を用いた局所翻訳調節とシナプスの形態・機能の解析」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、横浜市立大学大学院生命医科学研究科(助成時)の藤原 睦也さんからのお話をお届けします。

<藤原さんより>
 2022年度に笹川科学研究助成を頂いておりました、藤原睦也です。まず、本課題のご支援を頂きましたことに深くお礼申し上げます。
 私が行っていた課題は、外部環境変化に応じて急激にタンパク質の需要量が変わる神経細胞で、長い神経突起末端へのタンパク質の迅速な供給を可能にする輸送システムに関する研究です。神経細胞は、必要なタンパク質をmRNAの状態で輸送することで、細胞体から遠く離れた軸索や樹状突起などの神経突起の成長やシナプス形成におけるタンパク質の需要に対応しています。この輸送は必要なタンパク質の情報を担うmRNAと、それと相互作用できるタンパク質が「神経輸送顆粒」を形成することで能動的に行われると考えられています。本課題では、この神経輸送顆粒が形成・輸送されるメカニズムを「光遺伝学」という方法を用いて再現する研究をしていました。
 助成いただいた感想と致しましては、率直にありがたかったと感じています。特にありがたかった点は、研究の萌芽性を評価して助成いただけた点です。私は神経輸送顆粒の形成メカニズムについて、「液-液相分離」という現象に着目していました。この現象は近年注目されてきたものであり、研究計画開始当初、神経細胞でこの現象を光遺伝学的に制御する、というのは前例のない事でした。そのため研究を行う中で新たな実験手法と未経験の機器の使用によって、多くの試行錯誤とコストを必要としていました。その中で本助成の支援を得られた事で、スムーズに研究を遂行する事が出来たと感じております。使い勝手に関しましても、特に不自由する事はありませんでした。
 申請書の作成について、特に修士課程で、萌芽性のある研究を自分で舵取りをして進めていきたいという方にはぜひ、応募をお勧めいたします。また、申請書を書くというのはかなり労力を要する作業ではありますが、私は申請書を書く中で自分の研究をブラッシュアップし、具体性や新規性のある実験計画を立てる事が出来たと感じています。ぜひ、挑戦してみてください。

写真1.jpg


<以上>


 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:20 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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